生体臓器を簡便迅速に透明化し、 標本の長期保存を可能に
製品名透明化試薬LUCID

◆ 中核機関名

東京大学(ビジョン3)

製品・サービスの概要

◆ 関連企業

フォトンテックイノベーションズ株式会社(COI発ベンチャー)

◆ 発売時期

2021年4月

◆ 製品・サービスの概要

検体(標本)を特定試薬に浸すことにより臓器を透明化し、切片標本を作ることなく標本内部を観察することができる透明化試薬です。これにより、がんや病原体を早期かつ確実に見つけ出すことが可能となります。
臓器が不透明に見えるのは、臓器の細胞を構成している細胞核や細胞膜と生体液の屈折率が異なり、すりガラスのように光が散乱してしまうからであり、これを解決するため、生体液を細胞組織と同じ屈折率にして散乱を抑制しました。

◆ 製品・サービスの特徴

従来の透明化試薬と異なり有害溶媒を用いないため、安全に扱うことができ、透明化処理による組織変形もほとんどありません。
また、臓器を漬けるだけで短時間に透明化でき、長期保存も可能なため、LUCIDは病理検査に用いることのできる世界唯一の透明化試薬となります。
全臓器に対して適用可能で、骨や植物も透明化することができます。

概要図

◆ ターゲットユーザー

検体(標本)調査を行う研究者、医療従事者、創薬メーカー、受託検査機関

ターゲットユーザー

◆ 市場規模

病理検査の世界市場:4,000億円
病理検査の国内検査薬市場:100億円

◆ 関連サイト等

https://www.photontech-innov.com

COIプログラムの寄与

◆ 技術面での貢献

  • ●臓器透明化試薬(短時間で安全に生体臓器を透明化する)
    :小野寺 宏(東京大学)

◆ その他の貢献等

  • ●利益相当分が拠点に還元
  • ●特許料が拠点に還元
  • ●代表取締役がベンチャー設立前に2年弱COI拠点にて事業化準備(事前マーケティング活動)のために雇用された

◆ 知財・論文・発表等の成果

  • ●特許第6325461号 組織透明化方法、組織透明化試薬及び組織観察方法,発明者:小野寺宏,出願人:JST
  • ●特願2019-134605 生体組織の処理方法及び処理用組成物、発明者:小野寺宏,出願人:東京大学
  • ●特願2020-073467 顕微鏡、顕微鏡用照明装置、及び観察方法,発明者:小野寺宏,出願人:東京大学

社会経済的な効果

◆ 人や社会への影響

がん診断等の病理診断では、標本作成における病理医の負担やコスト軽減、病変見落としの軽減に寄与します。また、バイオ分野や農水畜産業における研究開発への貢献が期待されます。

◆ 関連するSDGs・社会課題

がん
農林水産業


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