採択プロジェクト

国際共同研究

研究課題名 生物由来の前処理剤を利用した海水淡水化

研究分野水の安全保障
研究期間2025年1月~2027年12月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 奥田 哲士(龍谷大学 先端理工学部 教授)
相手側研究代表者 ラモン クリスチャン P. アウセビオ(フィリピン大学 ロスバニョス校 化学工学科 准教授)
課題概要

本研究は、島しょ地域や災害時においても水源として保証される海水の淡水化法として、逆浸透膜を基幹技術、バイオマスを原材料とした前処理方法の開発と、再生可能エネルギーを原動力とするシステムの構築を目的とする。
具体的には、日本側チームはモリンガという植物由来の凝集剤と吸着剤により目詰まりが低減でき、バイオ燃料の利用も可能な膜処理装置の開発を行う。フィリピン側チームは、もみ殻を目詰まり低減のための吸着剤の作成に利用するほか、低圧運転可能な前処理用の膜の開発への利用にも挑戦し、それらにより太陽光発電のみで運転が可能な装置の開発を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通して、電力供給の無い場所でも運転が可能で、かつ生物素材を活用した持続可能な海水淡水化システムの開発を目指す。

グラント番号 JPMJNX24A1
年次報告書 2024年度

研究課題名 極端な気候変動下における持続可能な水資源とダム管理のための相乗戦略

研究分野水の安全保障
研究期間2025年1月~2027年12月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 カントシュ サメ・アハメド(京都大学 防災研究所 教授)
相手側研究代表者 ジェフリー・ロイド バレング(イサベラ州立大学 工学部 教授)
課題概要

本研究は、これまでに開発した長時間アンサンブル降雨予測およびアンサンブル気候予測データベースを統合し、スーパー台風に伴う極大洪水の発生や長期間の無降雨に伴う異常渇水を予測する。ルソン島北部のマガットダムの運用を高度化し下流のカガヤン川流域においてウェブベースのプラットフォームを開発し、フィリピン地域社会に研究成果を実装することを目的とする。
具体的には、日本側チームはリモートセンシングデータおよび衛星画像を用いて、地球規模の気候予測の地域・流域レベルへのダウンスケーリングを通じてダム運用のシミュレーションを実施する。フィリピン側チームは、これらの成果を、水の安全保障の指標やマスタープランの策定などを含む政策立案へ反映するべく、カガヤン川流域の地方自治体を対象に検討する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、水文予測情報に基づく水資源管理の新しいガイドラインの確立を目標とする。さらに、ガイドラインを実装し、将来の気候変動に伴う極端気象の増大に対する適応策を強化する人材の開発にも力を注ぐ。

グラント番号 JPMJNX24A2
年次報告書 2024年度

研究課題名 フィリピンラグナ州の水源から飲用水にわたるペルフルオロおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)の体系的モニタリング調査

研究分野水の安全保障
研究期間2025年1月~2027年12月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 国末 達也(愛媛大学 沿岸環境科学研究センター 教授)
相手側研究代表者 アンナ カレン カラスコ・ラセルナ(デ・ラ・サール大学 中央機器施設 学術サービス教員)
課題概要

本研究は、国際社会で問題視されているペルフルオロおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)を対象に、ルソン島中部のラグナ州の水源および飲用水中の残留レベルを明らかにし、ヒト健康リスクの評価とフィリピン国内における今後のPFAS規制に有用な基礎データを提示することを目的とする。
日本側チームは、ストックホルム条約に登録されている3物質に加え、36種の新興PFASのターゲット分析を行う。フィリピン側チームは、水源となる湧水、地下水、井戸水と浄水処理後の飲用水およびボトルウォーターについて、サンプリングとPFAS分析の前処理、精製を行う。
また、両国のチームが共同でノンターゲット分析を実施し、未同定のPFAS化合物の存在と挙動も解析することで、将来的なPFASの削減・処理対策を見据えた重要な基礎データの取得を目指す。

グラント番号 JPMJNX24A3
年次報告書 2024年度

研究課題名 フィリピン・ラグナ湖における未規制汚染物質の優先順位付けに基づく水道水質管理と水生生物保護による水の安全性の強化

研究分野水の安全保障
研究期間2025年1月~2027年12月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 栗栖 太(東京大学 大学院工学系研究科 教授)
相手側研究代表者 ジャニス・B・セビリア=ナスター(フィリピン大学 ロスバニョス校 環境科学管理学部 准教授)
課題概要

本研究は、生活用水および養殖、灌漑用水の水源や、親水の場となっているラグナ湖を対象とし、フィリピンの水質管理において監視すべき有害化学物質の優先順位付けを目的とする。
具体的には、フィリピン側チームは、化学物質の輸入量などの統計データや現地企業からの情報提供に基づいて、調査すべき化学物質を検討する。日本側チームは、フィリピン側チームから得られた情報に基づき、高分解能質量分析計を用いた多物質のスクリーニング分析を行い、ヒトの健康や水生生物への影響が生じ得る有害性評価値に対し、有害化学物質が問題となる濃度で存在しているかどうか、評価を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通して、未規制汚染物質の監視および管理のための優先順位付けの方法を開発し、行政におけるモニタリング方法を提示することで、安全な水資源の管理の実現を目指す。

グラント番号 JPMJNX24A4
年次報告書 2024年度

研究課題名 フィリピンにおける水の安全保障と公衆衛生の向上を目的とした水環境中および上下水処理システムでの新興微生物の汚染評価

研究分野水の安全保障
研究期間2025年1月~2027年12月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 原本 英司(山梨大学 大学院総合研究部 教授)
相手側研究代表者 マリゴールド・ウバ(デ・ラ・サール大学 生物学科 専任上級講師)
課題概要

本研究は、フィリピンの水環境中における病原微生物と薬剤耐性菌・耐性遺伝子の汚染実態および浄水・下水処理工程での低減効果を明らかにし、水の微生物学的安全性を保障する新たな指標微生物を探索するとともに、下水疫学調査を用いた感染症の流行監視システムを構築することを目的とする。
具体的には、日本側チームは、病原微生物などの測定法の技術指導・技術移転を行うとともに、デジタルPCR法などの最先端の遺伝子検出技術を用いた測定や水系感染症リスクの評価などを実施する。フィリピン側チームは、現地での定期的な採水調査を実施し、微生物のモニタリング体制を構築する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、効率的な水の微生物学的安全性の監視システムを構築し、微生物の排出負荷および感染症リスクを低減するための方策の提案へとつなげることを目指す。

グラント番号 JPMJNX24A5
年次報告書 2024年度

研究課題名 マルチリンガル・マルチモーダルな大規模言語モデルを用いた表現豊かで共感的な人間とAIのインタラクション

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 河原 達也(京都大学 大学院情報学研究科 教授)
相手側研究代表者 ナンシー チェン(科学技術研究庁 情報通信研究機構 グループリーダー)
課題概要

本研究は、言語・文化、さらには話者の個性や感情に応じた応答を行うマルチモーダルな会話AIの開発を目標とする。
具体的には、日本側チームは感情認識、共感的応答生成、及び人間型ロボット・エージェントへの実装を行い、シンガポール側チームは多言語・多文化対応に焦点をあてて研究を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、ユーザーの個性や感情を音声や表情から読み取ることで、それに応じた感情豊かで共感的な応答の生成を行い、言語的な応答だけでなく、笑いや表情による応答も実現する。これにより、多言語でマルチモーダルな対話を行うロボット・エージェントを実現し、多言語・多文化共生社会であるシンガポールでの実証を目指す。

グラント番号 JPMJNX25C1

研究課題名 合成データ生成によるロバストな連合基盤モデル

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 佐久間 淳(東京科学大学 情報理工学院 教授)
相手側研究代表者 チンソン ウェイ(科学技術研究庁 ハイパフォーマンスコンピューティング研究所 主任研究員)
課題概要

