水を安全に変える。重金属除去材でつくる未来の浄水器
製品名重金属吸着剤

◆ 中核機関名

信州大学(ビジョン3)

製品・サービスの概要

◆ 関連企業

トクラス株式会社

◆ 発売時期

2018年12月

◆ 製品・サービスの概要

鉛等の重金属除去機能を備えた各種浄水デバイスです。携帯型浄水ボトル「NaTiO」と家庭用浄水モジュール「JC501」、2021年発売予定のティーバッグタイプ浄水器があります。
「NaTiO」はカートリッジタイプで、環境に優しく経済的(1カートリッジで約360回使用可能)です。機械・電気が不要なためアウトドア、災害時にも利用できます。「JC501」はアンダーシンクタイプの家庭用浄水モジュールで、業界トップレベルの浄水性能を誇ります。ティーバッグ型浄水器は、水に投入するだけで浄水できるため、発展途上国などでも簡単に使えます。
将来的にはアニオン吸着剤(開発中)の搭載により、地下水のフッ素汚染問題が顕在化する地域での利用も見込まれ、ケニア、タンザニア国内での実証試験を実施しました。

◆ 製品・サービスの特徴

浄水用の重金属イオン吸着剤は、従来のイオン交換樹脂と比較して圧倒的に高い吸着容量や吸着速度を達成しました。これは、無機結晶材料育成法「フラックス法」を用いて育成した「信大クリスタル」の一種である世界初のイオン交換体「三チタン酸ナトリウム」の搭載によるものです。
「NaTiO」は、水道水に含まれる残留塩素だけでなく、古い水道管に含まれる溶解性鉛を除去できます。吸着試験では99%以上の重金属除去率を示しています。「JC501」はJIS規格指定の17物質に加え、一般社団法人浄水器協会(JWPA)が指定する、アルミニウム・鉄(微粒子状)・鉄(溶解性)・ジクロロメタン・溶解性マンガンの5物質を除去することが可能です。

概要図

◆ ターゲットユーザー

国内の浄水器、浄水ボトルユーザー
水質問題を抱える東南アジアやアフリカ諸国等の発展途上国エリア

ターゲットユーザー

◆ 市場規模

浄水器市場:国内1,200億円
発展途上国の水ビジネス市場:2兆2,000億円

◆ 関連サイト等

https://www.shinshu-.ac.jp/project/ecosystem/testm01.html

COIプログラムの寄与

◆ 技術面での貢献

  • ●重金属吸着材に関する技術(フラックス法を用いて形状を制御し育成した三チタン酸ナトリウムの結晶)
    :手嶋勝弥(信州大学)
     上川秀哉(トクラス)

◆ その他の貢献等

  • ●重金属吸着結晶の、吸着材製造メーカーへの有償特許ライセンシングを達成し、特許料が拠点に還元。
  • ●重金属吸着結晶第2世代、アニオン吸着結晶について特許権の有償オプション契約が成立し、特許料が拠点に還元。

◆ 知財・論文・発表等の成果

  • ●特許第5551483号「ろ過材料及び浄化装置」、信州大学、トクラス
  • ●特願2020-183725「ろ過材料、ろ過材料の製造方法、水処理材料及び浄水器」、信州大学
  • ●日本フラックス成長研究会・平成30年度技術賞、上川秀哉(トクラス)・手嶋勝弥(信州大)

社会経済的な効果

◆ 人や社会への影響

浄水性能の向上により、いつでもどこでもおいしい水が飲め、ペットボトル消費量が削減します。災害時の非常用や地下水汚染対策の用途により安全で良質な飲料水へのアクセスが広がります。

◆ 関連するSDGs・社会課題

水問題
気候変動


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