採択プロジェクト

国際共同研究

研究課題名 生物由来の前処理剤を利用した海水淡水化

研究分野水の安全保障
研究期間2025年1月~2027年12月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 奥田 哲士(龍谷大学 先端理工学部 教授)
相手側研究代表者 ラモン クリスチャン P. アウセビオ(フィリピン大学 ロスバニョス校 化学工学科 准教授)
課題概要

本研究は、島しょ地域や災害時においても水源として保証される海水の淡水化法として、逆浸透膜を基幹技術、バイオマスを原材料とした前処理方法の開発と、再生可能エネルギーを原動力とするシステムの構築を目的とする。
具体的には、日本側チームはモリンガという植物由来の凝集剤と吸着剤により目詰まりが低減でき、バイオ燃料の利用も可能な膜処理装置の開発を行う。フィリピン側チームは、もみ殻を目詰まり低減のための吸着剤の作成に利用するほか、低圧運転可能な前処理用の膜の開発への利用にも挑戦し、それらにより太陽光発電のみで運転が可能な装置の開発を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通して、電力供給の無い場所でも運転が可能で、かつ生物素材を活用した持続可能な海水淡水化システムの開発を目指す。

グラント番号 JPMJNX24A1
年次報告書 2024年度

研究課題名 極端な気候変動下における持続可能な水資源とダム管理のための相乗戦略

研究分野水の安全保障
研究期間2025年1月~2027年12月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 カントシュ サメ・アハメド(京都大学 防災研究所 教授)
相手側研究代表者 ジェフリー・ロイド バレング(イサベラ州立大学 工学部 教授)
課題概要

本研究は、これまでに開発した長時間アンサンブル降雨予測およびアンサンブル気候予測データベースを統合し、スーパー台風に伴う極大洪水の発生や長期間の無降雨に伴う異常渇水を予測する。ルソン島北部のマガットダムの運用を高度化し下流のカガヤン川流域においてウェブベースのプラットフォームを開発し、フィリピン地域社会に研究成果を実装することを目的とする。
具体的には、日本側チームはリモートセンシングデータおよび衛星画像を用いて、地球規模の気候予測の地域・流域レベルへのダウンスケーリングを通じてダム運用のシミュレーションを実施する。フィリピン側チームは、これらの成果を、水の安全保障の指標やマスタープランの策定などを含む政策立案へ反映するべく、カガヤン川流域の地方自治体を対象に検討する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、水文予測情報に基づく水資源管理の新しいガイドラインの確立を目標とする。さらに、ガイドラインを実装し、将来の気候変動に伴う極端気象の増大に対する適応策を強化する人材の開発にも力を注ぐ。

グラント番号 JPMJNX24A2
年次報告書 2024年度

研究課題名 フィリピンラグナ州の水源から飲用水にわたるペルフルオロおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)の体系的モニタリング調査

研究分野水の安全保障
研究期間2025年1月~2027年12月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 国末 達也(愛媛大学 沿岸環境科学研究センター 教授)
相手側研究代表者 アンナ カレン カラスコ・ラセルナ(デ・ラ・サール大学 中央機器施設 学術サービス教員)
課題概要

本研究は、国際社会で問題視されているペルフルオロおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)を対象に、ルソン島中部のラグナ州の水源および飲用水中の残留レベルを明らかにし、ヒト健康リスクの評価とフィリピン国内における今後のPFAS規制に有用な基礎データを提示することを目的とする。
日本側チームは、ストックホルム条約に登録されている3物質に加え、36種の新興PFASのターゲット分析を行う。フィリピン側チームは、水源となる湧水、地下水、井戸水と浄水処理後の飲用水およびボトルウォーターについて、サンプリングとPFAS分析の前処理、精製を行う。
また、両国のチームが共同でノンターゲット分析を実施し、未同定のPFAS化合物の存在と挙動も解析することで、将来的なPFASの削減・処理対策を見据えた重要な基礎データの取得を目指す。

グラント番号 JPMJNX24A3
年次報告書 2024年度

研究課題名 フィリピン・ラグナ湖における未規制汚染物質の優先順位付けに基づく水道水質管理と水生生物保護による水の安全性の強化

研究分野水の安全保障
研究期間2025年1月~2027年12月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 栗栖 太(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
相手側研究代表者 ジャニス・B・セビリア=ナスター(フィリピン大学 ロスバニョス校 環境科学管理学部 准教授)
課題概要

