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有用蛋白質の鶏卵における大量生産技術の検証

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研究開発概要

・遺伝子操作を用いて外来遺伝子をノックインした組換えニワトリの作製から、当該ニワトリが産む卵の解析を行い、鶏卵にバイオ医薬や酵素等の有用組換え蛋白質を低コストで大量生産する技術(鶏卵バイオリアクター)の検証を実施。

・研究用の細胞培養に用いる培養サプリメント試薬を、大幅に低コスト、高品質な試薬の国内生産を可能とする技術開発を求める企業ニーズの解決を目指す。

成果

・組換えニワトリの産む卵の中に、高い活性を持つ組み換え蛋白質を大量に確認。

・樹立した全ての組換えニワトリ由来鶏卵で長期間安定した組換え蛋白質の発現を確認。

・更にこの形質を次の世代でも認めており、鶏卵バイオリアクター技術を組換え蛋白質の製造法として工業レベルで利用可能なことが実証。

・本成果により、企業との事業化を目指した共同研究を開始。

今後の展開

・共同研究への展開が、他機関(NEDO)が実施する研究開発支援プログラムでの採択につながり、研究開発の進展が加速

・産学連携による共同研究の成果を元に、研究用試薬として「鶏卵を用いたヒト インターフェロンβタンパク質の製造」に向けた取り組みを実施(企業との特許実施許諾契約を締結)

・同手法により、インターフェロンβ以外の物資での応用展開も期待できる。

・細胞・組織培養関連研究用試薬の市場規模は、2020年度138億円規模と予測

【出典】株式会社矢野経済研究所「2016年版これから伸びる100アイテム」(2016年7月)

制度利用者の声

本制度を活用することで、萌芽段階にあった鶏卵バイオリアクター技術が企業ニーズに適合可能なことを証明出来ました。また、本事業による成果を基盤として、企業との共同研究の本格化や公的資金を活用した橋渡しの加速、製品化に向けた様々な取り組みに繋がっています。早い段階から企業ニーズと向き合うことで開発の効率化が図れたと確信しており、今後も幅広くマッチングの機会を頂くことで、革新技術による組換え蛋白質生産の社会実装を加速して行きたいと考えています。
(研究責任者 :産業技術総合研究所 大石 勲)

研究開発機関情報

機関名:国立研究開発法人 産業技術総合研究所

部署名:生命工学領域バイオメディカル研究部門

研究責任者:研究グループ長 大石 勲

支援プログラム

事業名:マッチングプランナープログラム

研究課題名:有用蛋白質大量生産を目指した「遺伝子ノックイン鶏卵」の検証

支援期間:平成27年10月~平成28年9月

研究に関するお問い合わせ

産業技術総合研究所 関西センター

TEL:072-751-9688

https://www.aist.go.jp/kansai

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