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- [情報と未来] 平成28年度採択課題
※本プログラムは、R3(2021)年度で活動を終了しました。
(活動期間: 2016~2021/H28~R3)
所属・役職は、活動終了時点のものです。
青木 裕一
東北大学
東北メディカル・メガバンク機構
助教
本研究では、「2つの要素の間に潜在する関係性をデータ駆動的に明らかにするための数理モデル」を開発します。事例として生命システムの構成要素である遺伝子に着目し、遺伝子間の関係(遺伝子相互作用)をDNA塩基配列データから推定するペアワイズ深層ニューラルネットワークを構築します。提案モデルは多様な事象に応用可能であり、「要素間の関係性」という新たな観点でのビッグデータからの知識獲得に大きく貢献できます。
荒瀬 由紀
大阪大学
大学院 情報科学研究科
准教授
記号である言葉を「計算」できるように、言葉を数値のベクトルに変換します。言葉の構造と意味をベクトルに反映することで、高度で柔軟な言語処理を実現します。例えば「よく熟したバナナ」では「熟し」ているのは「バナナ」という構造、「完熟バナナ」と意味が近いという意味関係をベクトルで再現します。画像やセンサのベクトルと言語を統合的に処理することで、将来的に高い認識能力をもつロボットの実現に貢献する技術です。
飯塚 里志
早稲田大学
理工学術院
研究院助教
本研究では、従来は熟練者が試行錯誤によって行っていた歴史的映像データの修復処理を、劣化箇所の修復から色彩の復元まですべて自動で行う手法を開発します。このため、多様な修復処理を行える新たなニューラルネットワークモデルを用いたディープラーニングの手法を確立することを目指します。本研究により、過去の映像コンテンツを身近なものとして蘇らせ、人々の新たな歴史認識や価値観の創造につなげたいと考えています。
石黒 祥生
名古屋大学
未来社会創造機構
特任准教授
本研究は、高精度に周辺環境を認識しながら安全に走行する自動運転技術において、コンピュータが認識した周囲の状況を仮想空間に反映させた現実環境仮想化空間を構築することで、新しいインタラクションを可能にします。乗員はその認識、変換、拡張された空間を体感しながら過ごすことで、自動運転車両の挙動を把握し、仮想空間を利用したエンタテインメントなどを通じて楽しみながら周辺監視を行うことができます。
井上 中順
東京工業大学
情報理工学院
助教
本研究では、マルチメディアデータから新たな概念を発見・創出するための「高階モデル学習」の枠組みを提案します。高階モデルとは、"モデルを生成するモデル"であり、従来の深層学習などで得られた複数のモデルを集結し、それらを入力とした学習で得られるものを想定しています。評価実験では、映像から新たな概念として、学習データが与えられていない物体・動作・シーンの発見を目指します。
今倉 暁
筑波大学
システム情報系
助教
現在、ディープニューラルネットワーク(DNN)計算法として確率的勾配降下法に基づくバックプロパゲーション法が標準的に用いられており、画像認識を始めとした様々な分野で成功を収めている。本研究課題では、近年発展著しい超大規模並列計算機の高度利用を前提とし、並列計算機との親和性の高い非線形非負行列分解を利用した新しいDNN計算法を開発する。
内山 彰
大阪大学
大学院 情報科学研究科
助教
今後、IoTデバイスの数は膨大になり、充電やバッテリ交換の手間は大きな課題となります。そこで本研究ではバッテリに頼らず、極小の電力で無線通信を実現するambient backscatter通信と環境発電を組み合わせて、分散協調処理を実現します。これにより複数デバイスで得られた電力を組み合わせてアプリケーションを実現するSustainable(持続可能な)IoT基盤技術の開発を目指します。
浦西 友樹