本研究は、生活用水および養殖、灌漑用水の水源や、親水の場となっているラグナ湖を対象とし、フィリピンの水質管理において監視すべき有害化学物質の優先順位付けを目的とする。
具体的には、フィリピン側チームは、化学物質の輸入量などの統計データや現地企業からの情報提供に基づいて、調査すべき化学物質を検討する。日本側チームは、フィリピン側チームから得られた情報に基づき、高分解能質量分析計を用いた多物質のスクリーニング分析を行い、ヒトの健康や水生生物への影響が生じ得る有害性評価値に対し、有害化学物質が問題となる濃度で存在しているかどうか、評価を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通して、未規制汚染物質の監視および管理のための優先順位付けの方法を開発し、行政におけるモニタリング方法を提示することで、安全な水資源の管理の実現を目指す。

グラント番号 JPMJNX24A4
年次報告書 2024年度

研究課題名 フィリピンにおける水の安全保障と公衆衛生の向上を目的とした水環境中および上下水処理システムでの新興微生物の汚染評価

研究分野水の安全保障
研究期間2025年1月~2027年12月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 原本 英司(山梨大学 大学院総合研究部 教授)
相手側研究代表者 マリゴールド・ウバ(デ・ラ・サール大学 生物学科 専任上級講師)
課題概要

本研究は、フィリピンの水環境中における病原微生物と薬剤耐性菌・耐性遺伝子の汚染実態および浄水・下水処理工程での低減効果を明らかにし、水の微生物学的安全性を保障する新たな指標微生物を探索するとともに、下水疫学調査を用いた感染症の流行監視システムを構築することを目的とする。
具体的には、日本側チームは、病原微生物などの測定法の技術指導・技術移転を行うとともに、デジタルPCR法などの最先端の遺伝子検出技術を用いた測定や水系感染症リスクの評価などを実施する。フィリピン側チームは、現地での定期的な採水調査を実施し、微生物のモニタリング体制を構築する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、効率的な水の微生物学的安全性の監視システムを構築し、微生物の排出負荷および感染症リスクを低減するための方策の提案へとつなげることを目指す。

グラント番号 JPMJNX24A5
年次報告書 2024年度

研究課題名 マルチリンガル・マルチモーダルな大規模言語モデルを用いた表現豊かで共感的な人間とAIのインタラクション

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 河原 達也(京都大学 大学院情報学研究科 教授)
相手側研究代表者 ナンシー チェン(科学技術研究庁 情報通信研究機構 グループリーダー)
課題概要

本研究は、言語・文化、さらには話者の個性や感情に応じた応答を行うマルチモーダルな会話AIの開発を目標とする。
具体的には、日本側チームは感情認識、共感的応答生成、及び人間型ロボット・エージェントへの実装を行い、シンガポール側チームは多言語・多文化対応に焦点をあてて研究を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、ユーザーの個性や感情を音声や表情から読み取ることで、それに応じた感情豊かで共感的な応答の生成を行い、言語的な応答だけでなく、笑いや表情による応答も実現する。これにより、多言語でマルチモーダルな対話を行うロボット・エージェントを実現し、多言語・多文化共生社会であるシンガポールでの実証を目指す。

グラント番号 JPMJNX25C1

研究課題名 合成データ生成によるロバストな連合基盤モデル

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 佐久間 淳(東京科学大学 情報理工学院 教授)
相手側研究代表者 チンソン ウェイ(科学技術研究庁 ハイパフォーマンスコンピューティング研究所 主任研究員)
課題概要

本研究は、安全かつ効率的な基盤モデルの学習を、データを分散させたまま学習させる連合学習を通じて実現するためのフレームワークの構築を目指す。
具体的には、日本側チームは、モデル学習におけるプライバシーの問題及び分散したモデルの統合におけるセキュリティの問題に取り組み、シンガポール側チームは、信頼される基盤モデルを連合学習によって実現するための方法論開発とそのセキュリティ・プライバシー保護に取り組む。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、基盤モデルの連合学習において懸念されるセキュリティやプライバシーの問題解決が期待される。

グラント番号 JPMJNX25C2

研究課題名 マルチモーダル対応の切断:より安全で公平なマルチモーダルAIGCの構築

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 佐藤 真一(国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授)
相手側研究代表者 ジョエイ シュウ(科学技術研究庁 ハイパフォーマンスコンピューティング研究所 主任研究員)
課題概要

