低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2021-PP-15

人口変化、住宅種類選択、住宅省エネルギー技術と電力化を考慮した家庭部門市町村別CO2排出の地域別将来推計

  • SDGs7
  • SDGs9
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概要

 日本政府の「ゼロエミッション目標」実現において、家庭部門の排出削減は大きな課題である。家庭部門では、①生活活動と密着した排出による排出源の広く薄い分布、②用途別エネルギー需要には気候、地理的条件、ライフスタイルや住まい方の多様性、③短期的対策オプションの費用的問題が政策評価の課題である。また、日本社会全般的には、④人口減少による排出減少と新たな対策導入の制約、⑤人口減少と高齢化による世代移動の可能性などの社会的影響も検討が必要である。

 家庭部門の将来技術面からは、従来独立していた輸送部門との統合化、太陽電池(PV)の価格低下による普及と電力系統への需要変化、民生用建物の大幅な省エネ化を実現するZEH/ZEB(Zero Emission House/Zero Emission Building)導入ポテンシャル、電気自動車(EV)の導入など、縦割りからセクタ横断的なエネルギーシステムへの移行が期待されている。この延長上にコンパクトシティなど街区全体を統合するエネルギーシステムに再構築する構想もある。
 これらの問題を統合的に扱うために、本提案では、全国の市町村別地域の人口減少と単身世帯増加による世帯構成変化を明示的に扱い、さらに①戸建て住宅から集合住宅への移動、②新築住宅需要の将来予測を行う。このうえで環境省による平成29年および平成30年度の家庭部門のCO2排出実態統計調査を用いた2019年度提案書[1]に基づき、市長村別の用途・住宅別エネルギー消費とCO2排出量の予測、EVやヒートポンプ、断熱などの技術が住宅に導入された場合のCO2排出量変化、さらに新築住宅建築需要変化による建材需要の変化を予測評価する。これにより、家庭部門の技術オプションの導入効果を地域・住宅別に評価することで、技術導入政策の優先度を導くことができる。

提案書全文

参考資料(シミュレーションプログラムとデータ)

  • 政策提案書記載のモデル計算のために必要なデータ、プログラムを著者のご厚意により提供しています。政策提案書に示された計算結果、図表等は、この実行データファイルおよび実行結果から導くことができます。ご利用される際は、下記の利用条件をご参照ください。
  • 以下から、モデル実行のための本体プログラム、サブルーチンプログラム、実行用データファイルをダウンロードできます。本プログラム実行には、数理計画ソフトウェアGAMS本体、GAMS NLPソルバー(conopt, MINOS等)およびMicrosoft EXCELが必要です。(GAMS24.8ライセンス版およびEXCEL 2016で動作確認済み)

本ZIPファイルには、LCS-FY2021-PP-15の人口移動を含む市町村別家庭部門エネルギー評価のための計算シートが含まれています。

ここに含まれる
  1. CO2排出評価_国交省_環境省CO2排出.XLSX
  2. 国交省_住宅種類別世帯人員_住宅人口データ.XLSX

は連動して計算を行うため、これら2ファイルは同一フォルダに格納することを推奨します。

国交省_住宅種類別世帯人員_住宅人口データ.XLSXの「データ入力と結果描画」タブのC3:C44セルにパラメータを設定するとCO2排出評価_国交省_環境省CO2排出.XLSXを通じて計算が行われ、結果がJ4セルからJ637セル(水色)に書き込まれます。この結果をk列~O列に数値コピーすると結果が表に保存されます。P列以降の表は、自動的に再計算されます。

なお、(1)のファイルにおいて、「環境省 家庭部門のCO2排出実態調査」に関する部分は、規定により公開ができませんので、非表示かつロックがかかっています。

(1)・(2)のプログラムファイル
一括ダウンロード

参考資料のご利用条件

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス

〇本資料はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際ライセンス(*)の下に提供されています。ライセンスの内容詳細や免責事項はこちらを参照して下さい。
(*)原作者のクレジット(氏名、作品タイトルなど)を表示することを主な条件とし、改変はもちろん、営利目的での二次利用も許可される最も自由度の高いCCライセンス。
〇引用する際の出典には以下の情報を記載して下さい。
(1) 著者(本項は「森俊介、MORI Shunsuke」)
(2) 使用するファイル名
(3) 本ページのURL(https://www.jst.go.jp/lcs/proposals/fy2021-pp-15.html)と、アクセス日

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