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UVレーザによる微細加工を応用した木材の化学加工技術の開発

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研究開発概要

・本研究では、UVレーザを使用して木材表面に微細な穴を高速かつ高密度に開け、それを通して各種処理剤を浸透させることで、表面のみを選択的に化学処理し物性を向上させる、新たな加工技術を開発した。

・木材特有の質感や美観を損なうことなく、表面の傷つき易さや燃え易さ等の欠点を補うことが可能となり、木製品全般の高付加価値化を図りたいという企業ニーズの解決を目指した。

成果

・「樹脂含浸処理」による表面物性の向上を目指した。加工速度の向上を主要な目的とした結果、表面硬度4倍の性能を維持しつつ、加工時間7時間/㎡から、産業化の目処となる加工速度30分/㎡を達成した。

・表層のみの圧密化を併用して達成したこの手法では、樹脂の使用量の削減も可能であった。これは、平成29年3月に「表層圧密木材及びその製造方法(特願2017-63457)」として特許出願した。

出願技術の概要を公開し、ニーズ元企業だけではなく、事業化に取り組む企業を広く募集し、技術移転を推進している。

今後の展開

・(公財)内藤科学技術振興財団および(財)江間忠・木材振興財団において、平成29年度の研究助成の採択を受け、化学加工の一つである防炎処理や塗膜の耐候性向上などへの応用について、研究を継続、展開させている。

・県内の企業と申請特許の実施契約を結び、製品への応用を検討しているほか、他の応用展開にも技術指導を実施している。

・愛知県では「あいち木づかいプラン」を策定し、県産木材の利用を全庁的に促進している。全国の木材産出額の合計は平成27年度 1181億円となっており、主な対象樹種「スギ材」への加工技術として、全国的な展開が期待されている。

【出典】農林水産業 林業産出額統計平成27年度

制度利用者の声

研究成果を応用し事業化に発展させるプロセスが短縮でき、合理的であった。ニーズ企業とは様々な応用展開に対して意見交換でき、研究内容と方針に対して確信を持って望むことができる。今後の研究展開に対しても有益であった。本プログラムにおいては、目標とすべき数値や具体的なニーズが示されたことは、研究の方向性を定める上で有益であった。
(研究責任者:あいち産業科学技術総合センター 産業技術センター 主任研究員 福田聡史)

研究開発機関情報

機関名:あいち産業科学技術総合センター

部署名:産業技術センター 環境材料室

研究責任者:主任研究員 福田聡史

      

支援プログラム

事業名:マッチングプランナープログラム

研究課題名:UVレーザを用いた微細加工による木材の化学加工技術の開発

支援期間:平成28年6月~平成29年3月

      

研究に関するお問い合わせ

あいち産業科学技術総合センター 産業技術センター 環境材料室

(担当:福田、石川)TEL:0566-24-1841

      

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