本研究は、マルチモーダルAIシステムの安全性、公平性、有効性を高めることを目的とする。
具体的には、日本側チームは、公平性のための属性消去による人間属性分布の適正化を通じて、AI学習における性別、人種、年齢等のバイアスを軽減した公平性の担保を狙い、シンガポール側チームは、プライバシー保護のためのファジークロスモーダル対応学習を通じて、AI学習におけるプライバシー保護の強化を狙う。また、バックボーンの機械学習フレームワークは共同で開発する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、大規模なモデル学習におけるプライバシーと公平性を同時に担保する方法論を提供し、生成AIのより広範な分野への貢献を目指す。

グラント番号 JPMJNX25C3

研究課題名 統計的に異質なエッジクラウドネットワークにおける効率的かつプライバシー保護された大規模マルチモーダルモデルの学習と推論

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 曹 洋(東京科学大学 情報理工学院 准教授)
相手側研究代表者 ウェイ ヤン ブライアン リム(南洋理工大学 コンピュータ科学・工学部 助教)
課題概要

本研究は、エッジクラウドネットワークにおいて、大規模マルチモーダルモデル(LMM)の効率的かつプライバシー保護された学習と推論の実現を目的とする。
具体的には、日本側チームは、連合学習によりプライバシー保護技術を開発し、特にメトリック差分プライバシーや信頼実行環境を使い、LMMの安全性向上を担い、シンガポール側チームは、LMMの効率的な推論のため、エッジとクラウド間データスクを動的に割り振るMisture of Experts (MoE)やRetrieval-Augumented Generation (RAG)のフレームワーク構築を実施する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、高性能かつ低遅延のAIシステムが開発され、国際的な技術進展に貢献することを目指す。

グラント番号 JPMJNX25C4

研究課題名 地震に対する安全性と持続可能性のためのAI活用:AI駆動の地震データ解析技術・地下状態可視化技術・地震ハザード監視技術の深化

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 長尾 大道(東京大学 地震研究所 准教授)
相手側研究代表者 ピン トン(南洋理工大学 数理科学研究科 准教授)
課題概要

本研究は、日本とシンガポールの緊密な国際連携に基づいて地震データ解析に関する様々なAIツールを開発・高度化し、AI駆動による地下可視化技術や地震リスク評価技術の刷新を目指すことにより、地震学の発展のみならず、地下エネルギーの利活用や持続可能性のある都市開発に貢献することを目的とする。
具体的には、日本側チームは、日本の地震観測データの整備ならびに地震発生時に最初に到来する地震波であるP波・S波を検出するためのAI技術の高度化を担当し、シンガポール側チームは、シンガポールの地震観測データの整備ならびにP波・S波よりも遅く到来する後続波を検出するAI技術の開発を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、AIによる地震発生予測技術が向上し、地震の短周期振動と長周期振動の両者に対して頑健で持続可能性のある都市開発への貢献が期待できる。

グラント番号 JPMJNX25C5

研究課題名 国際海運脱炭素化のためのAI:船舶運航統合モデルの開発

研究分野AI
研究期間2025年4月~2027年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 花岡 伸也(東京科学大学 環境・社会理工学院 教授)
相手側研究代表者 ラン ヤン(南洋理工大学 土木・環境工学研究科 助教)
課題概要

本研究は、国際海運の脱炭素化を推進する日本とシンガポール間のグリーン&デジタル海運回廊の形成に向けて、最先端のAIモデルを活用したアルゴリズムを開発し、有人・無人運航船の輸送効率と脱炭素航行を最適化する統合モデルの構築を目的とする。
具体的には、日本側チームは、気象データの収集と処理、航行アルゴリズムや燃料消費予測モデルの検証、動的航海最適化モデルと経路追従制御モデルの開発および検証を実施し、シンガポール側チームは、AISデータの処理、航行ソリューションや燃料消費予測モデルと動的航海最適化モデル、経路追従制御モデルの開発および改善を実施する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、国際海運の環境負荷を大幅に削減し、より持続可能な海運業界の未来の創造を目指す。

グラント番号 JPMJNX25C6

研究課題名 非接触給電の物理現象を加味した機械学習を用いたスマートモビリティシステムの推進

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 藤田 稔之(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 特任講師)
相手側研究代表者 イー タン(南洋理工大学 電気電子工学科 准教授)
課題概要

本研究は、スマートモビリティ向け非接触給電システムについて電磁気学や回路理論を加味した機械学習を行うことで制御性能の高速化及び電力伝送コイルの設計と性能の向上を目的とする。
具体的には、日本側チームは、AI学習を用いた制御器設計を行い、シンガポール側チームは、非接触給電コイルのAI学習を用いた多目的最適化を実施する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、非接触給電システムのさらなる発展および両国間のAI関連技術レベルの向上及び産業振興を含めた関係強化が期待される。

