低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2016-PP-05

木質バイオマス燃料のコスト低減(Vol.2)
—木質バイオマスの生産総コストとその低減策—

概要

 本稿は、「木質バイオマス燃料のコスト低減-林業素材生産コストの機械化推進による低減効果-」(LCS提案書(FY2015-PP-06)、2016年3月)の続編である。

 国土の約70%を森林が占める我が国において、木質バイオマスの賦存量は大きいが、そのエネルギー利用は進んでいない。木質バイオマス生産総コストが高いことや、エネルギー利用のための需給システムが未確立であることが、その理由としてあげられる。木質バイオマスを燃料として使うためには、木質バイオマス生産総コストを大幅に低減することが必要である。本稿では、植栽から伐出まで一連の生産プロセスを対象としたコスト評価に基づき、木質バイオマスの生産プロセスに焦点をあて、人工林を対象として、地方別、地形別、森林機械別にプロセス毎の詳細な積み上げ法により生産総コストを算出した。その結果、森林の単位面積あたりの材積や傾斜が、木質バイオマスの生産総コストに大きな影響を及ぼすことを定量的に示した。それらを基に、個々のコスト低減方法を適用した場合のコストを評価した。その結果、地方別、地形別の木質バイオマス生産総コストの概要が明らかになった。既存の対策の組み合わせにより、緩斜面については現状の約1/3にコスト低減できる可能性を示した。

提案書全文

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