本研究は、安全かつ効率的な基盤モデルの学習を、データを分散させたまま学習させる連合学習を通じて実現するためのフレームワークの構築を目指す。
具体的には、日本側チームは、モデル学習におけるプライバシーの問題及び分散したモデルの統合におけるセキュリティの問題に取り組み、シンガポール側チームは、信頼される基盤モデルを連合学習によって実現するための方法論開発とそのセキュリティ・プライバシー保護に取り組む。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、基盤モデルの連合学習において懸念されるセキュリティやプライバシーの問題解決が期待される。

グラント番号 JPMJNX25C2

研究課題名 マルチモーダル対応の切断:より安全で公平なマルチモーダルAIGCの構築

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 佐藤 真一(国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授)
相手側研究代表者 ジョエイ シュウ(科学技術研究庁 ハイパフォーマンスコンピューティング研究所 主任研究員)
課題概要

本研究は、マルチモーダルAIシステムの安全性、公平性、有効性を高めることを目的とする。
具体的には、日本側チームは、公平性のための属性消去による人間属性分布の適正化を通じて、AI学習における性別、人種、年齢等のバイアスを軽減した公平性の担保を狙い、シンガポール側チームは、プライバシー保護のためのファジークロスモーダル対応学習を通じて、AI学習におけるプライバシー保護の強化を狙う。また、バックボーンの機械学習フレームワークは共同で開発する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、大規模なモデル学習におけるプライバシーと公平性を同時に担保する方法論を提供し、生成AIのより広範な分野への貢献を目指す。

グラント番号 JPMJNX25C3

研究課題名 統計的に異質なエッジクラウドネットワークにおける効率的かつプライバシー保護された大規模マルチモーダルモデルの学習と推論

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 曹 洋(東京科学大学 情報理工学院 准教授)
相手側研究代表者 ウェイ ヤン ブライアン リム(南洋理工大学 コンピュータ科学・工学部 助教)
課題概要

本研究は、エッジクラウドネットワークにおいて、大規模マルチモーダルモデル(LMM)の効率的かつプライバシー保護された学習と推論の実現を目的とする。
具体的には、日本側チームは、連合学習によりプライバシー保護技術を開発し、特にメトリック差分プライバシーや信頼実行環境を使い、LMMの安全性向上を担い、シンガポール側チームは、LMMの効率的な推論のため、エッジとクラウド間データスクを動的に割り振るMisture of Experts (MoE)やRetrieval-Augumented Generation (RAG)のフレームワーク構築を実施する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、高性能かつ低遅延のAIシステムが開発され、国際的な技術進展に貢献することを目指す。

グラント番号 JPMJNX25C4

研究課題名 地震に対する安全性と持続可能性のためのAI活用:AI駆動の地震データ解析技術・地下状態可視化技術・地震ハザード監視技術の深化

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 長尾 大道(東京大学 地震研究所 准教授)
相手側研究代表者 ピン トン(南洋理工大学 数理科学研究科 准教授)
課題概要

本研究は、日本とシンガポールの緊密な国際連携に基づいて地震データ解析に関する様々なAIツールを開発・高度化し、AI駆動による地下可視化技術や地震リスク評価技術の刷新を目指すことにより、地震学の発展のみならず、地下エネルギーの利活用や持続可能性のある都市開発に貢献することを目的とする。
具体的には、日本側チームは、日本の地震観測データの整備ならびに地震発生時に最初に到来する地震波であるP波・S波を検出するためのAI技術の高度化を担当し、シンガポール側チームは、シンガポールの地震観測データの整備ならびにP波・S波よりも遅く到来する後続波を検出するAI技術の開発を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、AIによる地震発生予測技術が向上し、地震の短周期振動と長周期振動の両者に対して頑健で持続可能性のある都市開発への貢献が期待できる。

グラント番号 JPMJNX25C5

研究課題名 国際海運脱炭素化のためのAI:船舶運航統合モデルの開発

研究分野AI
研究期間2025年4月~2027年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 花岡 伸也(東京科学大学 環境・社会理工学院 教授)
相手側研究代表者 ラン ヤン(南洋理工大学 土木・環境工学研究科 助教)
課題概要

本研究は、国際海運の脱炭素化を推進する日本とシンガポール間のグリーン&デジタル海運回廊の形成に向けて、最先端のAIモデルを活用したアルゴリズムを開発し、有人・無人運航船の輸送効率と脱炭素航行を最適化する統合モデルの構築を目的とする。
具体的には、日本側チームは、気象データの収集と処理、航行アルゴリズムや燃料消費予測モデルの検証、動的航海最適化モデルと経路追従制御モデルの開発および検証を実施し、シンガポール側チームは、AISデータの処理、航行ソリューションや燃料消費予測モデルと動的航海最適化モデル、経路追従制御モデルの開発および改善を実施する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、国際海運の環境負荷を大幅に削減し、より持続可能な海運業界の未来の創造を目指す。

グラント番号 JPMJNX25C6

研究課題名 非接触給電の物理現象を加味した機械学習を用いたスマートモビリティシステムの推進

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 藤田 稔之(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 特任講師)
相手側研究代表者 イー タン(南洋理工大学 電気電子工学科 准教授)
課題概要

本研究は、スマートモビリティ向け非接触給電システムについて電磁気学や回路理論を加味した機械学習を行うことで制御性能の高速化及び電力伝送コイルの設計と性能の向上を目的とする。
具体的には、日本側チームは、AI学習を用いた制御器設計を行い、シンガポール側チームは、非接触給電コイルのAI学習を用いた多目的最適化を実施する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、非接触給電システムのさらなる発展および両国間のAI関連技術レベルの向上及び産業振興を含めた関係強化が期待される。

グラント番号 JPMJNX25C7

研究課題名 AI駆動の気候変動にレジリエントな冷房:混合モード換気のためのロバストな強化学習

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 宮田 翔平(東京大学 大学院工学系研究科 特任講師)
相手側研究代表者 エイドリアン チョン(シンガポール国立大学 建築環境学部 准教授)
課題概要

本研究は、冷房時に自然換気を最大限活用する混合モード換気(MMV)の技術開発・AIによる高度化を目的とする。
具体的には、日本側チームは、空調設備や室内環境について、物理ベースのシミュレーションとデータ駆動のニューラルネットワークを組み合わせることで高い精度と速い計算速度を兼ね備えたシミュレーションモデルを構築し、シンガポール側チームは、実験環境の提供とMMV制御のための強化学習アルゴリズム開発を、特にドメイン適応に着目して推進する。
両国の研究チームの強みを組み合わせることで、より快適・省エネルギーで、さらにスケーラブルなMMV制御の実現が期待される。同時に、冷房需要の増加が社会問題となっているASEAN諸国と密接な情報交換や実験協力を実施することで、ASEAN地域へのMMV関連の技術展開が期待される。

グラント番号 JPMJNX25C8

研究課題名 東および東南アジアにおける動的かつ持続可能な食糧計画のための大規模言語・マルチモーダルモデルの開発

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 山肩 洋子(東京大学 情報基盤センター 教授)
相手側研究代表者 タット セング チュア (シンガポール国立大学 コンピューティング学部 教授)
課題概要

本研究は、気候変動により動的に変化する食糧事情に対し、Webを介して収集した食にまつわるあらゆるデータを解析することで、人々がリアルタイムに食の状況を把握する手助けをする大規模言語モデル(LLM)および大規模マルチモーダルモデル(LMM)の開発を目的とする。
具体的には、日本側チームは、食に関するローカルニュースやSNSおよび衛星画像データ等を収集・分析すると同時に、食事記録から人々の食行動による環境影響を解析・可視化する食事管理アプリを開発し、シンガポール側チームは、日本側チームから提供されたデータを用いて食に特化したLLMおよびLMMを構築する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、東および東南アジア地域における食糧生産・流通計画を、人々がより柔軟かつ迅速に再設計できるようになることが期待される。

グラント番号 JPMJNX25C9

研究課題名 都市ヒートアイランド現象のモニタリングと緩和のための資源効率の高い基盤モデルの開発

研究分野AI
研究期間2025年4月~2028年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 横矢 直人(東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授)
相手側研究代表者 シージェン ルー(南洋理工大学 コンピュータ・データサイエンス学部 准教授)
課題概要