グラント番号 JPMJNX25C7

研究課題名 AI駆動の気候変動にレジリエントな冷房:混合モード換気のためのロバストな強化学習

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 宮田 翔平(東京大学 大学院工学系研究科 特任講師)
相手側研究代表者 エイドリアン チョン(シンガポール国立大学 建築環境学部 准教授)
課題概要

本研究は、冷房時に自然換気を最大限活用する混合モード換気(MMV)の技術開発・AIによる高度化を目的とする。
具体的には、日本側チームは、空調設備や室内環境について、物理ベースのシミュレーションとデータ駆動のニューラルネットワークを組み合わせることで高い精度と速い計算速度を兼ね備えたシミュレーションモデルを構築し、シンガポール側チームは、実験環境の提供とMMV制御のための強化学習アルゴリズム開発を、特にドメイン適応に着目して推進する。
両国の研究チームの強みを組み合わせることで、より快適・省エネルギーで、さらにスケーラブルなMMV制御の実現が期待される。同時に、冷房需要の増加が社会問題となっているASEAN諸国と密接な情報交換や実験協力を実施することで、ASEAN地域へのMMV関連の技術展開が期待される。

グラント番号 JPMJNX25C8

研究課題名 東および東南アジアにおける動的かつ持続可能な食糧計画のための大規模言語・マルチモーダルモデルの開発

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 山肩 洋子(東京大学 情報基盤センター 教授)
相手側研究代表者 タット セング チュア (シンガポール国立大学 コンピューティング学部 教授)
課題概要

本研究は、気候変動により動的に変化する食糧事情に対し、Webを介して収集した食にまつわるあらゆるデータを解析することで、人々がリアルタイムに食の状況を把握する手助けをする大規模言語モデル(LLM)および大規模マルチモーダルモデル(LMM)の開発を目的とする。
具体的には、日本側チームは、食に関するローカルニュースやSNSおよび衛星画像データ等を収集・分析すると同時に、食事記録から人々の食行動による環境影響を解析・可視化する食事管理アプリを開発し、シンガポール側チームは、日本側チームから提供されたデータを用いて食に特化したLLMおよびLMMを構築する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、東および東南アジア地域における食糧生産・流通計画を、人々がより柔軟かつ迅速に再設計できるようになることが期待される。

グラント番号 JPMJNX25C9

研究課題名 都市ヒートアイランド現象のモニタリングと緩和のための資源効率の高い基盤モデルの開発

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 横矢 直人(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
相手側研究代表者 シージェン ルー(南洋理工大学 コンピュータ・データサイエンス学部 准教授)
課題概要

本研究は、都市ヒートアイランド現象のモニタリングと緩和のための革新的な基盤モデルを開発することを目的とする。
具体的には、日本側チームは、衛星画像、航空写真、気象データなどのマルチソースデータを統合し、高解像度の温度パターン推定と3Dセマンティック再構成モデルを作成し、シンガポール側チームは、地理空間データを解釈し、都市計画に対する実用的な提言を生成するための視覚質問応答と視覚的グラウンディングの技術を開発する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、資源効率の高いAI技術を統合し、都市の気候レジリエンスを強化するための新たなフレームワークの構築を図る。また、これにより、スマートシティ管理や環境モニタリングに必要な新しいツールや技術の成長を促進し、持続可能な都市環境実現への貢献を目指す。

グラント番号 JPMJNX25CA

研究課題名 燃料電池車のための高純度バイオ水素製造

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2025年4月~2028年3月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 稲田 幹(九州大学 大学院工学研究院/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 准教授)
相手側研究代表者 ナバドリ ラオシリポジャマ(モンクット工学大学トンブリ エネルギー環境学科 教授)
課題概要

本研究は、バイオ廃棄物を原料に用いて、バイオ光触媒によるグリーン水素の製造と、生成した水素から硫黄などの不純物を除去する水素製造技術の開発を目的とする。
具体的には、日本側は二酸化チタン(TiO2)や亜鉛部分置換酸窒化ガリウム(Ga(Zn)ON)などの無機光触媒と、ヒドロゲナーゼやニトロゲナーゼなどの酵素を組み合わせたバイオ光触媒技術の向上を図る。タイ側は、リグニンなどのバイオ廃棄物を原料として酵素を育成し、そのバイオ廃棄物を犠牲剤として水素を製造するプロセスを検討する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、高効率かつ低コストでバイオ廃棄物からグリーン水素を製造し、その水素から不純物を除去して燃料電池車に利用可能な高純度の水素を得ることを目指す。本研究により、廃棄物の処理とグリーン水素の製造を同時に実現し、持続可能な社会の構築に貢献することが期待できる。