大阪大学
サイバーメディアセンター
准教授
本研究では、「ヒトに並び、ヒトを超える視覚を計算機に与える」ことを目指し、様々な物体の形状や光学現象モデルを実時間計測すべく、構造色を有する物体の表面形状および光学現象モデルをライトフィールドから推定する手法を提案します。提案手法では、光源の入射角と物体面の法線方向により発色パターンが変化する構造色の局所変化をライトフィールドカメラで観測し、構造色物体の幾何的および光学的性質を同定します。
小田 昌宏
名古屋大学
大学院 情報学研究科
助教
これまで大腸がん診断をコンピュータにより支援する技術は多く開発されましたが、診断後に行う治療の支援は行われておらず医師の経験に依存していました。本研究では大腸内視鏡下治療を高精度に誘導支援するシステム開発を行います。内視鏡挿入中の大腸変形を機械学習などを用いてモデル化し、大腸内の内視鏡位置を高精度に推定します。そして内視鏡位置や大腸ポリープまでの距離などの治療支援情報を提示し、医師を誘導します。
久保 勇貴
筑波大学
大学院 システム情報工学研究科
大学院生
本研究では、操作対象となるモノから連想しやすい操作をスマートウォッチ等の超小型端末を用いて実現し、連想に基づくいつでもどこでも行うことができる操作体系の構築を目指します。そのために、メタファを利用した操作に関する調査を実施し、超小型端末のセンサ等を活用することによってそれらの操作を識別するための技術開発を行います。
黒木 菜保子
お茶の水女子大学
大学院 人間文化創成科学研究科
大学院生(博士課程)
生活水準を維持・向上しつつ地球温暖化問題を解決するには、CO2の効率的な回収が必須です。近年、イオン液体がCO2を選択的に吸収する能力を持つことが報告され、多くの化学者がより高いCO2吸収能力を持つイオン液体の開発に挑戦してきました。本研究では、物理化学と情報科学の融合により、高いCO2吸収能力を持つイオン液体を高速予測できるシステムを構築します。情報科学の力でCO2フリー社会の実現を目指します。
小林 亮太
情報・システム研究機構
国立情報学研究所
助教
Web・センサーなどから多様な時系列データが得られるようになり、時系列データの活用は重要になりつつあります。しかし、時系列モデルの構築には多大なコストがかかるため、時系列データの活用は十分に進んでいないのが現状です。本研究では、ノンパラメトリックモデルについての機械学習技術を開発することにより、時系列モデルの構築を人手で行うことなく、データ解析を自動的に行う技術の実現を目指します。
シモセラ エドガー
早稲田大学
理工学術院
研究院助教
人工知能を活用してイラスト制作を支援するフレームワークを開発します。通常のイラスト制作は専門的な知識を必要とし、大変な手間がかかります。本研究では、ニューラルネットワークを用いて様々なイラストを学習させることで、熟練者の技術を再現するツールを作成します。本技術はイラスト制作だけではなく、自然言語処理や画像処理にも応用でき、人工知能に関わる技術を更に発展させられると考えています。
鈴木 久美子
国際航業株式会社
調査研究開発部
研究員
航空機搭載型レーザは森林構造把握への活用が期待されていましたが、レーザだけでは情報量が十分ではなく未だ広域的な森林構造の把握は実現されていません。そこで本研究は、ニューラルネットワークベースのマルチモーダル学習を行うことで、従来の統計的手法では困難であった多様な性質の地球観測データを複合的に学習し、森林構造を把握することを目的とします。
曽我部 舞奈
京都大学
ウイルス・再生医科学研究所
大学院生
生体イメージングは医学、生物学の分野で注目される新しい技術です。しかし、長時間イメージングでは、蛍光シグナルの減弱が見られ、詳細な細胞形態の観察が難しくなります。より長い期間生体内の細胞を観察するため、本研究では取得画像を削減し、レーザーによる蛍光タンパクへのダメージを減らした上で、スパースモデリングと呼ばれる情報学の力を用いて、その画像を補完し詳細な細胞画像を得る技術の開発を行います。