本研究は、都市ヒートアイランド現象のモニタリングと緩和のための革新的な基盤モデルを開発することを目的とする。
具体的には、日本側チームは、衛星画像、航空写真、気象データなどのマルチソースデータを統合し、高解像度の温度パターン推定と3Dセマンティック再構成モデルを作成し、シンガポール側チームは、地理空間データを解釈し、都市計画に対する実用的な提言を生成するための視覚質問応答と視覚的グラウンディングの技術を開発する。
両国の研究チームによる共同研究を通じて、資源効率の高いAI技術を統合し、都市の気候レジリエンスを強化するための新たなフレームワークの構築を図る。また、これにより、スマートシティ管理や環境モニタリングに必要な新しいツールや技術の成長を促進し、持続可能な都市環境実現への貢献を目指す。

グラント番号 JPMJNX25CA

研究課題名 燃料電池車のための高純度バイオ水素製造

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2025年4月~2028年3月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 稲田 幹(九州大学 大学院工学研究院/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 准教授)
相手側研究代表者 ナバドリ ラオシリポジャマ(モンクット工学大学トンブリ エネルギー環境学科 教授)
課題概要

本研究は、バイオ廃棄物を原料に用いて、バイオ光触媒によるグリーン水素の製造と、生成した水素から硫黄などの不純物を除去する水素製造技術の開発を目的とする。
具体的には、日本側は二酸化チタン(TiO2)や亜鉛部分置換酸窒化ガリウム(Ga(Zn)ON)などの無機光触媒と、ヒドロゲナーゼやニトロゲナーゼなどの酵素を組み合わせたバイオ光触媒技術の向上を図る。タイ側は、リグニンなどのバイオ廃棄物を原料として酵素を育成し、そのバイオ廃棄物を犠牲剤として水素を製造するプロセスを検討する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、高効率かつ低コストでバイオ廃棄物からグリーン水素を製造し、その水素から不純物を除去して燃料電池車に利用可能な高純度の水素を得ることを目指す。本研究により、廃棄物の処理とグリーン水素の製造を同時に実現し、持続可能な社会の構築に貢献することが期待できる。

グラント番号 JPMJNX25B1

研究課題名 革新的グリーンテクノロジー:タイ国イサーン地方におけるPM2.5の削減と再生可能エネルギー生産のためのサトウキビの葉からの耐熱域におけるバイオ・ハイタンの生産

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2025年4月~2028年3月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 今井 剛(山口大学 大学院創成科学研究科 教授)
相手側研究代表者 アリッサラ ルンセン(コンケン大学 テクノロジー学部 教授)
課題概要

本研究は、タイ東北部(イサーン地方)で廃棄されているサトウキビの葉を活用し、再生可能エネルギーであるバイオ・ハイタン(水素+メタン)の革新的発酵プロセスである耐熱域減圧メタン発酵の開発を目的とする。
具体的には、日本側は「45度付近の耐熱域メタン発酵」と「減圧メタン発酵」の基礎技術を提供する。タイ側は、サトウキビの葉の水熱処理による可溶化と、その可溶化液を使ったバイオ・ハイタン生産を「45度付近の耐熱域+減圧」発酵(ベンチスケール)で実施する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、タイ東北部の煙害(PM2.5)への対応策を提案し、農業残渣(サトウキビの葉)の再生可能エネルギー転換の道筋を示すことを目指す。本プロジェクトの実現により、脱炭素社会の達成に貢献することが期待される。

グラント番号 JPMJNX25B2

研究課題名 逆反応制御によるZスキーム光触媒の水素製造効率の劇的向上のための研究

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2025年4月~2028年3月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 加藤 英樹(東北大学 多元物質科学研究所 教授)
相手側研究代表者 ポルナパ スジャリドウォラクン(チュラロンコン大学 理学部 准教授)
課題概要

本研究は、Zスキーム型水分解光触媒システムの効率低下を引き起こす逆反応を効果的に抑制する修飾方法を開発し、反応効率の大幅な向上を実現することで、グリーン水素製造技術の発展を目指すことを目的とする。
具体的には、日本側は、逆反応を抑制するための新しい修飾方法を開発し、そのメカニズムを(光)電気化学的アプローチを用いて解明する。また、タイ側のチームは、新規修飾方法の効果を最大限に引き出すための光触媒合成法を検討し、理論計算を駆使してメカニズムの解明をサポートし、Zスキームシステムのための新しい光触媒材料を提供する。
両国の研究チームによる共同研究を通して、これらの方法と材料の融合により、グリーン水素製造技術の発展に大きく貢献すると期待される。

グラント番号 JPMJNX25B3

研究課題名 プロトン伝導性金属-有機構造体を用いた中温水電解技術の開発

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2025年4月~2028年3月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 堀毛 悟史(京都大学 大学院理学研究科 教授)
相手側研究代表者 カノクワン コンパットパニック(ウィタヤシリメティー大学院大学 分子科学・工学部 助教)
課題概要

本研究は、幅広い温度で高いプロトン伝導性を示す電解質材料を用い、水素ガス生成効率を大幅に引き上げる水電解技術の開発を目的とする。
具体的には、日本側は金属と分子を組み合わせたハイブリッド電解質材料の開発を行い、タイ側チームはその材料を用いた水電解デバイスの構築と水素発生の実証および改良を行う。デバイスの作動温度は100~200度を目標として、高効率な水電解と貴金属触媒の利用量の低減を実現することを目指す。
両国の研究チームによる共同研究を通して、従来の有機高分子やセラミックスとは異なる新たな水電解技術が期待される。本研究の実施により、グリーン水素社会や低炭素社会の普及と実現に貢献することを目標とする。

グラント番号 JPMJNX25B4

研究課題名 尿素の電気化学的酸化反応を応用したグリーン水素生成の促進に向けた分光学と機械学習の統合アプローチ

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2025年4月~2028年3月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 前田 修孝(九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 准教授)
相手側研究代表者 ケウタ ジェッツリスパーブ(コンケン大学 工学部 助教)
課題概要

本研究は、水の電気分解を通じてグリーン水素の生産を促進し、燃料電池電気自動車の普及に貢献することを目的とする。
具体的には、日本側は電気化学、応用分光法、機械学習の専門知識を結集し、尿素の効率的な酸化と水素生成を促進する電極の設計と改良に取り組む。タイ側は電解槽を設計し、新規開発した触媒を用いてグリーン水素の生産効率を向上させ、その実験的検証を行う。
両国の研究チームによる共同研究を通して、高効率で持続可能な水素生成技術の確立を目指す。本研究には、若手研究者の国際的な交流と育成の推進が含まれ、次世代リーダーの育成も図る。本研究により、化石燃料依存の軽減と環境に優しい燃料の生産を推進し、産業の成長と雇用創出にも寄与することが期待される。

グラント番号 JPMJNX25B5

研究課題名 糸状菌合成生物学とバイオマス資源の活用による抗感染症低分子創薬の革新

研究分野バイオものづくり
研究期間2025年10月~2028年9月
インドネシア国旗マークインドネシア
日本側研究代表者 恒松 雄太(名古屋大学 大学院生命農学研究科 准教授)
相手側研究代表者 アリフ ナルカント(BRIN 生命科学・環境研究機構 生物体系学・進化研究センター 主任研究員)
課題概要

本研究は、インドネシアの多様性ある微生物資源と日本の生合成工学基盤型天然物創薬技術を融合し、感染症に対する新規低分子リード化合物を創出することを目的としている。
具体的には、赤痢アメーバや結核などの途上国で深刻な感染症の治療に資する化合物を開発し、バナナ茎やパーム残渣(ざんさ)など、インドネシア国内で安定的に調達可能な未利用バイオマスを活用して、実用的かつ低コストな生産技術の確立に取り組む。
両国のチームによる共同研究を通して、創薬とものづくりの両面から感染症対策に貢献し、さらに両国の若手研究者による相互交流を通じて、国際共同研究を担う人材の育成と持続可能な研究基盤の構築を図ることで、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも資する国際連携のモデルとなることが期待される。