グラント番号 JPMJNX25B1

研究課題名 革新的グリーンテクノロジー:タイ国イサーン地方におけるPM2.5の削減と再生可能エネルギー生産のためのサトウキビの葉からの耐熱域におけるバイオ・ハイタンの生産

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2025年4月~2028年3月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 今井 剛(山口大学 大学院創成科学研究科 教授)
相手側研究代表者 アリッサラ ルンセン(コンケン大学 テクノロジー学部 教授)
課題概要

本研究は、タイ東北部(イサーン地方)で廃棄されているサトウキビの葉を活用し、再生可能エネルギーであるバイオ・ハイタン(水素+メタン)の革新的発酵プロセスである耐熱域減圧メタン発酵の開発を目的とする。
具体的には、日本側は「45度付近の耐熱域メタン発酵」と「減圧メタン発酵」の基礎技術を提供する。タイ側は、サトウキビの葉の水熱処理による可溶化と、その可溶化液を使ったバイオ・ハイタン生産を「45度付近の耐熱域+減圧」発酵(ベンチスケール)で実施する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、タイ東北部の煙害(PM2.5)への対応策を提案し、農業残渣(サトウキビの葉)の再生可能エネルギー転換の道筋を示すことを目指す。本プロジェクトの実現により、脱炭素社会の達成に貢献することが期待される。

グラント番号 JPMJNX25B2

研究課題名 逆反応制御によるZスキーム光触媒の水素製造効率の劇的向上のための研究

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2025年4月~2028年3月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 加藤 英樹(東北大学 多元物質科学研究所 教授)
相手側研究代表者 ポルナパ スジャリドウォラクン(チュラロンコン大学 理学部 准教授)
課題概要

本研究は、Zスキーム型水分解光触媒システムの効率低下を引き起こす逆反応を効果的に抑制する修飾方法を開発し、反応効率の大幅な向上を実現することで、グリーン水素製造技術の発展を目指すことを目的とする。
具体的には、日本側は、逆反応を抑制するための新しい修飾方法を開発し、そのメカニズムを(光)電気化学的アプローチを用いて解明する。また、タイ側のチームは、新規修飾方法の効果を最大限に引き出すための光触媒合成法を検討し、理論計算を駆使してメカニズムの解明をサポートし、Zスキームシステムのための新しい光触媒材料を提供する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、これらの方法と材料の融合により、グリーン水素製造技術の発展に大きく貢献すると期待される。

グラント番号 JPMJNX25B3

研究課題名 プロトン伝導性金属-有機構造体を用いた中温水電解技術の開発

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2025年4月~2028年3月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 堀毛 悟史(京都大学 大学院理学研究科 教授)
相手側研究代表者 カノクワン コンパットパニック(ウィタヤシリメティー大学院大学 分子科学・工学部 助教)
課題概要

本研究は、幅広い温度で高いプロトン伝導性を示す電解質材料を用い、水素ガス生成効率を大幅に引き上げる水電解技術の開発を目的とする。
具体的には、日本側は金属と分子を組み合わせたハイブリッド電解質材料の開発を行い、タイ側チームはその材料を用いた水電解デバイスの構築と水素発生の実証および改良を行う。デバイスの作動温度は100~200度を目標として、高効率な水電解と貴金属触媒の利用量の低減を実現することを目指す。
両国の研究チームによる共同研究を通して、従来の有機高分子やセラミックスとは異なる新たな水電解技術が期待される。本研究の実施により、グリーン水素社会や低炭素社会の普及と実現に貢献することを目標とする。

グラント番号 JPMJNX25B4

研究課題名 尿素の電気化学的酸化反応を応用したグリーン水素生成の促進に向けた分光学と機械学習の統合アプローチ

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2025年4月~2028年3月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 前田 修孝(九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 准教授)
相手側研究代表者 ケウタ ジェッツリスパーブ(コンケン大学 工学部 助教)
課題概要

本研究は、水の電気分解を通じてグリーン水素の生産を促進し、燃料電池電気自動車の普及に貢献することを目的とする。
具体的には、日本側は電気化学、応用分光法、機械学習の専門知識を結集し、尿素の効率的な酸化と水素生成を促進する電極の設計と改良に取り組む。タイ側は電解槽を設計し、新規開発した触媒を用いてグリーン水素の生産効率を向上させ、その実験的検証を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通して、高効率で持続可能な水素生成技術の確立を目指す。本研究には、若手研究者の国際的な交流と育成の推進が含まれ、次世代リーダーの育成も図る。本研究により、化石燃料依存の軽減と環境に優しい燃料の生産を推進し、産業の成長と雇用創出にも寄与することが期待される。

