信州大学(ビジョン3)
トクラス株式会社
2018年12月
鉛等の重金属除去機能を備えた各種浄水デバイスです。携帯型浄水ボトル「NaTiO」と家庭用浄水モジュール「JC501」、2021年発売予定のティーバッグタイプ浄水器があります。
「NaTiO」はカートリッジタイプで、環境に優しく経済的(1カートリッジで約360回使用可能)です。機械・電気が不要なためアウトドア、災害時にも利用できます。「JC501」はアンダーシンクタイプの家庭用浄水モジュールで、業界トップレベルの浄水性能を誇ります。ティーバッグ型浄水器は、水に投入するだけで浄水できるため、発展途上国などでも簡単に使えます。
将来的にはアニオン吸着剤(開発中)の搭載により、地下水のフッ素汚染問題が顕在化する地域での利用も見込まれ、ケニア、タンザニア国内での実証試験を実施しました。
浄水用の重金属イオン吸着剤は、従来のイオン交換樹脂と比較して圧倒的に高い吸着容量や吸着速度を達成しました。これは、無機結晶材料育成法「フラックス法」を用いて育成した「信大クリスタル」の一種である世界初のイオン交換体「三チタン酸ナトリウム」の搭載によるものです。
「NaTiO」は、水道水に含まれる残留塩素だけでなく、古い水道管に含まれる溶解性鉛を除去できます。吸着試験では99%以上の重金属除去率を示しています。「JC501」はJIS規格指定の17物質に加え、一般社団法人浄水器協会(JWPA)が指定する、アルミニウム・鉄(微粒子状)・鉄(溶解性)・ジクロロメタン・溶解性マンガンの5物質を除去することが可能です。
国内の浄水器、浄水ボトルユーザー
水質問題を抱える東南アジアやアフリカ諸国等の発展途上国エリア
浄水器市場:国内1,200億円
発展途上国の水ビジネス市場:2兆2,000億円
https://www.shinshu-.ac.jp/project/ecosystem/testm01.html
浄水性能の向上により、いつでもどこでもおいしい水が飲め、ペットボトル消費量が削減します。災害時の非常用や地下水汚染対策の用途により安全で良質な飲料水へのアクセスが広がります。