BioJapan2020に出展しました。
JST保有のバイオ・医療分野に関する厳選技術を紹介しました。
知的財産マネジメント推進部は、ライセンスによる技術移転を見据えて2020年10月14日(水)~16日(金)にパシフィコ横浜で開催された「Bio Japan 2020」に出展しました。JSTが保有する特許等の中から、バイオ・医療分野に関する厳選した技術を紹介しました。
また、10月14日(水)には国立遺伝研究所・宮城島進也教授に、ご自身の研究についてプレゼンテーションを行っていただきます。皆様奮ってご聴講いただけますと幸いです。
■ BioJapan2020出展概要
- 【会期】
- 2020年10月14日(水)~10月16日(金)
- 【会場】
- パシフィコ横浜 展示ホール 小間番号D-8
〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい1-1-1
- 【公式WEBサイト】
- 【パートナリングシステム】
■ 出展技術のご案内
No. | 技術の名称 | 代表発明者・所属 (researchmap) |
技術の概要 | 国際公開番号/ 登録番号(日本) (各種公報) |
関連資料 |
---|---|---|---|---|---|
1 | DNAポリメラーゼの不可逆的阻害剤 | 阿部 洋 (名古屋大学) |
発明者はウイルス感染症治療薬、抗がん剤等として有効なDNAポリメラーゼ阻害剤を開発した。この阻害剤は新規の作用機序を持ち、薬剤耐性HIVウイルスに対し既存薬の10倍以上の抗ウイルス活性を示した。 | WO2019/172394/ 特許第7266896号 |
|
2 | 抗体に酵素作用を持たせる革新的手法と将来展望 | 一二三 恵美 (大分大学) |
抗体軽鎖を一つの分子として単独に取り扱うことにより、完全抗体の形ではマスクされていた抗原分解活性が存在することを見出した。スーパー抗体酵素と命名した当該軽鎖は、単独で標的タンパク質と特異的に結合し天然酵素に近い活性で分解する。 さらに既存の抗体軽鎖の可変領域の一部を欠失・置換させることで酵素活性を発現させることが分かった。 |
WO2021/015237 | |
3 | 未病状態を検出:動的ネットワークバイオマーカー | 陳 洛南 (東京大学) |
多くの疾病、特に複雑な疾病の悪化進行のプロセスは、ある臨界閾値を超えた時点に達すると状態遷移が突然発生し、健康状態から急激に疾病状態に変化する。従来からバイオマーカー等で疾病状態を診断する方法があるが、複雑疾病の場合は臨界遷移の予測は困難である。 発明者らは、新たなバイオマーカーとして動的ネットワークバイオマーカー(DNB)を開発した。DNBは生体から採取した生体サンプル中の遺伝子発現量等に対して統計計算を行うことにより決定される。DNBにより、生体が病気になる直前の状態を検出することができる。 |
WO2014/050160/ 特許第5963198号 |
|
WO2014/065155/ 特許第6164678号 | |||||
WO2018/207925/ 特許第7124265号 | |||||
4 | 細胞壁のない国産温泉藻類とその利用 | 宮城島 進也 (遺伝学研究所) |
発明者らは新種のイデユコゴメの単離・培養株の樹立に成功した。本種は1倍体で細胞壁を持たず、内容物の抽出が容易である。また、1倍体を遺伝的に改変することで2倍体との相互互換に成功し、2倍体の細胞壁強度の調節が可能となった。 本種は海水培養が可能で、安価な屋外開放培養で高密度に増殖するため製造コストの低減が期待できる。 |
WO2019/107385/ 特許第6852190号 |
|
5 | Romanesco(新規RNAアプタマー) | 岡田 康志 (東京大学) |
発明者らは、既存の蛍光RNA法では不可能であった、高等動物細胞におけるmRNAの可視化技術の開発に成功した。本技術では細胞固定や外来性遺伝子の導入は不要である。生細胞における内在性mRNAの挙動を顕微鏡下で可視化し、対象RNAの分子数も計測可能で、生細胞でのRNAの機能解明に威力を発揮する。 | WO2020/116446/ 特許第7561422号 |
|
6 | ELGPナノポアDNAシーケンサー | 真島 豊 (東京工業大学) |
特有の条件でPt上にELGP(Electless Gold Plating;無電解金メッキ)を行うと、Pt上のAuがヘテロエピタキシャル成長する。発明者らはこの技術を用いてSi/SiO2上にナノサイズの孔を作成し、その孔に一本鎖DNAを通した際の電流から塩基配列を読み取るDNAシーケンサーを開発した。 | WO2021/111987/ 特許第7237388号 |
■ プレゼンテーションのご案内
- 【開催日時】
- 2020年10月14日(水) 11:40~12:10
- 【開催場所】
- Presentation Stage A
- 【講演者名】
- 宮城島 進也 (国立遺伝学研究所 教授)
- 【講演タイトル】
- 温泉に生息する微細藻類の産業利用に向けた開発
- 【講演内容】
- 微細藻類は機能性食品、水産用飼料等として産業利用されており、機能性飼料、代替燃料等としての利用を見据えた研究開発が世界的に進められています。我々は国内の酸性温泉から新たに単離した微細藻類(単細胞紅藻)が、これまでに産業利用されている種々の微細藻類に比べ、(1)より高密度に増殖すること、(2)より高濃度のタンパク質、GABA、ビタミンC、E、Kを含むこと、(3)細胞壁を有さない1倍体を誘導可能で、単独培養できることを見出しました(内容物抽出のため破砕が容易)。さらに、(3)酸性水で増殖するため、他の微生物を混入増殖させずに屋外開放培養が可能なことを明らかにし、(4)セルフクローニングなどのゲノム編集技術も開発しました。本微細藻類は今後、機能性飼料、防疫飼料、健康食品などとしての利用が期待されます。
※掲載技術にご関心がある方は、是非下記お問い合わせ先までご連絡ください。

〒102-8666 東京都千代田区四番町5-3 サイエンスプラザ
国立研究開発法人科学技術振興機構
知的財産マネジメント推進部 知財集約・活用グループ
TEL:03-5214-8486 FAX:03-5214-8417 E-mail:
※お問い合わせの内容によっては、回答に時間を要する場合があります。