低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2020-PP-20

地理情報や最新・将来技術の動向、影の影響を反映した、国内の太陽電池導入ポテンシャルの算出
-東京都内の解析-

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概要

 2020年に、政府目標として 2050年までの脱炭素化が設定されたことを受け、再生可能エネルギーを主力とした電源への移行に向けた検討が加速している。一方、太陽光発電をはじめとした変動型再生可能エネルギーは、電力需要との時間(昼夜間や季節変動)、空間(送電網を含めた地理的偏在)ギャップが不可避であり、特に高需要で送電網が整備されている都市圏への導入は最大限に促進すべきだと考えられる。

 したがって、建物に対する太陽光発電の導入ポテンシャル、特に東京における導入ポテンシャルの算出は、再エネ導入の促進、電源の脱炭素化に向けて重要である。その中で、建物壁面、特に南面は発電量が屋根ほど高くないが、冬に発電量ピークを迎えるため、年間を通した発電電力の直接利用率が向上し、電力需給ギャップを緩和できる。一方、建物壁面への導入を検討するためには、建物間の影の影響の定量化が必須である。本提案書では建物間の影の影響を定量化し、影を考慮した年間発電量から平均発電原価を算出し、発電原価を閾値にして壁面への導入量を決定することとした。地理情報システム(GIS)を用い、個別建物間の影の影響を反映した各屋根面、壁面の日射量を元に導入可能面積、年間発電量を集計、算出した。また、太陽電池はいったん設置すれば、少なくとも 20 年以上の長期にわたって置き換えることはない。したがって、発電効率に対する将来の技術革新とその導入シナリオを考慮した太陽光発電の導入ポテンシャルの算出を行った。

提案書全文

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