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JSTnews最新号

JSTnewsは、国立研究開発法人科学技術振興機構(略称JST)の広報誌です。

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2024年12月号

特集
トルコ大地震、現地で緊急調査を実施
耐震性・断層・メカニズムなど幅広く

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P.03特集― トルコ大地震、現地で緊急調査を実施 耐震性・断層・メカニズムなど幅広く

トルコ大地震、現地で緊急調査を実施 耐震性・断層・メカニズムなど幅広く

JSTは、2023年2月6日にトルコで発生したカフラマンマラシュ(トルコ南東部)地震について「国際緊急共同研究・調査支援プログラム(J-RAPID)」による支援を実施した。地盤の特性や断層活動、地下構造の可視化、公衆衛生、アーカイブなどについて幅広く、発災直後からトルコとの共同研究を行った。また、24年6月には最終ワークショップをトルコで開催した。採択された10課題の中から5課題について、現地での研究活動や成果、今後の展望を紹介する。

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P.04特集― 建物被害と地盤特性の相関を明らかに

建物被害と地盤特性の相関を明らかに

大地震で建物が被災する際、原因が建物そのものの耐震強度不足にあるとは限らない。建物を支える地盤やその特性もまた被害につながる。液状化が起きれば沈下や傾斜が生じ、建物が基礎ごと斜面崩壊に巻き込まれることもある。東京大学生産技術研究所基礎系部門の清田隆教授は、軟弱地盤が分布する2地域で現地調査を実施。建物被害と地盤特性を地図に落とし込み、互いの相関を明らかにしたほか、膨大な計測データをウェブ上で公開する。

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P.06特集― 断層のズレから活動周期を割り出す

断層のズレから活動周期を割り出す

地層の調査や過去の文献から古い地震を探り当てる古地震学。産業技術総合研究所地質調査総合センターの近藤久雄主任研究員は、2023年の地震発生前から東アナトリア断層系に着目し、研究を進めてきた。今回の研究では、14年に同震源断層で掘削した場所を再度調査し、地震前後で断層がどのように変化したのかを検証。世界でも例のないデータを採取した。地震発生前の予測と実際の地震像を比較し、長期予測の妥当性を検証することで、地震ハザードの評価に生かしたいと近藤さんは語る。

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P.08特集― 電磁場で震源域の地下構造を可視化

電磁場で震源域の地下構造を可視化

地震のメカニズムを解き明かす鍵の1つは震源域の地下構造を可視化することである。電磁場の観測からそれを実現する手法の1つが、マグネトテルリック(MT)法だ。23年度まで代表者を務めていた東京科学大学科学技術創成研究院の小川康雄名誉教授と24年から研究代表者を務めた同大学理学院地球惑星科学系の松島政貴講師はこの手法を駆使し、地下構造の可視化に挑む。今後、MT法による観測結果を基に2次元・3次元の解析を加え、大地震を起こしたトリガーの存在をつきとめる。

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P.10特集― 公衆衛生保健システムの「回復力」を評価

公衆衛生保健システムの「回復力」を評価

災害時には、健康上の問題が起きやすい。この問題に対応する公衆衛生保健システムのレジリエンス(回復力)を評価し、その向上を図る目的で開発されたのが「スコアカード」だ。広島大学大学院医系科学研究科の加古まゆみ准教授は発災後、このスコアカードを基にレジリエンスを評価した。「より良い復興」に向けたレジリエンス・アクションプランの策定につなげていくことを目指している。

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P.12特集― デジタルアーカイブ、年内にも公開へ

デジタルアーカイブ、年内にも公開へ

復旧・復興計画づくりの際、地域の将来像を決める時には住民や関係者の合意形成が欠かせない。そこで有用なのが発災前後の記録だ。確かな歴史や情報を共有できれば円滑な議論や検討が期待できる。デジタルアーカイブ構築の意義は、そこにある。東北大学災害科学国際研究所津波工学研究分野の今村文彦教授は各国の研究者に呼び掛け、今回の地震に関するデータを収集。アーカイブの土台を構築し、運用に向けた協議を開始する。

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P.14NEWS & TOPICS

NEWS&TOPICS
研究成果
組織切片の網羅的な遺伝子発現がわかるDB公開
研究成果
電極触媒の寿命を予測する数理モデル
研究成果
AI導入で電子スピン計測時間を短縮
研究成果
海洋マイクロプラスチックをサンゴで発見

P.14-15をPDFで読む (PDF:0.7MB)

P.16さきがける科学人― クルマエビの免疫機能を解き明かし 日本の養殖業の可能性を追求する

クルマエビの免疫機能を解き明かし 日本の養殖業の可能性を追求する

東京海洋大学 学術研究院 水圏生物生産工学研究所 准教授

小祝 敬一郎

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ロゴ:未来をひらく科学技術 JST news

ISSN 1349-6085

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