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ほっとコラム

健康・地域づくりの秘訣「やぶからぼうたいそう」

研究代表者 新開 省二(中央)研究実施者 ※野藤 悠(右)、松尾 恵理(左)
研究代表者 新開 省二(中央)
研究実施者 ※野藤 悠(右)
松尾 恵理(左)
※今回のコラムの構成を
ご担当くださいました。
地方独立行政法人
東京都健康長寿医療センター研究所

 新開プロジェクトでは、埼玉県鳩山町、群馬県草津町、兵庫県養父市の3つの自治体と共同で「高齢者の虚弱化を予防し健康余命を延伸する社会システムの開発」に取り組んでいます。
 3地域のうちの一つ、兵庫県養父市は人口27,000人の都市で、高齢化率が32%と高齢化が進んだ地域です。この養父市では、巡回型介護予防教室(市内全ての地区を巡回し、地区に住む全高齢者を対象に介護予防教室を開催するというもの)を始めとする、ユニークな介護予防が展開されています。今回のコラムでは、そのような養父市での取り組みの一つを、養父市地域包括支援センターの吉田由佳保健師にご紹介いただきます。

 後期高齢化率が20%を超え(県下NO.1!)、高齢化の進んだ兵庫県養父市では、『地域の人たちがいつまでも元気に暮らし続けられる地域づくり』を勧めています。そのような地域づくりの一つとして、養父市では地域包括支援センターが中心となって、棒を使って簡単な運動ができる健康体操「やぶからぼうたいそう」を創作し、普及啓発をはじめました。

兵庫県養父市地域包括支援センター吉田由佳保健師と『やぶからぼうや』
兵庫県養父市地域包括
支援センター吉田由佳
保健師と『やぶからぼうや』

 「やぶからぼうたいそう」制作当時、高齢者向けの体操は行っていましたが、体操をしていて「楽しい!」と思えるものではなく、インパクトもありませんでした。そこで、『子どもから高齢者までが一緒に楽しめて、介護予防や異世代交流による地域づくりも目指せるような体操を作りたい!』と考え、その思いに賛同して下さる市民の方と、創作に取り掛かることになりました。

 作詞・作曲は、介護予防サポーター事業等を一緒に担当している市社会福祉協議会職員がメンバーを務めるアマチュアバンド「吉田村」が行ってくれることになり、振り付けは市内でバトン教室を主宰する先生の協力を得て考案しました。そして、2008年7月。「棒を使っていつでも気軽に始められる、養父市(やぶし)生まれの楽しい体操」として「やぶからぼうたいそう」と命名、養父市のご当地体操が誕生しました。

 「ふるさと自慢をするならば緑ゆたかなこの空気、胸いっぱいに吸い込んでそれ1・2・3・4深呼吸~♪」(1番)。「~養父から命輝いてやぶからぼうたいそう~」(3番)。歌詞は3番まであり、リズミカルな音楽に合わせて約5分間、体をひねったり伸ばしたり無理なく体を動かします。肩幅くらいの大きさの竹や、広告で作った手作りの棒を使うのが「やぶからぼうたいそう」の特徴です。

 「やぶからぼうたいそう」が出来て早5年。市内の保育園児から地域の高齢者、婦人会の方など、さまざまな年代の方にこの体操を取り組んでいただいています。地区の運動会やミニデイサロンなど、あちこちから音楽が聞こえてくるようになりました。中には、地区の人が集まった時に、「やぶからぼうたいそう」をやってみたところ、すごく雰囲気がよかったということで、その後も毎日時間を決めて集まり体操を続けておられる地区もあります。この体操をすると、みなさんなぜか笑顔になるんです♪
 
 2010年には、更に地域に愛される体操をめざし、やぶからぼうたいそう推進キャラクター「やぶからぼうや」も誕生しました。これからも、健康づくりや地域づくり、異世代交流を地域の皆さんと楽しみながら取り組んでいきたいです。

「やぶからぼうたいそう」を取り組まれている住民の方からこんな声が上がっています。
「こんな楽しい体操なら毎日できると思って、よしやろう!と地域で取り組んでます」
「孫と一緒にできる体操で、孫からおばあちゃんも上手だねってほめてもらいました!」
「やぶからぼうたいそうの曲を聴くと、自然に体が動きます」



【やぶからぼうやのプロフィール】
○誕生:竹やぶに住む、竹のようにすくすくと育った竹の男の子。
「やっぷー:養父市のキャラクター」とはなかよしのお友達。やっぷーが養父市で大活躍しているのでぼくも何か一緒に頑張りたいと思って、竹やぶから飛び出してきた。
○性格:まさに竹を割ったような性格!明るくてとにかく元気!
○趣味:健康づくり。日課として毎日「やぶからぼうたいそう」をしている。人が集まる
ところが大好きでみんなの人気者。
○特技:やぶからぼうたいそう



今回のコラムを担当された新開プロジェクト「高齢者の虚弱化を予防し健康余命を延伸する社会システムの開発」の紹介はこちらをご覧ください。

(掲載日:2013年1月11日)

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