グラント番号 JPMJNX25B5

研究課題名 糸状菌合成生物学とバイオマス資源の活用による抗感染症低分子創薬の革新

研究分野バイオものづくり
研究期間2025年10月~2028年9月
インドネシア国旗マークインドネシア
日本側研究代表者 恒松 雄太(名古屋大学 大学院生命農学研究科 准教授)
相手側研究代表者 アリフ ナルカント(BRIN 生命科学・環境研究機構 生物体系学・進化研究センター 主任研究員)
課題概要

本研究は、インドネシアの多様性ある微生物資源と日本の生合成工学基盤型天然物創薬技術を融合し、感染症に対する新規低分子リード化合物を創出することを目的としている。
具体的には、赤痢アメーバや結核などの途上国で深刻な感染症の治療に資する化合物を開発し、バナナ茎やパーム残渣(ざんさ)など、インドネシア国内で安定的に調達可能な未利用バイオマスを活用して、実用的かつ低コストな生産技術の確立に取り組む。
両国のチームによる共同研究を通して、創薬とものづくりの両面から感染症対策に貢献し、さらに両国の若手研究者による相互交流を通じて、国際共同研究を担う人材の育成と持続可能な研究基盤の構築を図ることで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも資する国際連携のモデルとなることが期待される。

グラント番号 JPMJNX25E1

研究課題名 好塩性微生物細胞工場による廃棄物系高塩バイオマス原料からの海洋ポジティブな高価値化学物質のバイオものづくり

研究分野バイオものづくり
研究期間2025年10月~2028年9月
インドネシア国旗マークインドネシア
日本側研究代表者 仲山 英樹(長崎大学 大学院総合生産科学研究科 教授)
相手側研究代表者 ファルロズィ(BRIN 農業・食品産業研究機構 淡水水産養殖研究センター センター長)
課題概要

本研究は、塩分を含む海藻加工残渣(海藻粕)を原料とした好塩菌による海洋ポジティブなバイオものづくりを目指し、アジアで大量に廃棄されている海藻粕を利用して、ブルーカーボンをアップサイクルする高価値化学物質の生産基盤を構築することを目的としている。
具体的には、日本側がエクトイン(Ect)やポリヒドロキシ酪酸(PHB)の生産能力を持つ好塩性細菌ハロモナスを用いて細胞工場の開発を行う。同時に、インドネシア側のバイオリソースからEctやPHBの生産能力が高いハロモナス属の菌株を選抜し、日本側の研究成果を応用して現地のプラットフォームとなる細胞工場の開発に取り組む。
本研究を通して、「持続可能な開発目標(SDGs)」のうち持続可能な消費と生産(SDG目標12)および海洋資源の保護(SDG目標14)の達成に貢献することが期待される。

グラント番号 JPMJNX25E2

研究課題名 アジアにおける肝がんサブタイプを反映したオルガノイドパネルの構築

研究分野バイオものづくり
研究期間2025年10月~2028年9月
インドネシア国旗マークインドネシア
日本側研究代表者 筆宝 義隆(千葉県がんセンター 研究所 研究所長)
相手側研究代表者 リリス・イスティファリ ジェニ(ガジャマダ大学 薬学部 准教授)
課題概要

本研究は、アジア地域に特有の遺伝的変異を持つ肝がんのオルガノイドパネル作成を介したアジア初の創薬基盤構築を目指す。
具体的には、日本側がまず正常マウス細胞から作成した腫瘍および患者腫瘍由来のオルガノイドを多数樹立することでサブタイプ別肝がんオルガノイドパネルを作成し、次に化合物ライブラリーのスクリーニングを行うことで、各サブタイプ特異的な薬効を示す候補化合物を同定する。一方、インドネシア側は得られた候補化合物に対してヒト肝がん細胞株による汎用性の検証および誘導体合成を並行して進め、高薬効化合物の同定を目指す。
これらの成果を統合することで、アジア肝がんオルガノイドパネルの創薬有用性を実証する。最終的には、他のがん種への応用も見据えた、包括的ながん創薬基盤構築に向けた展開が期待される。

