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第34回共生進化機構先端セミナーをオンライン開催しました。

カブトムシの生態に関する研究で知られる小島渉博士(山口大学)に講演いただきました。

講演要旨:カブトムシTrypoxylus dichotomus は東アジアに広く分布するが、その生態は地域によって異なる。私たちは、カブトムシの生態の地理的な変異について研究を進めてきた。たとえば、成虫の体やオスの角のサイズが、一部の島で小型化することを発見した。また、共通の環境で複数の個体群を飼育するなかで、卵サイズ、幼虫の成長速度、幼虫の免疫能、成虫の寿命、配偶行動など、多くの形質が遺伝的な緯度クラインを持つことも明らかになった。特に成虫の寿命の差は顕著であり、南日本の個体群は東日本の個体群に比べて3倍も長寿であることが分かった。羽化時に成虫が蓄える脂肪の量にも、個体群間で大きな違いが存在し、寿命の差を生み出す至近的な要因の一つであると考えられる。野外でのデータをもとに、これらの地理的変異をもたらす生態学的な要因についても議論したい。