グラント番号 JPMJNX25E1

研究課題名 好塩性微生物細胞工場による廃棄物系高塩バイオマス原料からの海洋ポジティブな高価値化学物質のバイオものづくり

研究分野バイオものづくり
研究期間2025年10月~2028年9月
インドネシア国旗マークインドネシア
日本側研究代表者 仲山 英樹(長崎大学 大学院総合生産科学研究科 教授)
相手側研究代表者 ファルロズィ(BRIN 農業・食品産業研究機構 淡水水産養殖研究センター センター長)
課題概要

本研究は、塩分を含む海藻加工残渣(海藻粕)を原料とした好塩菌による海洋ポジティブなバイオものづくりを目指し、アジアで大量に廃棄されている海藻粕を利用して、ブルーカーボンをアップサイクルする高価値化学物質の生産基盤を構築することを目的としている。
具体的には、日本側がエクトイン(Ect)やポリヒドロキシ酪酸(PHB)の生産能力を持つ好塩性細菌ハロモナスを用いて細胞工場の開発を行う。同時に、インドネシア側のバイオリソースからEctやPHBの生産能力が高いハロモナス属の菌株を選抜し、日本側の研究成果を応用して現地のプラットフォームとなる細胞工場の開発に取り組む。
本研究を通して、「持続可能な開発目標(SDGs)」のうち持続可能な消費と生産(SDG目標12)および海洋資源の保護(SDG目標14)の達成に貢献することが期待される。

グラント番号 JPMJNX25E2

研究課題名 アジアにおける肝がんサブタイプを反映したオルガノイドパネルの構築

研究分野バイオものづくり
研究期間2025年10月~2028年9月
インドネシア国旗マークインドネシア
日本側研究代表者 筆宝 義隆(千葉県がんセンター 研究所 研究所長)
相手側研究代表者 リリス・イスティファリ ジェニ(ガジャマダ大学 薬学部 准教授)
課題概要

本研究は、アジア地域に特有の遺伝的変異を持つ肝がんのオルガノイドパネル作成を介したアジア初の創薬基盤構築を目指す。
具体的には、日本側がまず正常マウス細胞から作成した腫瘍および患者腫瘍由来のオルガノイドを多数樹立することでサブタイプ別肝がんオルガノイドパネルを作成し、次に化合物ライブラリーのスクリーニングを行うことで、各サブタイプ特異的な薬効を示す候補化合物を同定する。一方、インドネシア側は得られた候補化合物に対してヒト肝がん細胞株による汎用性の検証および誘導体合成を並行して進め、高薬効化合物の同定を目指す。
これらの成果を統合することで、アジア肝がんオルガノイドパネルの創薬有用性を実証する。最終的には、他のがん種への応用も見据えた、包括的ながん創薬基盤構築に向けた展開が期待される。

グラント番号 JPMJNX25E3

研究課題名 植物の輸送特性を変えた輸送タンパク質の生産を通じた環境汚染対応植物の開発

研究分野バイオものづくり
研究期間2025年10月~2028年9月
インドネシア国旗マークインドネシア
日本側研究代表者 藤原 徹(東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授)
相手側研究代表者 プラティウィ プラナニンラム(BRIN 遺伝子工学研究センター 研究員)
課題概要

本研究は、世界的に深刻な問題である重金属汚染に対処するため、特にインドネシアで問題が顕在化しているカドミウムに対して、蓄積を防ぐ植物と高濃度で蓄積する植物を作出し解毒の分子基盤を解明することを目指している。
具体的には、イネおよび油料植物であるヤトロファのNRAMP5やHMA3トランスポーターの分子解析と改変を通じ、機能変換した輸送体タンパク質を植物体内で生産させる。日本側チームは主にイネを対象とした研究を行い、新たな技術をインドネシアのヤトロファ研究に応用することで、インドネシアの分子構造解析を日本側に適用し、共同研究を進める。
両国のチームによる共同研究を通して、重金属汚染地の環境修復に向けた革新的かつ持続可能な解決策を提供し、広く他地域への応用につながることが期待される。

グラント番号 JPMJNX25E4

研究課題名 持続可能なバイオ生産を目指す日本・インドネシア共同Cryo-EMイニシアティブ―生分解性プラスチック合成および汚染物質除去に関与する酵素・トランスポーターの構造基盤の解明

研究分野バイオものづくり
研究期間2025年10月~2028年9月
インドネシア国旗マークインドネシア
日本側研究代表者 吉田 昭介(奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授)
相手側研究代表者 ユディ ヌグラハ(BRIN エイクマン分子生物学研究センター Cryo-EM研究所 研究員)
課題概要

本研究は、生分解性プラスチックの生産や汚染物質のバイオレメディエーションといった地球規模課題に取り組むため、これらに関与する酵素およびトランスポーターの構造をクライオ電子顕微鏡(Cryo-EM)で解明し、さらに融合タグ技術で解析対象の拡大を図ることを目的としている。
具体的には、日本側は奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の環境微生物学研究室と構造生命科学研究室が連携し、タンパク質試料の発現・精製、3D再構成法の改良、および構造決定を主導する。インドネシア側は、最新のCryo-EM装置の運用、初期スクリーニング、データ収集を担う。
両国のチームによる共同研究を通して、Cryo-EMワークフローを最適化し、構造生物学に基づく環境問題解決技術を生み出すとともに、若手研究者を育成し、持続可能な国際共同研究体制の強化を目指す。

グラント番号 JPMJNX25E5

研究課題名 理論解析と実験的アプローチによる先進窒化物半導体HEMT材料エンジニアリング

研究分野半導体
研究期間2025年10月~2029年3月
ベトナム国旗マークベトナム
日本側研究代表者 荒木 努(立命館大学 電気電子工学科 教授)
相手側研究代表者 グエン ゴック・リン(フェニカ大学 材料科学工学部 講師)
課題概要

本研究は、ワイドバンドギャップ半導体である窒化物半導体を基盤とする高電子移動度トランジスタ(HEMT)技術の発展とHEMT材料を応用した高感度バイオセンサーの創製を目的とする。
具体的には、日本側は半導体の材料品質向上、デバイスプロセス開発、大面積ウエハー適用に取り組み、ベトナム側は先端計算手法とプロセス技術を活用し、電子移動度の向上、欠陥密度低減、効率向上に取り組む。
両国のチームによる共同研究を通して、次世代通信インフラ、自動車用パワーエレクトロニクス、無線電力伝送、バイオメディカルセンシング、省エネ型パワーエレクトロニクスへの応用基盤の確立に加え、窒化物半導体デバイス技術を元にした日ベトナム間学術・産業連携の強化と長期的な協力関係の構築を目指す。

グラント番号 JPMJNX25D1

研究課題名 シリコン薄膜トランジスタによるCFETデバイスの研究

研究分野半導体
研究期間2025年10月~2029年3月
ベトナム国旗マークベトナム
日本側研究代表者 黒木 伸一郎(広島大学 半導体産業技術研究所 教授・副所長)
相手側研究代表者 グエン ティ・トゥイ(ハノイ師範大学 物理学科 准教授)
課題概要

本研究は、高移動度シリコン薄膜トランジスタを微細化・3次元デバイス化することで、相補型電界効果トランジスタ(CFET)デバイスの実現を目指すものである。
具体的には、日本側は微細化および3次元スタック構造を持つ薄膜トランジスタの研究を行い、ベトナム側はレーザー結晶化による面方位制御多結晶シリコン薄膜の研究を行う。これらにより、高移動度シリコン薄膜トランジスタを用いたCFETデバイスの設計・試作・評価を行う。デバイス試作は日本側のスーパークリーンルームCMOS集積回路試作ラインで行う。
両国のチームによる共同研究を通して、最先端半導体技術の研究開発を推進し、設計・試作・評価といった一貫した半導体研究開発を通じた若手研究者の育成と、CFETなどの次世代デバイス技術の基盤構築を目指す。

