低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2021-PP-07

民生家庭部門の断熱改修普及分析に基づく家庭の脱炭素化に向けた提言

  • SDGs7
  • SDGs9
  • SDGs13

概要

 本提案書では、家庭の省エネルギー化に向けて必要な対策の一つである「既存住宅の断熱促進」の先駆けとして、住宅の窓断熱改修促進に関する消費者の選好を分析し、窓の断熱改修促進に向けて有効な対策を検討した。

 消費者の窓断熱に対する潜在的なニーズ調査を行った結果、世帯の属性(年代や同居の有無など)によって、改修意欲を高める情報が異なることが明らかとなり、きめ細かな情報発信をすることが重要であることが明らかとなった。また、全体としては快適性が如何に向上するかという情報が不足していること、断熱改修の実行に際して費用や手間、きっかけの不足が障壁として存在することが明らかとなった。さらに、コンジョイント(CJT)分析により、快適性の向上を保証してほしいという消費者の潜在的な需要が明らかとなり、「施工事業者信頼性」と「実体験」の効用が大きくなるという結果につながった。以上の結果から、戸建住宅における窓断熱改修普及促進策として、「政府による施工事業者の公認制度」と「窓断熱体験ショールームの設置」が有効であることが結論づけられた。仮にこれらの対策が実行された場合、窓断熱改修実行率が大幅に上昇することが定量的に示された。

提案書全文

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