低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2017-PP-06

主要再生可能エネルギーの都道府県別ポテンシャル分布と発電所建設コスト低減

概要

 我が国には多様で豊富な再生可能エネルギーが全国に賦存するが、その導入量は海外に比べても十分ではない。その理由のひとつは建設費としての初期コストが高額であり、特に土木関係工事費の影響が大きいとされている。

 本稿では、FIT(固定価格買取制度)の実績としての認定設備容量の多さとその地点の道路網密度に相関関係があることに注目し、道路網密度が高いことが、土木工事のし易さを示すことが出来ると仮定した。この方法により、電力量のポテンシャルが高い都道府県を選び、さらにその中から上位の市町村の電力量ポテンシャルと道路網密度の関係を検証した。その結果、中小水力、太陽光、木質バイオマス3種についてポテンシャルが分布し、道路網密度も高いいくつかの市町村が存在することが分かった。このような地域では、市町村内の近接する地点にポテンシャルが点在するため、同時期に開発を進めることで共通する土木工事費を分担でき、建設費の低減が期待できる。この方法は、建設コストの低減化により再生可能エネルギーの普及を促進するための実証試験地の選定の指標となり得るが、今後個別には具体的なコスト計算が必要である。

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