グラント番号 JPMJNX25D2

研究課題名 エネルギーおよびセンシングデバイスのための次世代半導体薄膜技術の総合的開発

研究分野半導体
研究期間2025年10月~2029年3月
ベトナム国旗マークベトナム
日本側研究代表者 中村 雅一(奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授)
相手側研究代表者 グエン ズイ・テイエン(ベトナム国家大学ハノイ校 自然科学大学 物理学部 材料科学センター長)
課題概要

本研究は、材料・デバイス・チップの各階層において、それぞれのチームが保有するさまざまな材料に関する知識や設計・解析手法を組み合わせ、エネルギーおよびセンシング分野における新奇薄膜半導体デバイスの創出を目指すものである。
具体的には、日本側は低コストフレキシブル熱電変換素子の開発、フレキシブル光電・熱電変換複合モジュールの創出、薄膜トランジスタ型化学センサーの開発とそのマイクロ流路への統合を主導し、ベトナム側は耐久性の高いペロブスカイト太陽電池の開発、マイクロ流路化学センシングチップの開発を主導する。
両国のチームによる共同研究を通して、複数種の新奇薄膜半導体デバイスを創出するとともに、材料開発から半導体設計までの総合的かつ永続的な開発基盤の構築を目指す。

グラント番号 JPMJNX25D3

研究課題名 AI-IoMTデバイス向けマルチコアRISC-V CPU及びAIアクセラレータをベースにしたセキュアAIシステムオンチップの実装とその応用

研究分野半導体
研究期間2025年10月~2029年3月
ベトナム国旗マークベトナム
日本側研究代表者 範 公可(電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授)
相手側研究代表者 レ ヅク・フン(ベトナム国家大学ホーチミン市校 自然科学大学 電子通信学部 准教授)
課題概要

本研究は、セキュアエッジデバイス向けのAIおよび高度な暗号化アクセラレータを搭載したSoC(System-on-Chip)の設計・実装を通じて、マルチコア簡易命令セットコンピューター第5版(RISC-V) CPUを有するセキュアなSoCの開発と関連アプリケーションの提供を目指すものである。
具体的には、日本側はAIシステムを組み込んだSoCの集積回路(IC)設計、製造を主導し、ベトナム側は日本側とICの設計を協力しながら、テストと検証、ICを応用するアプリケーションソフトの研究開発を担う。
両国のチームによる共同研究を通して、SoCの設計・実装・評価まで一連の研究開発プロセスを実施し、プロジェクト終了時にはSoCプロトタイプの完成と、一連の半導体設計開発プロセスを熟知した若手研究人材の輩出を目指す。

グラント番号 JPMJNX25D4

研究課題名 高性能パワーシステム向けエネルギー管理チップのためのワイドバンドギャップ半導体材料およびデバイスの研究

研究分野半導体
研究期間2025年10月~2029年3月
ベトナム国旗マークベトナム
日本側研究代表者 レ デゥック アイン(東京大学 大学院工学系研究科 准教授)
相手側研究代表者 ズオン・タン トゥン(ハノイ工科大学 材料理工学研究科 准教授)
課題概要

本研究は、次世代パワー・高性能デバイスの実現を目指し、窒化ガリウム(GaN)、β型酸化ガリウム(β-Ga₂O₃)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO₃)およびそれらのヘテロ構造の開発を進めるものである。
具体的には、日本側とベトナム側の密接な連携により、分子線エピタキシー(MBE)などの最先端結晶成長技術を活用して材料品質の向上を図るとともに、スパッタリングなどの汎用的技術を用いて低コスト化を推進する。さらに、高耐圧ダイオード、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、フレキシブルデバイスの開発を通じて、省エネルギー型直流-直流(DC-DC)コンバーターや高性能電子デバイスへの応用を展開する。
両国のチームによる共同研究を通して、次世代エレクトロニクスにおける材料革新と人材育成を実現することを目指す。

グラント番号 JPMJNX25D5

研究課題名 持続可能な電化による先住民コミュニティのエンパワーメント:マレーシア農村部向け太陽光発電・蓄電池ハイブリッドシステム

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2026年1月~2028年12月
マレーシア国旗マークマレーシア
日本側研究代表者 安芸 裕久(筑波大学 システム情報系 教授)
相手側研究代表者 ケン・スアン・フレディ タン(ノッティンガム大学マレーシア校 電気電子工学科 准教授)
課題概要

本研究は、電力アクセスがないマレーシアの先住民地域へ持続可能な電力供給を実現するための太陽電池・蓄電池複合システムの開発とそのための要素技術開発、および社会実装のための社会技術分析を目的とする。
具体的には、日本側は導入地域の日射条件や想定電力負荷などを考慮したシステム全体の設計や運用手法の開発、社会実装を考慮した社会技術分析、およびマレーシア側の要素技術開発へのサポートを行い、マレーシア側は太陽電池・蓄電池・負荷の複合変換器など、システムのハードウェアや変換器制御技術の開発を行う。
両国のチームによる共同研究を通して、両国の学生が共同でハード・ソフトの両方の観点から遠隔地への持続可能な電力アクセスの提供体験を得ることができ、その体験を通じた、国境を越えた学際的な研究スキルを有する次世代若手研究者の育成が期待される。

グラント番号 JPMJNX25F1

研究課題名 費用対効果の高い水素燃料電池技術を通じた困窮コミュニティの支援

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2026年1月~2028年12月
マレーシア国旗マークマレーシア
日本側研究代表者 犬飼 潤治(山梨大学 クリーンエネルギー研究センター 教授)
相手側研究代表者 ウェイイン ウォング(マレーシア国民大学 燃料電池研究所 准教授/プログラムコーディネーター)
課題概要

本研究は、電力網が未整備の東南アジアの遠隔地域社会向けに、手頃な価格の「持続可能なエネルギーシステム」を開発・社会実装することを目的としている。汚染物質を排出するディーゼル発電機や、熱帯条件下では寿命が短い2次電池に替わり、合金に吸蔵された水素を燃料とする小型固体高分子形燃料電池システムを開発する。
具体的には、日本側は中性子イメージングやオペランド構造解析など、材料およびシステムの高度解析を主導し、マレーシア側は熱帯気候に適した低コストの低白金触媒と安定な金属水素化物材料の開発に注力する。
両国のチームによる共同研究を通して、発電システムの貸し出しや地域社会間の水素取引といった新規ビジネスも視野に入れた、地域社会にクリーンで静かな、信頼性の高い電力の供給を目指す。

グラント番号 JPMJNX25F2

研究課題名 パーム油製造廃棄物を用いたBio-CNG製造のための発酵プロセスおよびCO2 選択吸着剤の開発

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2026年1月~2028年12月
マレーシア国旗マークマレーシア
日本側研究代表者 押木 守(北海道大学 大学院工学研究院 准教授)
相手側研究代表者 アデリン・セ・メイ チュア(マラヤ大学 化学工学科 教授)
課題概要

本研究はマレーシアのパーム油産業から排出される副産物であるパーム油廃液および空果房(くうかぼう)を有効活用し、再生可能エネルギーであるBio-CNG(バイオ圧縮天然ガス)の生産と精製を高度化することを目的とする。
具体的には、日本側は嫌気性消化プロセスの開発および運転支援に加え、微生物群集構造の解析や機械学習を活用したデータ駆動型モデリングを行い、プロセスの安定化やCO2吸着材性能の迅速かつ精密な最適化に貢献する。マレーシア側は空果房の前処理条件や発酵条件の最適化、空果房由来バイオ炭を用いたガス分離技術の開発・評価を担当する。
両国のチームによる共同研究を通して、マレーシアにおける脱炭素型エネルギー社会の実現に向けた再生エネルギー技術基盤の構築が期待される。

グラント番号 JPMJNX25F3

研究課題名 グリーンセンシング技術と持続可能なバイオガス回収によるパーム油工場排水の処理

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2026年1月~2028年12月
マレーシア国旗マークマレーシア
日本側研究代表者 小野 崇人(東北大学 大学院工学研究科 教授)
相手側研究代表者 モハマド・サブリ モハマド・ファイズル(マラヤ大学 工学部 教授)
課題概要

