LCS-FY2017-PP-07
木質バイオマスエネルギーのポテンシャルの分布と考察
概要
木質バイオマスエネルギーは賦存量が多いにもかかわらず利用程度が低い。このことは、安価な外材の輸入と国内の人工林資源を得るコストが高いことなどに起因する。
現在、拡大造林期の植林木は収穫時期を迎えつつある。コストを低減してこれらの木々を伐採し、林業を持続していくためには、集約化と事業単位の大面積化が必須である。そのためには、人工林の資源分布の把握ができるような空間分布情報を整え、それに基づいて適切かつ効率的に作業を行うことが必要であろう。
GIS(地理情報システム)と公開データを利用して人工林地図を作成したところ、人工林の分布パターンや人工林と地形の関係が視覚的に捕捉できた。空間情報の導入は林業経営上の様々な判断を支援する。林業経営が持続的に展開されるようになれば、木質バイオマスエネルギーの普及が進む。空間情報の利用は、将来的には木質バイオマスエネルギーとそのほかの再生可能エネルギーとの相互補完的な利用にも役立つ。