東京大学(ビジョン1)
日本アイ・ビー・エム株式会社
2015年7月
東京大学医科学研究所附属病院にて診断されたがん患者のゲノム情報をWatson Genomic Analytics(WGA)によって解釈する臨床シークエンスです。
WGAは膨大な量の医学研究論文要旨、薬の特許データ、がん・ゲノム関連データベースを学習しているAIです。東京大学医科学研究所附属病院においては、次世代シークエンサーによるゲノム解析の後、スパコンにより解析された変異遺伝子リストをWGAのシステムにアップロードすると、WGAが膨大なデータから学習した知識をもとに、がんの原因遺伝子、ターゲットとすべき標的遺伝子とその根拠、標的遺伝子に有効な薬剤候補等の情報を提示します。これをもとに、医師が薬剤候補を検討します。
WGAは、人力で2週間かかる検索作業を10分で完了することができます。この技術により、患者の同意を受け、全ゲノムシークエンスを行い、臨床シークエンス結果(ゲノム情報の解釈と薬候補の情報)を担当医に返すまでの時間(Turn AroundTime)を1~3カ月から、5日へと短縮することに成功しました。
がんゲノム医療に係る医療従事者
がんゲノム医療中核拠点病院:全国11カ所
がんゲノム医療連携病院:全国156カ所
https://www.ibm.com/products/watson-for-genomics
https://www.ibm.com/jp-ja
AIを活用したがんゲノム医療の実現により、診断・治療までに要する時間を大幅に短縮することで、患者が不安な気持ちで過ごす時間や担当医の作業時間を削減できるようになりました。