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- 「GX実現に向けた異分野連携シンポジウム」ページ(Coming Soon)
東海地区(2025年4月14日(月)午後)| 会場:名古屋大学工学研究科中央棟 ESホール(ハイブリッド開催)(予定)
関東地区(2025年4月21日(月)午後)| 会場:TKP市ヶ谷(ハイブリッド開催)(予定) - 2025年3月7日
「GX実現に向けた統合的な研究開発」サイトを公開しました
GteX/ALCA-Next PD挨拶

PD 魚崎 浩平 (北海道大学 名誉教授/NIMS 名誉フェロー/JST CRDS 上席フェロー)
世界気象機関(WMO)はState of the Global Climate 2023 (2024年3月19日発行)およびそのCOP29に向けたアップデート版(2024年11月11日発行)で、2023年は過去最高の暑さであったが、2024年1月~9月の平均地表温度はさらにそれを上回る過去最高の1.54±0.13 ℃であり、パリ協定での長期的努力目標である1.5℃を限られた期間ではあるが超えていること、また、海洋熱容量や平均海洋面が過去最高レベルとなり氷河の減少が著しいこと、さらに、3大温暖化ガス(二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素)濃度が2023年に過去最高となったことを示し、地球温暖化の勢いは止まっておらず、それに伴う異常気象が世界中に大きな社会経済的影響を与えていることを報告しています。
地球温暖化に対する国際的な取り組みは、国連気候変動枠組条約(UN Framework Convention on Climate Change:UNFCCC)締約国会議(COP)で議論されていますが、日本政府は2020年10月に2050年カーボンニュートラルを目指すことを宣言しています。2025年2月18日には地球温暖化対策計画を閣議決定し、2035年度、2040年度において、温室効果ガスを2013年度からそれぞれ60%、73%削減することを目指す、新たな「日本のNDC(国が決定する貢献)」をUNFCCCに提出しています。これらの高い目標の達成と将来産業の創出に向けては、既存技術の導入だけではなく新規技術の創出が不可欠です。また、そうした技術を継続的に生み出すためには、産業界における技術開発や実証と並行して、アカデミアにおける研究開発と人材育成への支援が求められます。
JSTでは、2023年度、トップレベルの研究者が連携するチーム型研究体制で、蓄電池、水素、バイオものづくりの3領域において社会実装につながる最終システムを意識した研究開発を進める「革新的GX技術創出事業(GteX)」を開始しました。加えて、相補的なプロジェクトとしてより幅広い領域を対象とし、少人数の研究者によりゲームチェンジングテクノロジーの創出を目指す「戦略的創造研究推進事業ALCA-Next(先端的カーボンニュートラル技術開発)」を推進しています。両事業を一体的に運営し、事業間連携を促進することによって、異分野研究者の参入・連携を促し、カーボンニュートラルに関する研究開発の成果をあげることはもちろん、若手研究者の育成、国際連携などを進め、日本が GX 推進におけるグローバル・ネットワークの核になることを目指します。
実施体制

JST 革新的GX技術推進委員会 委員
- 小原 春彦
- (産業技術総合研究所 上級執行役員 エネルギー・環境領域 領域長)
- 菊池 昇
- (株式会社トヨタコンポン研究所 代表取締役所長)
- 篠崎 和子
- (東京農業大学 教授)
- 高原 淳
- (九州大学 ネガティブエミッションテクノロジー研究センター 特任教授)
- 辰巳砂 昌弘
- (大阪公立大学 学長)
- 山岸 秀之
- (旭化成株式会社 ライフイノベーション事業本部 専務執行役員ライフイノベーション事業本部長)
- 山地 憲治
- (公益財団法人地球環境産業技術研究機構 理事長)
カーボンニュートラルに向けた取り組み
JSTでは、2010年からおよそ15年に渡り、カーボンニュートラルに関するプロジェクトを推進してきました。2010年度に「先端的低炭素化技術開発(ALCA)」を開始し、スモールスタート&ステージゲート方式で課題採択・評価を行いつつ、二酸化炭素排出量の大幅削減に資する研究開発を推進しました。2017年度からは、ALCAを発展的に拡充した「未来社会創造事業」において、ALCAと同様のアプローチで低炭素関連の研究開発を推進してきました。なお、2013年度から10年間実施したALCA特別重点技術領域(次世代蓄電池)(ALCA-SPRING)では、革新電池を実現するという視点から、アカデミアの研究としてはユニークなチーム型研究を実施しました。
2023年度にはALCA-SPRINGの精神を受け継ぎ、トップレベルの研究者が連携するチーム型研究体制で、蓄電池、水素、バイオものづくりの各領域において社会実装につながる最終システムを意識した研究開発を進める「革新的GX技術創出事業(GteX)」を開始しました。加えて、相補的なプロジェクトとしてより幅広い領域を対象とし、少人数の研究者によりゲームチェンジングテクノロジーの創出を目指す「戦略的創造研究推進事業 ALCA-Next(先端的カーボンニュートラル技術開発)」を推進しています。 未来社会創造事業「地球規模課題である低炭素社会の実現」領域についても、ステージゲートを通過した課題はALCA-Nextで推進することとし、カーボンニュートラルに寄与する技術開発を一体的に運営・評価することで、成果の最大化を図ります。

公募情報
戦略的創造研究推進事業 ALCA-Next(先端的カーボンニュートラル技術開発)
2025年度研究開発提案募集公募中
https://www.jst.go.jp/alca/koubo/2025/index.html