科学技術イノベーション人材とは

 科学技術イノベーションを実現するためには、研究者のみならず多様な人材の活躍が不可欠です。具体的には、大学及び公的研究機関等において、高度な知の創出と社会実装を推進するためには、研究開発成果の社会還元を促進する技術移転人材、研究開発プロジェクトの企画・管理を担うプログラムマネージャー、研究活動全体のマネジメントを主務とするリサーチ・アドミニストレーター(URA:University Research Administrator)、研究施設・設備等を支える技術支援者、さらには、大学経営人材といった多様な人材が必要です。
 これらの中でも、知の社会実装を迅速かつ効果的に推進するためには、新規事業開発やビジネスモデルの出口戦略も見据えることができ、技術経営や知的財産に関して高度な専門性を有した人材が求められています。こうした人材(「科学技術イノベーション人材」と称する。)が有する高度な専門性と研究者の高度な研究開発力が協同することで、これまでにない新たな価値創造につながることが期待されます。
 しかし、こうした科学技術イノベーション人材は不足し、また、各人の持つ能力が社会の急速な変化に対応できていないなどの問題が生じています。このため、科学技術振興機構では、科学技術イノベーションを担う多様な人材として、科学技術イノベーション人材の育成と活躍推進に取り組んでいます。
 具体的には、以下の人材の育成・活躍推進の取り組みを行っています。

産学コーディネータ等の技術移転人材(目利き人材)→ 目利き人材育成プログラム技術移転人材実践研修

 産学官連携活動においてコーディネータは、「新しい価値」を創造する最も重要な役割であると位置づけ産・学の技術シーズ、市場ニーズ、知的財産、研究開発資源等の各要素を結び付け背後にある関係性を読みながらネットワーク(人的、組織)を活用してビジネス(事業)に結び付ける必要があります。そのためには、大学等の研究成果(技術シーズ)の将来性、あるいは社会が求めているニーズを見抜き育成を行うことで、技術シーズの価値を高め、事業化に至るまでのさまざまな問題(マーケット、知的財産、アライアンス、ビジネスモデル等)を解決しビジネスを構築するためのプロデュース力が求められます。

プログラムマネージャー(PM)→ プログラムマネージャーの育成・活躍促進プログラム

 個々の組織が自ら所有する資源を技術移転し、活用することは重要なアプローチです。その一方で、個々の組織の枠を超えて、優れた技術を国内外から採り入れ、より高い研究開発目標を達成し、技術革新に結びつけるような挑戦的な研究開発を促進することも必要です。そのためには、研究者や技術移転人材とは異なる、研究開発構想を立案し、優れた研究シーズや研究者を目利きし、分野や組織を超えてプログラムを編成することのできるプログラムマネージャー(PM)が求められています。

以下の表を参考に、ご自身の対象と思われる研修コースへの参加をご検討ください。

研究をバックグラウンドとした人材(研究者、ポスドク、博士課程学生等)で 開発・事業化経験をバックグラウンドとした人材(企業等)で 研究開発の推進支援の経験をバックグラウンドとした人材(産学コーディネータ、URA、大学等職員)で、
URA等への転身を検討されている方 将来的に起業を考えられている方 プログラムマネージャーに関心のある方 大学URA等への転身を検討されている方 JSTやNEDOプログラムへの応募に関心ある方 研究事務で、URAやコーディネータ等として活躍を目指したい方 技術移転業務が初めての方 経験が浅い(数年程度)の方 ある程度の経験を重ね、飛躍を目指す方 研究支援の枠を超えて自ら新価値を創造したい方
目利き人材育成
研究推進マネジメントコース
目利き人材育成
バリュープロデュースコース
目利き人材育成
起業環境整備支援コース
技術移転人材実践研修
TLO・研究支援組織開催コース
技術移転人材実践研修
メンタリングコース
プログラムマネージャー
(PM)研修