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JSTnews 2024年6月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。
2024年6月号
- 特集
- エチオピアで持続可能な土地管理目指す 住民と研究者が協働して「砂漠化」を防止
電波の反射を最適化する基礎理論構築 ストレスを感じさせない通信環境を実現
P.03特集 1― エチオピアで持続可能な土地管理目指す 住民と研究者が協働して「砂漠化」を防止
青・白ナイル川が合流したナイル川下流域では、上流から流れてきた肥沃な土壌が豊かな実りをもたらし、エジプト文明を産み育ててきた。しかし、エチオピア高原に発する青ナイル川上流域は、その土壌侵食が世界で最も深刻な地域の1つとなっている。エチオピア連邦民主共和国主導で「砂漠化・土地劣化」防止を試みてきたが、その持続性の面で課題が指摘される。同国の人口は、50年前と比較すると約4倍に増えており、砂漠化・土地劣化の阻止は至上命題だ。鳥取大学乾燥地研究センターの恒川篤史教授は、住民参加による土壌侵食の削減のほか、土地生産力の向上や農家所得の増加も目的に研究活動を行っている。
P.08特集 2― 電波の反射を最適化する基礎理論構築 ストレスを感じさせない通信環境を実現
Society5.0の実現に向け、大容量の情報を多数の端末間で高速かつ遅延なく受発信できる通信環境が求められている。そうした環境の制御を屋内で実現するものとして注目されるのが、人工物質「メタマテリアル」を使った反射板の「RIS」だ。室蘭工業大学コンピュータ科学センターの太田香教授は、ユーザーにストレスを感じさせない通信環境の実現に向け、環境制御の最適化に向けた基礎理論の構築に挑んでいる。
P.12連載― イノベ見て歩き
第11回 個人で導入可能なメタン発酵システム 小規模・低価格化で市場展開を加速
社会実装につながる研究開発現場を訪ねる「イノベ見て歩き」。今回は、家畜ふん尿など有機性廃棄物のメタン発酵システムを小規模低価格化することで、個人経営の農家でも導入を可能にした豊橋技術科学大学資源循環工学研究室と、その市場展開を進める大学発ベンチャーの豊橋バイオマスソリューションズの取り組みを紹介する。
P.14NEWS & TOPICS
- 研究成果
- ハンダで不揮発な磁気熱スイッチングを実現
- 研究成果
- CO2吸収でエラストマーをちぎれにくく
- 研究成果
- 加齢による中年太りの仕組みを解明
- 研究成果
- 肺胞形成のメカニズムが明らかに
P.16さきがける科学人― 「生命の起源」を解明したい RNA構造の自己複製を実証
早稲田大学 理工学術院 先進理工学部
電気・情報生命工学科 専任講師
水内 良
ISSN 1349-6085
編集発行/ 国立研究開発法人科学技術振興機構 総務部広報課
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