[本文]

JST トップ > A-STEP機能検証フェーズ トップ > 研究開発成果 > 社会インフラ劣化高精度診断のための地中レーダシミュレーションの開発
line

社会インフラ劣化高精度診断のための地中レーダシミュレーションの開発

印刷はこちら(PDFファイル)

seika4

閖上浜ほか(宮城県)での地中レーダ探索

GPUクラスタで大量高速生成したレーダ画像の例


研究開発概要

・熟練技術者でなくても異常個所が判断できるよう、社会インフラ(道路・橋脚・堤防など)点検の際に用いる、異常箇所判定の定量化・客観的判断ツールの開発を目指し、研究開発を実施した。

・具体的には、

①地中レーダのシュミレーション結果と実測の精度検証を行う。

②シュミレーションの高精度化にむけたシステム開発(パラメータの最適化、プログラム開発、画像DBの構築)を推進する。

成果

・「70%程度以上一致する地中レーダシミュレー ション」「10分以内での地中レーダシミュレーションの実行」を達成し,数十万規模のシミュレーションによる地中レーダ画像データベースを構築できた。

・さらに、この成果に基づいた人工知能による地中の自動判定システムのプロトタイプを開発できた。

・本研究成果を元に、特許出願を実施。

・これにより客観的・定量的な高精度異常箇所判定システムの実現に目途がつけられた。

今後の展開

・開発したシステムを元に、実際の社会インフラ点検の現場においても、建設環境研究所などで地中レーダ探査の説明データとして活用中である。より制度の高いシステム開発に向け、継続的に産学官で共同研究を進めていく予定である。

・本研究開発により、熟練技術者でなくても地中レーダ画像の判定が可能となり安全安心社会の実現に貢献できる。

・国内のインフラメンテナンスの市場規模は約5兆円に対し、世界に目を転じると、インフラ老朽化や需要拡大への対応に約200兆円の市場があり、これは世界の自動車市場規模を上回るものである。

【出展】 経済・財政一体改革推進委員会 社会資本整備等ワーキング・グループ 第9回会議資料(平成28年3月7日)より抜粋

制度利用者の声

様々な条件でシミュレーションを実施しデータベースとして蓄積することで地中の状態判定の精度向上に繋がる成果を得た。担当マッチングプランナーには、定例の進捗会議や実際のデータ採取測定現場で大変お世話になった。本研究成果の次のステップとして総務省の戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)・地域ICT振興型研究開発に採択され人工知能による自動識別システムの開発に取組んでいる。まさに産学協働の芽出しから芽吹きに向かって成長している最中である。
(仙台高等専門学校・園田潤)

研究開発機関情報

機関名:(独法)国立高等専門学校機構
仙台高等専門学校

部署名:知能エレクトロニクス工学科

研究責任者:教授 園田 潤

支援プログラム

事業名:マッチングプランナープログラム

研究課題名:社会インフラ劣化高精度診断のための地中レーダシミュレーションの高度化および異常箇所診断データベース構築

支援期間:平成28年1月~平成29年1月

研究に関するお問い合わせ

(独法)国立高等専門学校機構 仙台高等専門学校 教授 園田 潤

TEL:022-391-5616 E-Mail:sonoda[at]sendai-nct.ac.jp

(独法)国立高等専門学校機構 仙台高等専門学校 総務課総務係

TEL:022-391-5508 E-Mail:soumu[at]sendai-nct.ac.jp

ページの先頭に戻る