国際共同研究って何しているの?

国際共同研究って何しているの?

国際共同研究では現在の国際共通課題の解決や我が国の科学技術外交の強化に役立て、そして各国との連携を通じた科学技術イノベーションを新しく作り出すことを目指しています。 SICORP(戦略的国際共同研究プログラム)では、欧米等の先進諸国やアジア諸国との対等な協力関係において、様々なニーズを踏まえた上での総合的・長期的な計画の下に推進される事業です。

事業の仕組み

事業の仕組み

二国間協力

国旗

協力国:フランス

CO2還元と水素発生のための分子フォトカソード

日本―フランス共同研究においては、太陽光を化学エネルギーに変換する新たな分子技術を創成することを目指しています。日本側が開発した水の酸化を駆動する光アノード電極と、日本側が開発した二酸化炭素の還元分子光触媒もしくはフランス側が開発した水素発生分子光触媒を組み合わせることで、可視光によって水を電子源とする二酸化炭素還元および水素発生を駆動することに成功しました。

研究代表者:東京工業大学 大学院理工学研究科 教授 石谷 治

国旗

協力国:イスラエル

サイバー社会ネットワークにおける噂の伝播の検出と制御

ブログやツイッターなどのビッグデータを解析することによって、どのような状況において社会に害を及ぼす可能性のある噂が発生し、どのようなネットワークで広がっていくのかを分析しています。これまでの研究で、噂の広がり方には、国や言語の壁を越えた特徴的なパターンがあることを見出しました。根拠のない噂の伝播による社会の混乱を最小限に留めるための科学的な施策の確立を目指し、国際的な共同研究を進めています。

研究代表者:東京工業大学 科学技術創成研究院 教授 高安 美佐子

CONCERT-Japan

e-ASIA JRP

国旗 国旗

協力国:スペイン、ドイツ

植物病原菌と植物を一緒に生育させることで収量・品質アップ!

環境の悪化によるストレスは、作物の減収・品質低下を招きます。一方で、 本来は病気の原因となる微生物を、作物と一緒に、作物に接触させない条件で培養すると、収穫量を増大させる事がわかりました。そこで、乾燥・高CO・高温のストレス環境に負けずに、最も効果的に作物の収穫量や品質を向上させる方法を研究しています。また、日欧の共同研究により、最先端の研究技術を駆使してそのしくみを明らかにします。

研究代表者:新潟大学 教授 伊藤 紀美子

E-ASIA JRP

国旗 国旗

協力国:インドネシア、フィリピン

雷放電観測網及び超小型衛星を活用した極端気象の監視と予測

雲の立体構造を衛星からのステレオ観測で求める手法開発を、既存の超小型衛星(DIWATA-1)を用いて行い、その結果、中解像度(60m)及び高解像度(3m)のそれぞれの画像から、雲の3次元モデルを作成することに成功しました。超小型衛星搭載用の、ボロメータ型赤外線カメラの開発を進め、また地上電波観測による雷放電の位置評定プログラムの開発に着手しています。

研究代表者:北海道大学 教授 高橋 幸弘

国際共同研究拠点

Belmont Fourum

国旗

協力国:インド

安全なIoTサイバー空間の研究開発とセキュリティ教育を目指す

今後の人間の生活を大きく便利に変えるIoTからの情報を利用する社会システムを安全・安心にするための研究をインドと共同で行っています。共同研究は、日本の計算機科学とインドの電気工学を融合している点と、開発したIoTシステムを安全・安心に利用できるための人間の教育まで取り組んでいる点が特徴的です。毎年、ワークショップを開催し、研究の進捗を広く公開しています。

研究代表者:九州大学 教授 岡村 耕二

Belmont Fourum

国旗 国旗

協力国:ロシア・アメリカ

陸域生態系と社会からの炭素収支を測定

本研究は、ロシア・サハ共和国の陸域生態系と社会からの炭素収支を測定と統計から明らかにし、環境変化予測とあわせて提示し、住民のより良い生活のために地方行政・住民が選択すべき解決策を考えるための基礎的データを提供する道筋をつけることが目的です。日本、ロシア、米国の自然科学者と社会科学者にサハ共和国とヤクーツク市の担当者を加えた関係者会議を毎年ロシアで開催しています(写真)。また、ロシア北東連邦大学で、サステナブルキャンパスプロジェクトを展開しています。これは、今後社会で活躍すると考えられる学生とともに、運営、教育と研究、環境、地域社会の4つのトピックスを考えていくものです。

研究代表者:北海道大学 地球環境科学研究院 教授 杉本敦子

J-RAPID

協力国:ネパール

大地震がネパールの水安全性に及ぼす影響と復興対策に関する調査・研究

水は生活に欠かせませんが、それは"自然"が私たちに与えてくれているものです。開発途上国では、簡単に手に入る水を得るため井戸が重宝されていますが井戸水は地下水で、その流れや使える量を知っていないと、大勢が使いすぎて結局なくなってしまう心配もあります。日本の科学技術や学術知識を使った丹念な現地調査によって、その地域の地下水の流れやそれが作られる仕組みを正しく知り、地域の人たちに伝えることで持続的に水を使うための手助けをすることができています。(ネパール・カトマンズにおける調査風景)

研究代表者:山梨大学 教授 風間 ふたば