グラント番号 JPMJNX25E3

研究課題名 植物の輸送特性を変えた輸送タンパク質の生産を通じた環境汚染対応植物の開発

研究分野バイオものづくり
研究期間2025年10月~2028年9月
インドネシア国旗マークインドネシア
日本側研究代表者 藤原 徹(東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授)
相手側研究代表者 プラティウィ プラナニンラム(BRIN 遺伝子工学研究センター 研究員)
課題概要

本研究は、世界的に深刻な問題である重金属汚染に対処するため、特にインドネシアで問題が顕在化しているカドミウムに対して、蓄積を防ぐ植物と高濃度で蓄積する植物を作出し解毒の分子基盤を解明することを目指している。
具体的には、イネおよび油料植物であるヤトロファのNRAMP5やHMA3トランスポーターの分子解析と改変を通じ、機能変換した輸送体タンパク質を植物体内で生産させる。日本側チームは主にイネを対象とした研究を行い、新たな技術をインドネシアのヤトロファ研究に応用することで、インドネシアの分子構造解析を日本側に適用し、共同研究を進める。
両国のチームによる共同研究を通して、重金属汚染地の環境修復に向けた革新的かつ持続可能な解決策を提供し、広く他地域への応用につながることが期待される。

グラント番号 JPMJNX25E4

研究課題名 持続可能なバイオ生産を目指す日本・インドネシア共同Cryo-EMイニシアティブ―生分解性プラスチック合成および汚染物質除去に関与する酵素・トランスポーターの構造基盤の解明

研究分野バイオものづくり
研究期間2025年10月~2028年9月
インドネシア国旗マークインドネシア
日本側研究代表者 吉田 昭介(奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授)
相手側研究代表者 ユディ ヌグラハ(BRIN エイクマン分子生物学研究センター Cryo-EM研究所 研究員)
課題概要

本研究は、生分解性プラスチックの生産や汚染物質のバイオレメディエーションといった地球規模課題に取り組むため、これらに関与する酵素およびトランスポーターの構造をクライオ電子顕微鏡(Cryo-EM)で解明し、さらに融合タグ技術で解析対象の拡大を図ることを目的としている。
具体的には、日本側は奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の環境微生物学研究室と構造生命科学研究室が連携し、タンパク質試料の発現・精製、3D再構成法の改良、および構造決定を主導する。インドネシア側は、最新のCryo-EM装置の運用、初期スクリーニング、データ収集を担う。
両国のチームによる共同研究を通して、Cryo-EMワークフローを最適化し、構造生物学に基づく環境問題解決技術を生み出すとともに、若手研究者を育成し、持続可能な国際共同研究体制の強化を目指す。

グラント番号 JPMJNX25E5

研究課題名 理論解析と実験的アプローチによる先進窒化物半導体HEMT材料エンジニアリング

研究分野半導体
研究期間2025年10月~2029年3月
ベトナム国旗マークベトナム
日本側研究代表者 荒木 努(立命館大学 電気電子工学科 教授)
相手側研究代表者 グエン ゴック・リン(フェニカ大学 材料科学工学部 講師)
課題概要

本研究は、ワイドバンドギャップ半導体である窒化物半導体を基盤とする高電子移動度トランジスタ(HEMT)技術の発展とHEMT材料を応用した高感度バイオセンサーの創製を目的とする。
具体的には、日本側は半導体の材料品質向上、デバイスプロセス開発、大面積ウエハー適用に取り組み、ベトナム側は先端計算手法とプロセス技術を活用し、電子移動度の向上、欠陥密度低減、効率向上に取り組む。
両国のチームによる共同研究を通して、次世代通信インフラ、自動車用パワーエレクトロニクス、無線電力伝送、バイオメディカルセンシング、省エネ型パワーエレクトロニクスへの応用基盤の確立に加え、窒化物半導体デバイス技術を元にした日ベトナム間学術・産業連携の強化と長期的な協力関係の構築を目指す。

グラント番号 JPMJNX25D1

研究課題名 シリコン薄膜トランジスタによるCFETデバイスの研究

研究分野半導体
研究期間2025年10月~2029年3月
ベトナム国旗マークベトナム
日本側研究代表者 黒木 伸一郎(広島大学 半導体産業技術研究所 教授・副所長)
相手側研究代表者 グエン ティ・トゥイ(ハノイ師範大学 物理学科 准教授)
課題概要

