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JSTnews 2024年5月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。
2024年5月号
- 特集
- 自動運転車の安全性の数学的証明に挑戦 公道で通行可能な未来の実現に向けて
タイ原産のスズキとエビを「家魚」化 途上国の食料問題を持続的養殖で解決
P.03特集 1― 自動運転車の安全性の数学的証明に挑戦 公道で通行可能な未来の実現に向けて

自動運転技術は、交通事故の防止につながる技術として高い注目を集めている。自動運転のレベルは0~5までの6段階に分けて定義されており、走行領域など決められた条件下で全ての運転操作を自動化する「レベル4」の実用化に向けた試みが着実に進んでいる。将来的に、自動運転車が公道で通行可能な未来を実現するためには、安全性を高めるだけでは不十分であり、住民への説明を重ねて安全性を保証する必要がある。自動運転車の安全性の数学的証明に取り組んでいる国立情報学研究所アーキテクチャ科学研究系の蓮尾一郎教授に信頼を高める道筋を聞いた。
P.08特集 2― タイ原産のスズキとエビを「家魚」化 途上国の食料問題を持続的養殖で解決

世界人口の増加や地球環境の変化により、地球規模で食料不足が懸念されている中、世界の動物性たんぱく質の供給源として水産養殖の増産が期待されている。タイ王国は水産物の養殖産業が盛んで、ティラピアなどの養殖が経済成長に貢献してきた。東京海洋大学海洋生命科学部の廣野育生教授は、途上国の食糧問題を持続的養殖で解決するべく、タイ原産のアジアスズキとバナナエビを家魚化するための技術開発に取り組んでいる。
P.12連載― イノベ見て歩き
第10回 スマホに装着する眼科医療機器を開発 世界の失明者を半分に減らしたい

社会実装につながる研究開発現場を紹介する「イノベ見て歩き」。第10回はスマートフォンに簡単に装着できる眼科医療機器を開発し、世界の失明者を半分に減らすことを目標に掲げているOUI Inc.(ウイインク)の取り組みを紹介する。同社は慶應義塾大学医学部発のベンチャーで、アジア・アフリカ・中南米で先行的なプロジェクトを始めている。
P.14NEWS & TOPICS

- 研究成果
- 成熟度の高い軟骨オルガノイドを作製
- 研究成果
- 自動運転LiDARセンサーの脆弱性調査
- 研究成果
- 金ナノ粒子、溶液中でも優れた触媒反応
- 研究成果
- 肥満に伴う代謝異常を分子レベルで解明
P.16さきがける科学人― 散乱光や蛍光で流体内の輸送現象を解明 微小スケールの計測でものづくりに貢献

京都大学 大学院工学研究科
機械理工学専攻 助教
栗山 怜子
ISSN 1349-6085
編集発行/ 国立研究開発法人科学技術振興機構 総務部広報課
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