採択プロジェクト

国際共同研究

日本-タイ「グリーンテクノロジー」研究領域

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)では、タイ 人材・制度開発・研究・イノベーションのためのプログラム管理ユニット(PMU-B)と協力し、日本とタイの研究者間で「グリーンテクノロジー」分野での国際共同研究を支援しています。

相手国協力機関

タイ 人材・制度開発・研究・イノベーションのためのプログラム管理ユニット(PMU-B: Program Management Unit for Human Resources & Institutional Development, Research and Innovation)

運営主幹 (PO)

桑畑 進(大阪大学 名誉教授)

新着情報

採択課題一覧

※所属・役職は2025年4月現在の情報。

研究課題名 燃料電池車のための高純度バイオ水素製造
グラント番号 JPMJNX25B1
研究期間 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度)
日本側研究代表者 稲田 幹(九州大学 大学院工学研究院/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 准教授)
相手側研究代表者 ナバドリ ラオシリポジャマ(モンクット工学大学トンブリ エネルギー環境学科 教授)
課題概要 本研究は、バイオ廃棄物を原料に用いて、バイオ光触媒によるグリーン水素の製造と、生成した水素から硫黄などの不純物を除去する水素製造技術の開発を目的とする。
具体的には、日本側は二酸化チタン(TiO2)や亜鉛部分置換酸窒化ガリウム(Ga(Zn)ON)などの無機光触媒と、ヒドロゲナーゼやニトロゲナーゼなどの酵素を組み合わせたバイオ光触媒技術の向上を図る。タイ側は、リグニンなどのバイオ廃棄物を原料として酵素を育成し、そのバイオ廃棄物を犠牲剤として水素を製造するプロセスを検討する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、高効率かつ低コストでバイオ廃棄物からグリーン水素を製造し、その水素から不純物を除去して燃料電池車に利用可能な高純度の水素を得ることを目指す。本研究により、廃棄物の処理とグリーン水素の製造を同時に実現し、持続可能な社会の構築に貢献することが期待できる。
研究課題名 革新的グリーンテクノロジー:タイ国イサーン地方におけるPM2.5の削減と再生可能エネルギー生産のためのサトウキビの葉からの耐熱域におけるバイオ・ハイタンの生産
グラント番号 JPMJNX25B2
研究期間 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度)
日本側研究代表者 今井 剛(山口大学 大学院創成科学研究科 教授)
相手側研究代表者 アリッサラ ルンセン(コンケン大学 テクノロジー学部 教授)
課題概要 本研究は、タイ東北部(イサーン地方)で廃棄されているサトウキビの葉を活用し、再生可能エネルギーであるバイオ・ハイタン(水素+メタン)の革新的発酵プロセスである耐熱域減圧メタン発酵の開発を目的とする。
具体的には、日本側は「45度付近の耐熱域メタン発酵」と「減圧メタン発酵」の基礎技術を提供する。タイ側は、サトウキビの葉の水熱処理による可溶化と、その可溶化液を使ったバイオ・ハイタン生産を「45度付近の耐熱域+減圧」発酵(ベンチスケール)で実施する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、タイ東北部の煙害(PM2.5)への対応策を提案し、農業残渣(サトウキビの葉)の再生可能エネルギー転換の道筋を示すことを目指す。本プロジェクトの実現により、脱炭素社会の達成に貢献することが期待される。
研究課題名 逆反応制御によるZスキーム光触媒の水素製造効率の劇的向上のための研究
グラント番号 JPMJNX25B3
研究期間 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度)
日本側研究代表者 加藤 英樹(東北大学 多元物質科学研究所 教授)
相手側研究代表者 ポルナパ スジャリドウォラクン(チュラロンコン大学 理学部 准教授)
課題概要 本研究は、Zスキーム型水分解光触媒システムの効率低下を引き起こす逆反応を効果的に抑制する修飾方法を開発し、反応効率の大幅な向上を実現することで、グリーン水素製造技術の発展を目指すことを目的とする。
具体的には、日本側は、逆反応を抑制するための新しい修飾方法を開発し、そのメカニズムを(光)電気化学的アプローチを用いて解明する。また、タイ側のチームは、新規修飾方法の効果を最大限に引き出すための光触媒合成法を検討し、理論計算を駆使してメカニズムの解明をサポートし、Zスキームシステムのための新しい光触媒材料を提供する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、これらの方法と材料の融合により、グリーン水素製造技術の発展に大きく貢献すると期待される。
研究課題名 プロトン伝導性金属-有機構造体を用いた中温水電解技術の開発
グラント番号 JPMJNX25B4
研究期間 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度)
日本側研究代表者 堀毛 悟史(京都大学 大学院理学研究科 教授)
相手側研究代表者 カノクワン コンパットパニック(ウィタヤシリメティー大学院大学 分子科学・工学部 助教)
課題概要 本研究は、幅広い温度で高いプロトン伝導性を示す電解質材料を用い、水素ガス生成効率を大幅に引き上げる水電解技術の開発を目的とする。
具体的には、日本側は金属と分子を組み合わせたハイブリッド電解質材料の開発を行い、タイ側チームはその材料を用いた水電解デバイスの構築と水素発生の実証および改良を行う。デバイスの作動温度は100~200度を目標として、高効率な水電解と貴金属触媒の利用量の低減を実現することを目指す。
両国の研究チームによる共同研究を通して、従来の有機高分子やセラミックスとは異なる新たな水電解技術が期待される。本研究の実施により、グリーン水素社会や低炭素社会の普及と実現に貢献することを目標とする。
研究課題名 尿素の電気化学的酸化反応を応用したグリーン水素生成の促進に向けた分光学と機械学習の統合アプローチ
グラント番号 JPMJNX25B5
研究期間 2025年4月~2028年3月(2025年度~2027年度)
日本側研究代表者 前田 修孝(九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 准教授)
相手側研究代表者 ケウタ ジェッツリスパーブ(コンケン大学 工学部 助教)
課題概要 本研究は、水の電気分解を通じてグリーン水素の生産を促進し、燃料電池電気自動車の普及に貢献することを目的とする。
具体的には、日本側は電気化学、応用分光法、機械学習の専門知識を結集し、尿素の効率的な酸化と水素生成を促進する電極の設計と改良に取り組む。タイ側は電解槽を設計し、新規開発した触媒を用いてグリーン水素の生産効率を向上させ、その実験的検証を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通して、高効率で持続可能な水素生成技術の確立を目指す。本研究には、若手研究者の国際的な交流と育成の推進が含まれ、次世代リーダーの育成も図る。本研究により、化石燃料依存の軽減と環境に優しい燃料の生産を推進し、産業の成長と雇用創出にも寄与することが期待される。

報告書

後日掲載予定

事後評価

後日掲載予定