JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2017年度>2017年9月号
JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03
JST発ベンチャーの成長を支えるSUCCESS
SUCCESSは、JSTの研究開発成果の実用化し、社会に還元することをめざすベンチャー企業を支援する制度で、新たに設立するか、設立からおおむね5年以内の初期段階にある企業を対象とする。公的な機関が出資することで社会的な信用が高まり、民間による出資を得やすくなる「呼び水効果」が狙いの1つだ。出資金以外に、人的、技術的な支援も行う点が特徴だ。出資を受ける4社の起業家、研究開発者に、起業への道のりやSUCCESSにより支援を受ける利点などについて聞いた。
P.04出資型新事業創出支援プログラムSUCCESS
大学の高い技術を背景に次世代のインクを開発
山形県米沢市を拠点とするフューチャーインク社は、次世代技術として注目されているプリンテッド・エレクトロニクスに関連する事業を展開している。印刷により電子回路を作成する技術で、高い生産性や軽さ、形状の自由度の高さが特徴だ。山形大学に所属し、同社を立ち上げた時任静士代表取締役社長と熊木大介取締役副社長に起業の経緯や将来の展望などを聞いた。
P.06出資型新事業創出支援プログラムSUCCESS
撮影するだけで立体形状を瞬時に測定!
4Dセンサー社は、モアレというしま模様の性質を利用して物体の形状変化を瞬時に計測する技術を開発している。自らの研究成果の実用化に取り組んできた森本吉春代表取締役会長と柾谷明大代表取締役社長に、これまでの道のりと今後の展望を聞いた。
P.08出資型新事業創出支援プログラムSUCCESS
免疫難病やがんの細胞治療に挑む
世界的な免疫学者である大阪大学栄誉教授の坂口志文さんと京都大学教授の河本宏さんは、CRESTで育んできた研究成果を基に、新たな医療技術の実用化に挑んでいる。体内の免疫細胞の働きを制御することで、アレルギーを抑えたり、がんを治療したりする方法は、副作用が少ない上に、高い効果が期待される。再生医療分野の起業支援をしてきた松田直人さんとタッグを組み、レグセル社を設立した。
P.10出資型新事業創出支援プログラムSUCCESS
スマホが医療カルテに患者と医師をつなぐウェブサービス
現役の医師と情報工学分野の専門家が立ち上げたメディカルデータカード社。患者自身が医療情報をウェブ上で管理し、いつでもどこでも閲覧できるサービスを提供して、患者と医療機関との懸け橋となることをめざす。同社の洪繁取締役会長と西村邦裕代表取締役社長に、事業の本格化に向けた意気込みを聞いた。
P.12第 4 回 研究成果展開事業 産学共創基礎基盤研究プログラム
テラヘルツ光で見るゴム深部のひずみ ─光でミクロの構造に迫る─
光と電波の両方の性質を兼ね備えたテラヘルツ光。慶應義塾大学理工学部の渡邉紳一准教授らは、テラヘルツ波を用いた黒色ゴムの非破壊検査手法を開発した。この技術により、タイヤや防振ゴムなどの内部のひずみが簡単に計測できるようになると期待されている。
P.14JSTの最近のニュースから
NEWS & TOPICS
【研究成果】エタノールが植物の耐塩性を高めることを発見 【研究成果】木材主成分の「リグニン」だけでペットボトルなどの原料を生産する微生物を開発 【研究成果】HIVの集団レベルの感染リスクを性器ヘルペスの流行レベルから高精度で推定可能に 【話題】本地震からの早期復興に向けて
P.16戦略的創造研究推進事業ACCEL
千年後にも役に立つ化合物を作りたい
名古屋大学 大学院工学研究科 教授松田 亮太郎
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「出資型新事業創出支援プログラムSUCCESS」から出資を受けたベンチャー企業4社の企業家、研究開発者たち。左上から時計回りに、レグセル社、メディカルデータカード社、フューチャーインク社、4Dセンサー社。