
加藤 佑佳京都府立医科大学大学院 医学研究科 精神機能病態学 講師
プロジェクト概要
近年、医療・福祉・行政などの現場では、対面支援に加えてオンラインや電話、AI チャットといった非対面支援が広がり、情報の取捨選択や意思決定が個人により強く求められ、意思決定が難しい場面が増えている。こうした状況の中で、うつや加齢に伴う認知機能低下の不安を抱える高齢者が、「誰を信頼するか」「どの情報を信じるか」を自ら判断し、適切な支援につながるための環境整備が喫緊の課題となっている。本プロジェクトでは、このような高齢者を主な対象とし、まず、対面・非対面それぞれの支援場面における信頼形成のプロセスとその阻害要因を実態調査および心理学的実験によって明らかにする。次に、その知見をもとに信頼を築く情報提示の工夫や対話設計、支援者向け教育プログラムを開発する。さらに、開発した支援手法を実際の医療・福祉現場に導入し、その効果を検証することで、当事者が安心して判断・選択できる社会の実現を目指す。
