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紫レーザー励起蛍光分析による穀物の一粒分析・分別装置の開発

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研究開発概要

作物の種子選別は、古代からの比重による「ゴミ取り」、振動や近赤外透過光による「石抜き」、可視反射光による「色彩選別」以外の方法が無く、鮮度や化学成分での精密な選別や、有害なカビ粒の除去が十分にできなかった。
そこで、精密な成分分析ができる「紫レーザー励起蛍光」を用い、一粒ごとに分別できる安価なディスクトップ・ロボットを作成した。
これにより、①品種のもとになる原種の選別、②食品原料の精選、③通常の化学分析では困難な微量な成分や、新鮮度の判別・分別
を、高速で一粒ごとにできるようになった。速度は400粒/分で、PC不要の自動とし、デバイスの操作ストレスを小さくした。

製品化・実用化のための課題

・ソバ以外の主穀物への適応拡大 (カビ毒が問題で消費量が多いムギやダイズ用を作成)
・自動判別の高精度化 (応用数学、AI技術やデーターベース化、レーザー励起強度の調整)
・高速化 (フィーダーの速度と条数の増加、並列データー解析の検討)
・カビ粒他の調査項目の増加 (励起波長やレーザー照射法の検討)
・分別精度の向上 (閾値の算出方法の検討)

今後の展開

・知的財産権の取得 (①原理、②カビ粒の検出法、③高速化のためのメカ部の改良について、すでに特許を出願済み)
・研究・開発体制の強化 (大学と地域企業が共同研究契約を結んで製造メーカーへ提案中)
・市場ニーズの拡大 (日本では「種子法」廃止に伴い自主検査体制のニーズが高まっている。また海外では「食の安全性」問題から検査体制のニーズも増加中。世界に類似品が見当たらず、新市場になりうると考えている)

研究開発機関情報

機関名:国立大学法人 信州大学

部署名:学術研究院(農学系) 先端生命科学分野

研究責任者:教授 井上 直人

支援プログラム

事業名:地域産学バリュープログラム

研究課題名:紫レーザー励起蛍光分析による穀物の一粒分析・分別装置の開発

支援期間:平成29年10月~平成30年9月

研究開発に関するお問い合わせ

信州大学 農学部 先端生命科学分野 教授 井上直人 

(植物栄養学: 0265-77-1409、農学部・産学連携室: 0265-77-1647)

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