本研究は、パーム油ミル排水(POME)をはじめとする高含水有機廃棄物を対象として、持続可能かつ高効率なメタン発酵プロセスを構築することを目的とする。
日本側では、微細加工技術を活用した高感度・低消費電力のガスおよび環境センシングデバイスを開発し、メタン濃度、VOC(揮発性有機化合物)、温度などをリアルタイムに計測可能な多機能センサープラットフォームを実現する。 マレーシア側は実際のPOME処理現場でのセンサー実装・検証、運転条件の最適化、および収集データに基づくAI制御系の構築を担う。
両国の強みを結集した共同研究により、発酵プロセスの高度化と自動化、運転負荷の大幅な低減、排水の水質改善、メタン回収率の向上が期待される。最終的には、東南アジアの気候・産業条件に適した循環型バイオ資源利用システムの確立に寄与し、地域の脱炭素化と持続可能な資源管理に貢献することを目指す。

グラント番号 JPMJNX25F4

研究課題名 光ファイバセンシング、ドローン監視、3D可視化を統合した次世代太陽光発電モニタリング

研究分野グリーンテクノロジー
研究期間2026年1月~2028年12月
マレーシア国旗マークマレーシア
日本側研究代表者 田中 洋介(東京農工大学 大学院工学研究院 教授)
相手側研究代表者 モハマド・サイフル・ズルケフリ ザン(マレーシア国民大学 工学・建造環境学部 准教授)
課題概要

本研究は、マレーシアの大規模太陽光発電施設用に、分布型光ファイバ温度センサー、赤外線ドローン、3D可視化技術を統合した遠隔温度監視・制御システムを実現し、安全で効率的な発電を目指す。
具体的には、日本側は高速高分解能な分布型光ファイバセンサーと3D可視化技術を研究し、遠隔監視システムを構築する。マレーシア側は赤外線ドローンと分布型光ファイバセンサーによる、温度監視と両データの統合を検討する。両国の研究チームは最終的に、現地施設におけるセンサー設置と統合運用、制御に関する検討と実証実験を行う。
両国のチームによる共同研究を通して、熱帯地域に適した太陽光発電の安全管理技術の確立と再生可能エネルギー推進への貢献が期待される。また、若手研究者の交流を通じて、次世代の研究者、技術者育成にも寄与する。

グラント番号 JPMJNX25F5

研究課題名 希土類磁石に基づく量子ネットワーク用メモリー

研究分野量子
研究期間2026年4月~2029年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 岩原 直也(千葉大学 大学院工学研究院 助教)
相手側研究代表者 ジャンルイ スー(科学技術研究庁 量子イノベーションセンター 上級研究員)
課題概要

本研究は、光量子と超伝導量子ビット間の変換器および量子メモリー機能を備えたハイブリッド量子デバイスの開発を目的とするものである。
日本側は、Er(エルビウム)を添加したGd(ガドリニウム)化合物の光学特性と磁性の微視的理解、マグノンとErの相互作用の決定、さらにマイクロ波を用いたErの量子状態制御のための理論開発を行い、シンガポール側は、化合物の分光データ測定、Erメモリーのコヒーレンス時間評価、マイクロ波によるErの量子状態操作の実験を行う。
両国チームによる共同研究を通して、現在のベンチマークを超える性能を持つErベースの量子デバイスの実現を目指す。

グラント番号 JPMJNX26C1

研究課題名 未知量子状態からの完全な量子もつれ抽出:学習理論からのアプローチ

研究分野量子
研究期間2026年4月~2029年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 髙木 隆司(東京大学 大学院総合文化研究科 准教授)
相手側研究代表者 ミレ グ(南洋理工大学 数理科学科 准教授)
課題概要

本研究は、量子状態の情報が未知である現実的な制約下で、質の高い量子もつれ状態を得るための「量子もつれ蒸留」が適応できる手法の開発を目的とするものである。
具体的には、日本側は、量子リソース理論および対称性に基づく状態非依存の量子もつれ蒸留法の開発を行い、シンガポール側は、学習理論に基づくメモリー効率に優れた蒸留手法の考案を行う。
両国チームによる共同研究を通して、現実的な状況における高精度な量子もつれ状態の生成を可能にし、量子鍵配送、分散型量子計算、量子インターネットを含む次世代量子技術の飛躍的な進展を目指す。

グラント番号 JPMJNX26C2

研究課題名 高配向単結晶金量子ドットを用いた革新的なキラル量子光学センサーの開発

研究分野量子
研究期間2026年4月~2029年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 高橋 有紀子(物質・材料研究機構 磁性・スピントロニクス材料研究センター センター長)
相手側研究代表者 アンドリヴォ ルシディ(シンガポール国立大学 相関電子系先端研究イニシアティブ ディレクター/准教授)
課題概要

本研究は、高配向単結晶金量子ドットチップにFePt(鉄白金)薄膜を積層しスピン感度を高めることで、分子レベルのキラリティを非破壊的に検出可能な量子光センサーの実現を目的とするものである。
具体的には、日本側は、シンガポールチームから提供される高配向単結晶金量子ドットチップにFePtグラニュラー薄膜を積層し、微細構造観察や磁気特性の測定を担当する。シンガポール側は、チップの作製と日本側が仕上げた試料を用いた分子キラリティの測定を実施する。
両国チームによる共同研究を通して、量子光学とスピントロニクスを融合した高感度キラリティセンシング技術を確立し、医薬品や機能性材料分野での産業応用に加え、学術的知見の深化と将来的な社会実装への貢献を目指す。

グラント番号 JPMJNX26C3

研究課題名 ロンドン効果を用いた精密ナビゲーションと量子センシングのための浮遊量子ローター

研究分野量子
研究期間2026年4月~2029年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 トゥワムリー ジェイソン(沖縄科学技術大学院大学 量子物理科 教授)
相手側研究代表者 シェンフォン チン(科学技術研究庁 量子イノベーションセンター 研究員)
課題概要

本研究は、超精密航法に用いる浮上ジャイロスコープの開発を目的とするものである。
具体的に両チームは、まず室温で動作する浮上ジャイロスコープを開発し、能動制御によって高速回転まで駆動させる。シンガポール側は主に、浮上ジャイロスコープを高速回転させる電気駆動装置を開発し、日本側は、浮上ジャイロスコープと駆動装置を低温冷凍機に移送し、電気駆動装置を用いて真空中でジャイロスコープを高速回転させる仕組みを構築する。開発する量子限界のSQUID(超伝導量子干渉計)を用いたジャイロスコープ回転速度の高精度計測技術は、従来の機械式ジャイロスコープとは異なり、摩擦や熱雑音の影響を強く受けないため、性能と計測精度が大幅に向上することが期待される。
両国チームによる共同研究を通して、提案する低温浮上ジャイロスコープを次世代量子センサーとして開発し、より高精度な航法と測位の実現を目指す。

グラント番号 JPMJNX26C4

研究課題名 力学系のモデル化と予測のための量子リザバー計算

研究分野量子
研究期間2026年4月~2029年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 中嶋 浩平(東京大学 大学院情報理工学系研究科 准教授)
相手側研究代表者 フアン・パブロ オルテガ(南洋理工大学 物理数学科学部 教授)
課題概要

本研究は、量子リザバー計算(QRC)の理論的基盤を確立し、時系列学習における量子的優位性の実現を目的とするものである。
具体的には、日本側は、リザバー計算の力学系的解析を行い、シンガポール側は、QRCの理論を万能近似性の観点から解析する。さらに両国にて、量子情報理論、力学系理論、統計学習理論を統合し、「非定常エコーステート性」や「動的量子カーネル」を活用して、学習性能や汎化(はんか)能力の理論的理解とアルゴリズム設計を進める。
両国チームによる共同研究を通して、実世界の複雑な学習課題に対応可能なQRCの最適化を図る包括的な枠組みを構築し、量子機械学習における新たな理論的基盤の確立を目指す。