高木 信二
情報・システム研究機構
国立情報学研究所
特任助教
近年、音声合成技術の向上はめざましく、テキスト音声合成の利用は一般的になりつつあります。しかし、これまでのテキスト音声合成はナレーション音声を対象とすることが多く、人間が表現可能な声であっても音声合成器では生成できない声が存在します。本研究ではこれまでのテキスト音声合成器では生成が困難であった声を含めた、あらゆる音声波形を生成可能とするフレームワークの提案を行います。
千葉 直也
東北大学
大学院情報科学研究科
大学院生
プロジェクタ・カメラシステムによる様々な三次元計測法が提案されていますが、金属や半透明樹脂など未だ計測が難しい計測対象が存在します。本提案では、様々な光学現象をモデル化できる輝度伝達行列により光学系を表現し計測することで、より汎用的な三次元計測法を構築します。巨大な輝度伝達行列を直接計測するのは難しいため、計測の過程をフィードバックし動的に照射パタンを生成することで効率的な推定を目指します。
鄭 銀強
情報・システム研究機構
国立情報学研究所
助教
本研究は水中シーンの3D ビデオ撮影に向けて新しいマルチスペクトルRGB-Dカメラの開発を目的とします。現存の対象物表面形状を測定する方法と異なり、提案されているカメラは波長に応じて水の吸収率が違うという現象を利用して、光線が水中に通過した距離を推定します。このカメラによって、水中の静止物だけでなく、魚など動きの速い物のRGB色と三次元形状を撮ることができると予想しています。
寺山 慧
東京大学
大学院新領域創成科学研究科
特任研究員
クロマグロの安定供給と資源確保のために、クロマグロの完全養殖技術の向上が求められています。本研究では, 音響ソナーとカメラの両方を使って養殖場の稚魚を撮影し、画像処理技術と機械学習を用いてクロマグロの行動を解析する手法を開発します。この手法を使って、クロマグロの稚魚の死亡原因を探り、養殖を行う上でボトルネックとなっている稚魚の生存率の向上を目指します。
中島 一崇
東京大学
大学院情報理工学系研究科
大学院生
ものづくりを取り巻く環境は近年大きく変動しています。それは学術研究においても例外ではなく、ものづくりを対象とした研究が近年たくさん行われるようになりました。しかし、そのような研究は造形結果の性能を最適化するものがほとんどであり、実際の造形過程の手間はあまり考慮されていません。そこで、私の研究では、実際の造形を行う際の手間も考慮することで、造形過程まで含めて、ものづくり全体として最適化を行います。
馬場 雪乃
京都大学
大学院情報学研究科
助教
個人に業務を直接発注する「オンデマンド雇用」の仕組みが、タクシー・家事・翻訳など様々な分野で利用されつつあります。オンデマンド雇用では従来の人事評価方法の適用が困難であるため、受注者の評価は、発注者や他の受注者との相互評価に頼らざるを得ませんが、信頼性の面で課題があります。本研究では、他者に与えた評価や評価時の行動情報等を用いて、信頼性の高い人事評価を推定するための機械学習法を開発します。
原 祐子
東京工業大学
工学院
准教授
多様な組込み・IoTアプリケーションに利用可能な汎用・柔軟性、計算処理とエネルギーの高効率性という相反する技術課題を両立する、新たな超小型省エネルギープロセッサおよびその設計支援環境を開発します。ビッグデータ社会で絶え間なく生成されるストリームデータを、データセンタ等のクラウドを介さずにエッジ端末内でリアルタイム処理可能にすることで、新サービス創出と社会問題の解決に繋げます。
舟洞 佑記
名古屋大学
大学院工学研究科
助教
