BioJapan2021に出展しました。
JST保有のバイオ・医療分野に関する厳選技術を紹介しました。
知的財産マネジメント推進部は、ライセンスによる技術移転を見据えて2021年10月13日(水)~15日(金)にパシフィコ横浜で開催された「Bio Japan 2021」に出展しました。JSTが保有する特許等の中から、バイオ・医療分野に関する厳選した技術を紹介しました。
■ BioJapan2021出展概要
- 【会期】
- 2021年10月13日(水)~10月15日(金)
- 【会場】
- パシフィコ横浜 展示ホール 小間番号D-2
〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1
- 【公式WEBサイト】
- 【パートナリングシステム】
■ 出展技術のご案内
No. | 技術の名称/Title | 代表発明者・所属 (researchmap等) |
技術の概要 | 国際公開番号 /Pub No.(WIPO) |
技術資料 |
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1 | 神経細胞ネットワークHTS装置 ~シナプス自然放出微小電流を多点で計測~ |
宇理須 恒雄 (株式会社NANORUS) |
これまで、神経伝達系における電流の計測では細胞膜電位変化を測定していた。しかし、従来技術では細胞膜電位変化の素過程である「シプナス自然放出電流」を測定できず、神経系難病の病態検出には精度不足であった。 発明者らは、多点でシプナス自然放出微小電流を計測する技術を開発し、装置化した。この技術により、神経系難病の原因解明や神経科学の研究が期待できる。 |
WO2013094418/ 特許第6037717号 WO2015030201/ 特許第6377063号 WO2014045618/ 特許第6047579号 WO2015111722/ 特許第6624933号 |
日本語(1.05MB) English(1.09MB) 中文(973KB) |
2 | 核酸結合性タンパク質 (Romanesco/ChrocodiLE) |
岡田 康志 (東京大学) |
生細胞イメージングは遺伝子発現や転写の解析にあたり極めて重要で、基礎研究のプラットフォームとなる技術である。 発明者らはDNAに配列に「非依存的」なDNA結合性タンパク質を並べることで、オープンクロマチンに選択的に結合する技術を開発した。また、mRNAのイメージングについては従来技術の300倍の蛍光強度を持つ核酸分子を開発した。 これらの技術を用いることで、生細胞の核酸の動態を高い精度でイメージングすることができる。 |
WO2020116446/ 特許第7561422号 WO2020209332/ 特許第7356739号 |
日本語(827KB) English(865KB) 中文(754KB) |
3 | ナノ・プロドラッグ ~ナノ・キャリアフリーDDSの設計と効果~ |
笠井 均 (東北大学・教授) |
疾患の治療において、薬剤のみの投与は薬剤が全身に拡散し、薬効不足や副作用の懸念がある。対して組織選択的に薬剤を運ぶ技術にはナノ・キャリアを用いたドラッグデリバリーシステム(DDS)があるが、ナノ・キャリアには細胞浸透性、薬剤担持性が低いという問題点があり、またナノ・キャリア自体の副作用も懸念される。 発明者らは、薬効成分のみからなるため薬剤担持率が高く、キャリアによる副作用の懸念がない新しいDDSを開発した。 |
WO2011155501/ 特許第5113958号 |
日本語(743KB) English(585KB) 中文(811KB) |
4 | HMGB1阻害オリゴ核酸 ~ISM ODNを用いた炎症性疾患の抑制~ |
谷口 維紹 (東京大学・名誉教授) |
HMGB1は主に核内に存在するタンパク質で、クロマチン構造の安定化や遺伝子の転写反応に関与していることが知られている。一方、ストレス下では細胞外へ放出され、炎症性サイトカインの誘導や炎症性細胞の遊走を促進させ、炎症性疾患の病態を悪化させるとさせていた。 発明者らはこのHMGB1と強く結合し、機能を阻害することで炎症性疾患を抑制させるオリゴ核酸を開発した。敗血症や肝炎のモデルマウス等への当該物質の投与により、マウスの生存率が対照群と比較して有意に高いことが分かっている。 |
WO2012036215/ 特許第5686814号 |
日本語(993KB) English(1MB) 中文(1.09MB) |
5 | L-アルギニン ~PolyQ病治療剤への応用~ |
永井 義隆 (近畿大学・教授) |
ポリグルタミン病(PolyQ病)はグルタミンが多数つながった構造であるポリグルタミン鎖が異常伸長したタンパク質が凝集する遺伝性神経変性疾患であり、原因遺伝子により異なる9種類の疾患からなる。有効な治療法は確立されておらず、患者は個々の症状に対する対症療法を受けて進行を遅らせる。 発明者らは、アミノ酸のうちL-アルギニンがPolyQタンパク質のミスフォールディングを抑制し、脳内での凝集・蓄積を減少させることを発見した。 今後はPolyQ病のみでなく、他の神経変性疾患への治療剤としての応用も期待される。 |
WO2017222040/ 特許第6933380号 |
日本語(806KB) English(656KB) 中文(434KB) |
6 | 非ウィルス性遺伝子治療 ~新しい遺伝子ベクターの設計と医療への応用~ |
長田 健介 (量子科学技術研究開発機構) |
通常、バイオ医薬品等で遺伝物質を細胞に送るツールとしてウイルスベクターが用いられている。ウイルスベクターは免疫原性やゲノムへの組み込みリスクがあったり、運べる遺伝子サイズに制限があった。 発明者らは、高分子pDNA複合体をベクターとして用いる遺伝子治療用技術を開発した。本技術はウイルスベクターに見られるようなリスクが低く、高分子の種類を変えることで様々な高次構造をとるため対象治療に応じて使い分けが可能である。 遺伝子治療への利用の他、遺伝子編集やワクチンへの応用が期待される。 |
WO2015020026/ 特許第6108369号 |
日本語(1.18MB) English(1.15MB) 中文(1.25MB) |
7 | 生体粒子ボルト誘導体 ~新規ナノカプセルの設計と利用~ |
田中 秀明 (大阪大学・准教授) |
生体内に存在する複合タンパクであるボルトはお椀の口を合わせたような樽型中空構造を有することから、内部に薬効成分を包含するDDSとしての応用が期待されている。一方、天然型のボルトは安定性と発現量が低く、実用化への課題であった。 発明者らは、ボルト開閉部分にロイシンを付加し、ジッパー機能を付与したロイシンジッパー(LZ)ボルトを開発した。LZボルトは天然型と比較して安定性・発現量ともに向上し、本技術のDDSへの応用が期待される。 |
WO2014077195/ 特許第5591418号 |
日本語(1.21MB) English(804KB) 中文(1.11MB) |
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