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マネジメントの現場から

2014年5月30日(金)~31日(土)  サイトビジット(寺岡プロジェクト)報告

 平成23年度に採択された寺岡プロジェクト「高齢者の営農を支える「らくらく農法」の開発」の3回目のサイトビジットを実施しました(於:奈良県下市町)。これまでのサイトビジットはこちら(第1回サイトビジット第2回サイトビジット)。

 寺岡プロジェクトでは、営農高齢者が安心して農作業を続けることを支援するために、様々な角度から「楽に」「楽しく」農業を続けられる環境づくりを進めています。
 今回のサイトビジットでは下市町栃原地区を中心に、プロジェクトの成果に直に触れながら、成果のまとめ方に関しての意見交換を行いました。なお、寺岡プロジェクトのブログでもご報告いただいています(こちら)。

 初日はまず、下市町情報センター(全国でもっとも古い自治体運営のケーブルテレビ!)を見学しました。プロジェクト活動の発信も行っているとのことで、ゆくゆくはプロジェクトが作成した「らくらく体操」の放映も検討されているとのことでした。続いて、下市町の杦本町長とお会いし、地域づくり推進課をはじめとした町ぐるみの取り組みについて、お話を伺いました。庁内横断的な課を設立したことで、スムーズな活動につながっているとのことでした。
 その後、プロジェクト成果を如何に効果的に伝えることができるか、成果発信のあり方に関して、プロジェクトと意見交換しました。コミュニティに入り込んで地域の方々と協働して課題解決に取り組むアクションリサーチでは、その成果の示し方は大きな課題です。全体として、最終成果だけではなく、動的な「進化のプロセス(笹岡氏(三晃精機株式会社社長))」をきっちりと描くことが他地域に伝える上で重要だろうという結論に至りました。類似の取り組みを進める上で参考になる情報となるように感じました。

下市町の杦本町長とご面会。町としての取り組みをお伺いしました。

 二日目は、柿畑に足を運び、電動運搬車・電動一輪車を実際に動かしてみました。特に伝道運搬車は急斜面でも安定し、小回りも利きました。両者を特徴に合わせて使い分けることで、農作業に安心して集中できそうです。次に柿の葉栽培のモデル園に移動して柿の葉に触れながら、栃原地区の区長さんから柿の葉栽培について伺いました。柿の葉栽培には、柿の実とは異なるノウハウがあり、営農者側にも発想の転換が必要になるとのことでした。栽培した柿の葉を、一年を通じて提供するために必要な冷蔵庫は農事組合法人が一括で管理しているとのことでした。下市町の地域づくり推進課が支援しています。

電動運搬車の詳しい説明を受けました。実際に動いている写真はこちらから。

地域で議論を重ね、農事組合法人「旭ヶ丘農業生産販売協同組合」で大きな冷蔵庫を管理。

 最後に、下市町柿の里ホールで開催された「栃原の食の交流会」と「寄り合いからだ点検」に参加しました。食の交流会では、柿の葉寿司をはじめとして、寺岡プロジェクトによる集落点検で再発見した地元食「里芋おはぎ」など多くの地元料理をいただきました。栃原の女性グループからひとつひとつ丁寧に説明を伺い、みんなで楽しく食べる交流会になりました(料理の写真はこちら)。
 「寄り合いからだ点検」までの時間も活用して、前日同席できなかったPPKグループ(からだ点検、らくらく体操開発担当)との意見交換を行ったうえで、「寄り合いからだ点検」に参加しました。からだの柔らかさ、バランス能力などの体力測定から始まり、PPKグループリーダー藤原先生から、柿栽培によるからだの凝りをほぐすことの大切さなどのご報告がありました。そして、らくらく体操を皆さんと一緒に体験。この日はらくらく体操のために寺岡先生が作曲された音楽も初披露され、楽しくからだの凝りをほぐしました。

「らくらく体操」を体験。みんなで「楽に」「楽しく」からだをほぐしました。

 複数のプロジェクトグループが「高齢者の営農を支える」という同じ目標の下、協働している姿を、直に感じることができたサイトビジットとなりました。


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