「無数の細径人工筋の3次元的配置」と「超多自由度人工筋の制御」を相補的に検討し、衣服のように常用可能、かつ、衣服自体の伸縮で多面的に力・運動を補助する次世代着衣型アシストシステムの実現を目指す。研究期間中は、基礎検討として、人体の3次元的な基本動作(屈曲・回旋・側屈)の補助に応用可能な基本構造(最小モジュール)の明確化と、最小モジュールにおいて所望の運動を実現する制御法の確立に取り組む。
松井 勇佑
情報・システム研究機構
国立情報学研究所
特任研究員
本研究では「圧縮線形代数」という、高速かつ省メモリで演算を行える新しい学問領域を提案する。圧縮線形代数では、ベクトル・行列を圧縮し、省メモリでそれらを表現する。そして、圧縮した状態のままで行列積計算などの数学的操作を高速に実現する。提案する圧縮線形代数により、人工知能問題を解く上で重要な大規模データ処理を従来よりずっと小規模な計算機環境で実現する。
森前 智行
京都大学
基礎物理学研究所
講師
本研究においては、利用者にとって負担の少ないセキュアクラウド量子計算の実現を目指します。セキュアクラウド量子計算というのは、量子計算機を持たない利用者が、遠隔の量子サーバにおいて情報を漏らすことなく量子計算を実現するプロトコルです。これまでのプロトコルでは、利用者は最低限の量子技術を必要としていました。本研究では、完全に古典技術のみの利用者でもセキュアクラウド量子計算が行える枠組みを構築します。
矢内 直人
大阪大学
大学院情報科学研究科
助教
脆弱性はシステムにおいて深刻な問題となるセキュリティ上の欠陥です。現状の脆弱性解析は個々の状況・攻撃ごとに個別実施されていますが、これは大量の検証実施に起因する生産性の低下や検証漏れの状況発生など潜在的な危険性を招きます。本研究では暗号学におけるプログラムの期待値分布の概念に基づき脆弱性を定式化することで、コード実装時において個々の状況に寄らない汎用的な安全性を保証する脆弱性検証技術を提案します。
山口 勇太郎
大阪大学
大学院情報科学研究科
助教
「グラフにおいて指定した条件を満たす部分構造を重ならないように選ぶ」ことを目標とする「詰め込み問題」は、相当複雑な条件を課した場合でも効率的に解けることが知られており、その背後には、条件の導く解集合が持つマトロイド的性質があることが明らかになっています。本研究では、そのようなマトロイド性の限界がどこにあるのかを追究し、効率的に解ける問題群に対する1つの特徴付けを与えることを目標とします。
山本 和彦
ヤマハ株式会社
研究開発統括部
主任
3D音響の再生では、様々な方向から伝搬してくる音を、左右2チャンネルに変換してヘッドフォンで再生する必要がある。この変換関数は個人の頭や耳の形状に強く依存する関数であるため、ユーザごとに測定が必要だが、多くの計測時間と特殊な機材を要求するため困難であるという問題がある。そこで、本研究では機械学習を使って個人に最適な関数を容易に得ることのできる手法の提案を目指す。
米谷 竜
東京大学
生産技術研究所
助教
Google Glassのようなウェアラブルカメラで記録された映像を用いて知的処理を行う「一人称ビジョン」という分野があります。本研究では、同カメラによって意図せず獲得されうる撮影者、被撮影者(映像に映り込んだ人物)のプライバシー情報を適切に保護しつつ、映像から意味のある情報を認識できる技術を開発します。本研究をきっかけに、さまざまな一人称ビジョン技術が実用に向けて前進することが期待できます。
若宮 翔子
奈良先端科学技術大学院大学
研究推進機構
博士研究員
ソーシャルメディアには人々の健康状態や病気の症状に関する発言が多く見られますが、医療分野において未だその真価が発揮されていません。しかし、発言ユーザをソーシャルセンサとして活用することで新たに把握できる現象(花粉症など)も存在します。本研究では、ソーシャルセンサの信頼性の問題(データ欠損、時空間ギャップ、意味ギャップ)を解決し、Twitterを用いた花粉症サーベイランスシステムの構築を目指します。