本研究は、高移動度シリコン薄膜トランジスタを微細化・3次元デバイス化することで、相補型電界効果トランジスタ(CFET)デバイスの実現を目指すものである。
具体的には、日本側は微細化および3次元スタック構造を持つ薄膜トランジスタの研究を行い、ベトナム側はレーザー結晶化による面方位制御多結晶シリコン薄膜の研究を行う。これらにより、高移動度シリコン薄膜トランジスタを用いたCFETデバイスの設計・試作・評価を行う。デバイス試作は日本側のスーパークリーンルームCMOS集積回路試作ラインで行う。
両国のチームによる共同研究を通して、最先端半導体技術の研究開発を推進し、設計・試作・評価といった一貫した半導体研究開発を通じた若手研究者の育成と、CFETなどの次世代デバイス技術の基盤構築を目指す。

グラント番号 JPMJNX25D2

研究課題名 エネルギーおよびセンシングデバイスのための次世代半導体薄膜技術の総合的開発

研究分野半導体
研究期間2025年10月~2029年3月
ベトナム国旗マークベトナム
日本側研究代表者 中村 雅一(奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授)
相手側研究代表者 グエン ズイ・テイエン(ベトナム国家大学ハノイ校 自然科学大学 物理学部 材料科学センター長)
課題概要

本研究は、材料・デバイス・チップの各階層において、それぞれのチームが保有するさまざまな材料に関する知識や設計・解析手法を組み合わせ、エネルギーおよびセンシング分野における新奇薄膜半導体デバイスの創出を目指すものである。
具体的には、日本側は低コストフレキシブル熱電変換素子の開発、フレキシブル光電・熱電変換複合モジュールの創出、薄膜トランジスタ型化学センサーの開発とそのマイクロ流路への統合を主導し、ベトナム側は耐久性の高いペロブスカイト太陽電池の開発、マイクロ流路化学センシングチップの開発を主導する。
両国のチームによる共同研究を通して、複数種の新奇薄膜半導体デバイスを創出するとともに、材料開発から半導体設計までの総合的かつ永続的な開発基盤の構築を目指す。

グラント番号 JPMJNX25D3

研究課題名 AI-IoMTデバイス向けマルチコアRISC-V CPU及びAIアクセラレータをベースにしたセキュアAIシステムオンチップの実装とその応用

研究分野半導体
研究期間2025年10月~2029年3月
ベトナム国旗マークベトナム
日本側研究代表者 範 公可(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授)
相手側研究代表者 レ ヅク・フン(ベトナム国家大学ホーチミン市校 自然科学大学 電子通信学部 准教授)
課題概要

本研究は、セキュアエッジデバイス向けのAIおよび高度な暗号化アクセラレータを搭載したSoC(System-on-Chip)の設計・実装を通じて、マルチコア簡易命令セットコンピューター第5版(RISC-V) CPUを有するセキュアなSoCの開発と関連アプリケーションの提供を目指すものである。
具体的には、日本側はAIシステムを組み込んだSoCの集積回路(IC)設計、製造を主導し、ベトナム側は日本側とICの設計を協力しながら、テストと検証、ICを応用するアプリケーションソフトの研究開発を担う。
両国のチームによる共同研究を通して、SoCの設計・実装・評価まで一連の研究開発プロセスを実施し、プロジェクト終了時にはSoCプロトタイプの完成と、一連の半導体設計開発プロセスを熟知した若手研究人材の輩出を目指す。

グラント番号 JPMJNX25D4

研究課題名 高性能パワーシステム向けエネルギー管理チップのためのワイドバンドギャップ半導体材料およびデバイスの研究

研究分野半導体
研究期間2025年10月~2029年3月
ベトナム国旗マークベトナム
日本側研究代表者 レ デゥック アイン(東京大学 大学院工学系研究科 准教授)
相手側研究代表者 ズオン・タン トゥン(ハノイ工科大学 材料理工学研究科 准教授)
課題概要

本研究は、次世代パワー・高性能デバイスの実現を目指し、窒化ガリウム(GaN)、β型酸化ガリウム(β-Ga₂O₃)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO₃)およびそれらのヘテロ構造の開発を進めるものである。
具体的には、日本側とベトナム側の密接な連携により、分子線エピタキシー(MBE)などの最先端結晶成長技術を活用して材料品質の向上を図るとともに、スパッタリングなどの汎用的技術を用いて低コスト化を推進する。さらに、高耐圧ダイオード、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、フレキシブルデバイスの開発を通じて、省エネルギー型直流-直流(DC-DC)コンバーターや高性能電子デバイスへの応用を展開する。
両国のチームによる共同研究を通して、次世代エレクトロニクスにおける材料革新と人材育成を実現することを目指す。

グラント番号 JPMJNX25D5