グラント番号 JPMJNX26C5

研究課題名 量子計算が拓くAI/AIによって拓く量子計算

研究分野量子
研究期間2026年4月~2029年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 御手洗 光祐(大阪大学 量子情報・量子生命研究センター 准教授)
相手側研究代表者 ユーシュエン ドゥ(南洋理工大学 コンピューティング・データサイエンス学部/物理・数理科学部 助教)
課題概要

本研究は、量子計算とAIの融合により、量子特徴量を活用した実用的かつ理論的に裏付けされた量子AI技術の開発を目的とするものである。
具体的には、両国の研究チームが協力し、量子特徴量に基づく新しい機械学習フレームワークの構築と、大規模言語モデル(LLM)を活用した量子計算アルゴリズム設計の自動化を推進する。
両国チームによる共同研究を通して、量子化学や物質科学などの分野における実用的な量子機械学習の実現を加速し、量子技術導入の障壁を大幅に低減する。ひいては、国際的な量子技術コミュニティの発展に貢献し、日本・シンガポール両国が量子AI分野の国際的リーダーとしての地位を確立することを目指す。

グラント番号 JPMJNX26C6

研究課題名 先進的な防振技術による巨視的量子系の実現

研究分野量子
研究期間2026年4月~2029年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 道村 唯太(東京大学 大学院理学系研究科 准教授)
相手側研究代表者 タオ ワン(科学技術研究庁 量子イノベーションセンター 上級研究員)
課題概要

本研究は、量子計測や基礎物理実験において問題となるさまざまな雑音を低減するための先進的な防振技術を開発し、巨視的量子系の実現を目指すものである。
具体的には、日本側は、重力波検出で培った技術を活用した防振系の開発や光学浮上鏡の実現、懸架鏡を用いた量子計測実験に取り組む。シンガポール側は、超伝導磁気浮上させた微粒子の精密制御やスピン計測技術の開発を行う。
両国のチームによる共同研究を通して、光学浮上と磁気浮上の技術を融合し、さまざまな振動雑音や熱雑音の低減を図る。これにより、量子基底状態の実現と高精度な量子センシングを可能にし、重力の量子性検証やダークマター探索といった基礎物理実験だけでなく、高感度な重力計、磁気センサー、慣性センサーといった計測機器の開発へとつなげることを目指す。

グラント番号 JPMJNX26C7

研究課題名 モアレメタ表面とダイヤモンド中窒素一空孔中心を統合した光検出磁気共鳴

研究分野量子
研究期間2026年4月~2029年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 村井 俊介(大阪公立大学 大学院工学研究科 講師)
相手側研究代表者 ジャオガン ドン(シンガポール工科デザイン大学 科学・数学・工学部 准教授)
課題概要

本研究は、モアレメタ表面とダイヤモンド中の窒素-空孔(NV)中心を統合した量子センシングのための光検出磁気共鳴(ODMR)の感度とスピン-光子相互作用を向上させ、光共鳴波長や閉じ込め効率の調整可能なモアレメタ表面の作製や、NV発光とODMRコントラストの増強の実証、そしてチップスケール量子センサーのプロトタイプの実現を目的とするものである。
具体的には、両チームにてモアレメタ表面を設計し、日本側は、ナノ加工プロセスによるモアレメタ表面の作製を行い、シンガポール側は、試料を用いた光検出磁気共鳴測定を担当する。
両国チームによる共同研究を通して、高効率かつ小型の量子磁場センシングを実現し、室温で高解像度かつ非侵襲的に弱磁場を検出できるチップスケール量子センサーの医療・材料評価・通信技術などへの応用を目指す。

グラント番号 JPMJNX26C8

研究課題名 開放量子系の量子学習

研究分野量子
研究期間2026年4月~2029年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 村尾 美緒(東京大学 大学院理学系研究科 教授)
相手側研究代表者 カヴァン モディ(シンガポール工科デザイン大学 科学・数学・工学部 教授)
課題概要

本研究は、量子コンピューターを用いて開放量子系を解析し、従来手法では困難であった効率的な量子学習を実現することを目的とする。
具体的には、日本側は、高階量子演算や量子特異値変換などの手法を活用し、フォールトトレラント量子計算(FTQC)に適した量子学習アルゴリズムの開発を行う。シンガポール側は、ノイズあり中規模量子(NISQ)デバイスに適した量子学習アルゴリズムの設計と、テンソルネットワークを用いた古典シミュレーションによる検証および解析を担当する。
両国チームによる共同研究を通して、FTQCとNISQの双方から同一の対象にアプローチし、両者をシームレスにつなぐ新たな理論と手法の確立を目指すとともに、次世代の量子技術の発展を担う国際的な人材基盤の強化にも貢献する。

グラント番号 JPMJNX26C9

研究課題名 高次元光トポロジーで可能にする超堅牢な量子情報

研究分野量子
研究期間2026年4月~2029年3月
シンガポール国旗マークシンガポール
日本側研究代表者 林 文博(東京科学大学 総合研究院 助教)
相手側研究代表者 イージェイ シン(南洋理工大学 物理数理科学部 助教)
課題概要

本研究は、安定かつ高速な光量子通信を実現するため、外乱により壊れやすい量子状態を、スキルミオンやホプフィオンといったトポロジカル構造で保護する、集積フォトニクス技術基盤の構築を目的とするものである。
具体的には、日本側は、トポロジカルフォトニクスに関する知見と高度な微細加工・ハイブリッド集積技術を駆使し、オンチップで光子のトポロジーを制御する素子の開発を行う。一方、シンガポール側は、空間光学系の知見を活用して光量子ホプフィオンなど新たなトポロジカル光量子状態の開拓を行い、日本側へフィードバックする。
両国チームによる共同研究を通して、高度なトポロジーを具現化し、チップ上に集積することで、トポロジーを活用した量子情報保護のための強力な基盤技術を確立することを目指す。

グラント番号 JPMJNX26CA

研究課題名 スマート海藻養殖で築くレジリエントな未来の寒天産業

研究分野スマート農業
研究期間2026年4月~2029年3月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 宇治 利樹(北海道大学 大学院水産科学研究院 准教授)
相手側研究代表者 ヴィクター・マルコ・エマニュエル フェリオルス(フィリピン大学ビサヤ校 水産海洋学部 准教授)
課題概要

本研究は、寒天海藻の遺伝的改良とスマート養殖技術の融合により、高品質寒天の安定供給と持続可能でレジリエントな海藻産業の構築を目的とする。
寒天は寒天海藻から得られる多糖類で、食品や医療などに利用される。日本では高品質寒天への需要が供給を大きく上回り、産業維持のため寒天海藻が必要とされている一方、フィリピンでは寒天品質の低さなどから養殖が広まっていない。この課題解決のため、日本側チームはゲノム編集などの育種技術により優れた特性を持つ寒天海藻の系統を開発し、フィリピン側チームは環境データなどを活用したスマート海藻養殖システムを設計・運用する。さらに両国は機械学習による寒天海藻の最適栽培条件の探索や収穫後処理の改善に取り組む。
両国のチームによる共同研究を通して、寒天品質向上と寒天生産量の安定化が期待され、両国の海藻産業の持続的発展に貢献する。

グラント番号 JPMJNX26A1

研究課題名 スマート農業と再生可能エネルギー管理の統合:フィリピンの稲作ランドスケープにおけるAWD主導型炭素貯留と太陽光発電の最適化

研究分野スマート農業
研究期間2026年4月~2029年3月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 竹内 渉(東京大学 生産技術研究所 教授)
相手側研究代表者 ジャーク プリンシペ(フィリピン大学ディリマン校 応用測地学・写真測量学研究センター 教授)
課題概要

