JSTトップ>JSTnews>バックナンバー一覧 2013年度>2014年2月号
JSTnewsは、独立行政法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。JSTの活動と、最新の科学技術・産学官連携・理数教育などのニュースを、わかりやすくご紹介します。
P.03ネクローシスのドミノ倒しをくい止め、新たな治療法の創成へ
細胞死の迷宮を分子化学で解き明かす
毎年日本で数十万人が罹患する心筋梗塞や脳梗塞に「ネクローシス」型の細胞死が深く関わっていることがわかってきた。理化学研究所の袖岡幹子主任研究員は、化学や生物学、物理学などを融合させ、細胞の壊死の仕組みに迫る数々の斬新な手法を見つけ出した。解明不可能と考えられてきたネクローシスの制御法を編み出すことで治療薬の開発に役立てることを目指している。卓越した能力と先取性のある若手研究リーダーを選出し、独創性に富んだ研究をバックアップするJSTのERATOで、数少ない女性リーダーとして活躍する袖岡さんにその最新成果を聞いた。
P.06静岡科学館「る・く・る」の女性館長・長澤友香さんに聞く
科学館が育てる"探究の喜び"
科学館は、科学技術の役割や未来の可能性を伝え、理科好きの子どもたちを育てる役割を果たしている。静岡駅の目の前にある「静岡科学館 る・く・る」(指定管理者:静岡市文化振興財団)も地域の科学コミュニケーション活動の拠点のひとつとして、JSTの支援も受けながら先進的な取り組みを次々に打ち出している。2013年春、ここに長澤友香館長が就任した。全国でも数少ない女性館長として手腕をふるう長澤さんに、科学館事業に取り組む熱い思いを聞いた。
P.08JST「さきがけ」の女性研究者が語るキャリアと家庭
研究職で花開く未来
日本人研究者に占める女性の割合は14%と欧米に比べて半分に満たない。JST「さきがけ」のライフ、グリーン、ナノテク・材料の各分野で活躍中の女性研究者たちに、研究職の魅力とともに、出産・子育てなどのライフイベントとどう向き合ってきたか、本音で語っていただいた。
P.12未来の科学者を目指して
プラナリアの摂食行動を解明する!
切られても切られても再生する不死身の「プラナリア」。口が腹にあり、寄り目が印象的なそんな不思議な生き物に魅せられて、中学生のときからプラナリア研究一筋の大学院生がいると聞き、京都大学の研究室を訪ねた。
P.14JSTの最近のニュースから… TOPICS
P.16研究成果最適展開支援プログラム A-STEP「シーズ育成タイプ ライフイノベーション」分野 研究課題「Photodynamic Therapyによる非熱的不整脈治療器の開発」
医療ベンチャーで研究成果実現へ
株式会社アライ・メッドフォトン研究所開発部 主任研究員 伊藤 亜莉沙
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今号は、全ページにわたり「科学技術に携わる女性」にスポットを当てている。女性研究者をはじめ、科学技術分野で力を発揮している女性の割合がまだまだ少ないとされるなか、理工系分野への女性参画に理解を深めていただくとともに、現場で活躍する女性たちを応援したいとの思いで企画した。登場した皆さんから、これから理工系を目指す方へのメッセージにも注目いただきたい(各記事プロフィール参照)。表紙は、座談会(8ページ)で女性にとっての研究職について、本音を語ってくださった気鋭の女性研究者の皆さん。