研究概要

研究課題
「ナノワイヤー太陽電池」

 本事業では、現在25%程度のシリコン太陽電池の変換効率を30%以上まで向上させるための革新的太陽電池として、シリコンナノワイヤー太陽電池の研究を行う。
 シリコン太陽電池の研究開発の歴史は長く、これまでの数10年間の研究開発を振り返ると、シリコン太陽電池の変換効率は、大きなブレイクスルーが生まれたときに階段状に向上してきた。しかし、いまやシリコン太陽電池の変換効率は25%でほぼ飽和状態となっており、この状況は、この10年間変化していない。

太陽電池(シリコン単結晶)のエネルギー変換効率の推移

 将来ともにシリコンが太陽電池材料の主流であることを考えれば、何としてでもシリコンを用いて、理論限界を打ち破るブレイクスルーを創出する必要がある。この決め手となるのが、ナノワイヤーである。
 本研究では、研究計画を2段階に考えている。まず、第1段階では、シリコンナノワイヤー太陽電池の作製プロセスの洗い出しから始まり、電気的・光学的評価を通して、最適なナノワイヤー太陽電池構造を創出する。また、ボトムセルとなるシリコン太陽電池については、まず極限まで高品質化されたバルクシリコン結晶成長技術を開発する。ここで開発された超高品質シリコンウェハを用いて、新型ヘテロ接合技術により超薄型高効率シリコン太陽電池を形成する研究開発を行う。
 第2段階では、シリコンナノワイヤー太陽電池の高効率化を図るとともに、ボトムセルとなる新型ヘテロ接合太陽電池とタンデム化させ、変換効率30%以上を目指す。

5年間の研究開発計画

5年間の研究開発計画

研究体制