本研究は、節水型灌漑(かんがい)技術AWD(Alternate Wetting and Drying:間断灌漑)、土壌炭素蓄積、および太陽光発電を統合した「スマート農業システム」を開発・実証し、両国において気候変動に強靭(じん)な持続可能農業を実現することを目的とする。
具体的には、日本側チームがIoT・AIを活用したスマートAWDシステムの構築と衛星データによるメタン削減量の広域評価を担い、フィリピン側チームはGIS(Geographic Information System:地理情報システム)と気候データを用いた太陽光発電設備の最適配置評価を行う。
両国の知見を融合することで、水・炭素・エネルギーを統合的に管理する意思決定支援ツールを構築し、農業・環境・エネルギー政策への具体的な提言を目指す。

グラント番号 JPMJNX26A2

研究課題名 ラグナ州サンタクルス川流域におけるアグロフォレストリーと稲魚農業を組み込んだスマートレジリエント農業モデル

研究分野スマート農業
研究期間2026年4月~2029年3月
フィリピン国旗マークフィリピン
日本側研究代表者 本間 香貴(東北大学 大学院農学研究科 教授)
相手側研究代表者 ロジャー・ジュニア ルユン(フィリピン大学ロスバニョス校 農業生物システム工学研究所 教授)
課題概要

本研究は、ラグナ州サンタクルス川流域において、アグロフォレストリーと稲魚農業(とうぎょのうぎょう、フィリピン語で「パレイ・イスダーン」)を組み合わせた、気候対応型の統合農業モデルの開発と実証を目指す。
具体的には、日本側チームは統合モデルの開発やセンサー技術の導入、データ解析・意思決定支援ツールの構築を担当し、フィリピン側チームは現地調査やパイロットサイトの設置、農業実証・モニタリング、政策提言や地域展開を担う。対象流域は多様な農業生態学的条件を有しており、そこに空間モデリングやリアルタイムモニタリングなどを含む連携システムを構築することで、気候変動下における持続可能で回復力のある農業戦略を提示する。
両国のチームによる共同研究を通して、フィリピンと日本の研究チーム間の有意義な連携を促進し、さらに農村コミュニティーの長期的な持続可能性に貢献する。

グラント番号 JPMJNX26A3

研究課題名 次世代型グリーンナノ農薬:ナノバイオテクノロジーとマルチオミクス統合による微生物群集制御とイネ白葉枯病対策

研究分野バイオテクノロジー
研究期間2026年7月~2029年6月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 ウタダ アンドリュー(筑波大学 生命環境系 准教授)
相手側研究代表者 ウッティポン マカハム(コンケン大学 理学部 生物学科  助教)
課題概要

本研究は、次世代型グリーンナノ農薬を開発し、イネ白葉枯病を持続的に防除することを目的とする。
具体的には、日本側チームがオミクス解析、マイクロ流体デバイス、イメージング、バイオインフォマティクス解析を行い、タイ側チームが植物由来ナノ農薬の合成と病害防除・土壌微生物解析を担う。
両国チームによる共同研究を通して、免疫応答や土壌微生物動態の機構解明、環境負荷の低い新規ナノ農薬プロトタイプの創出、国際的研究人材の育成が期待される。

グラント番号 JPMJNX26B1

研究課題名 共生微生物の制御によるVigna属マメ科作物の温室効果ガス削減型栽培システムの確立

研究分野バイオテクノロジー
研究期間2026年7月~2029年6月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 岡崎 伸(東京農工大学 大学院農学研究院 教授)
相手側研究代表者 ヌン トゥムルン(スラナリー工科大学 農業工学研究科 教授)
課題概要

本研究は、Vigna属マメ科作物に、窒素固定力と亜酸化窒素(N₂O)削減力の高い根粒菌を優先的に共生させる技術の開発を目的とする。
具体的には、日本側チームは植物遺伝学、分子微生物学、情報科学解析を行い、タイ側チームはVigna属マメ科植物と共生根粒菌の遺伝資源解析や育種技術を提供する。
両国チームによる共同研究を通して、(1)タイ主要リョクトウ品種の根粒菌選抜遺伝子(Rj)型の決定、(2)Rj型による根粒菌排除の分子機構解明、(3)高窒素固定能かつ高N₂O削減能を持つエリート根粒菌の選抜、(4)Rj型集積リョクトウ系統の育種、および(5)Rj型集積リョクトウとエリート根粒菌を用いた実証試験を行う。以上により化学窒素施肥とN₂O発生を削減したVigna属マメ科作物栽培システムを世界で初めて実現する。

グラント番号 JPMJNX26B2

研究課題名 変革をもたらすグライコミクス:微生物生態系の解読と制御

研究分野バイオテクノロジー
研究期間2026年7月~2029年6月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 舘野 浩章(産業技術総合研究所 細胞分子工学研究部門 研究グループ付)
相手側研究代表者 ディーンペン ヤプラン(国立ナノテクノロジーセンター 応答性材料・ナノセンサー研究グループ 主席研究員)
課題概要

本研究は、微生物群集を構成する個々の微生物のグライコーム情報を取得する技術の開発を目的とする。さらに、ナノポアシーケンサーと機械学習を組み合わせることで、腸内に存在する多糖を1分子レベルで解析する技術を確立する。これらの技術を活用して疾患モデルマウスの腸内微生物叢を解析する。得られたデータを基盤として糖鎖合成制御剤により腸内グライコームを改変することで、微生物群集の組成と機能を再設計し、疾患を制御する新たなコンセプトを提唱する。
日本側チームは微生物グライコーム情報の取得および疾患制御技術の開発を担い、タイ側チームは腸内多糖の分析技術を担当する。
両国チームによる共同研究を通して、腸内グライコームの制御による疾患の治療・予防に資する新たな可能性を切りひらく。

グラント番号 JPMJNX26B3

研究課題名 バイオマス廃棄物を多炭素源酵母プラットフォームで航空燃料へ転換するバイオリファイナリープロセスの開発

研究分野バイオテクノロジー
研究期間2026年7月~2029年6月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 中田 栄司(京都大学 エネルギー理工学研究所 教授)
相手側研究代表者 ワラワット チャンプレダ(国立遺伝子生命工学研究センター バイオリファイナリー・バイオプロダクト技術研究グループ 主席研究員)
課題概要

本研究は、農業残渣から持続可能航空燃料(SAF)の前駆体であるファルネセンを低コストで生産するバイオリファイナリー技術の開発を目的とする。
具体的には、日本側チームはグルコース、キシロース、グリセロール、酢酸を共利用できる多炭素源酵母を設計・改良し、タイ側チームは稲わらやバガスに対する先進的前処理技術を適用して発酵可能糖とリグニン副産物を効率的に得る。
両国チームによる共同研究を通して、50リットル規模でのファルネセン生産(1リットルあたり50-80グラム)の実証とリグニンの高付加価値化を行う。さらに、合成生物学、精密発酵、AI設計、経済性・カーボンフットプリント解析を組み合わせ、次世代ASEAN型バイオリファイナリーモデルを構築し、脱炭素化とBCG経済への貢献を目指す。

グラント番号 JPMJNX26B4

研究課題名 エビ養殖のバイオサーベイランスを実現する、優良細菌叢そうの設計図構築

研究分野バイオテクノロジー
研究期間2026年7月~2029年6月
タイ国旗マークタイ
日本側研究代表者 廣野 育生(東京海洋大学 学術研究院 教授)
相手側研究代表者 クンラヤ ソンブーンウィワット(チュラロンコン大学 理学部 生化学科 教授)
課題概要

本研究は、タイのエビ養殖における「水づくり」の科学的基盤を構築し、優良な微生物群集の保存・活用技術を確立するとともに、タイ側が有する既存の有用微生物技術の有効性を科学的に検証し、養殖産業の安定化を図ることを目的とする。
具体的には、日本側チームは次世代シーケンサーを用いたゲノム解析(ショットガンメタゲノム解析、1細胞ゲノム解析、細菌叢解析)と微生物の凍結保存技術開発を主導し、タイ側チームは養殖現場でのサンプル採取と日本側が主に実施する技術の有効性検証を主導する。
両国チームによる共同研究を通して、養殖池の優良細菌叢が主となる生態系を科学的に管理する新技術の創出と、両国を持続的に繋ぐ次世代の研究者の育成並びに強固なネットワーク構築が期待される。

グラント番号 JPMJNX26B5