実験と理論・計算・データ科学を融合した材料開発の革新

戦略目標

「実験とデータ科学等の融合による革新的材料開発手法の構築」

研究総括

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細野 秀雄 (東京工業大学 科学技術創成研究院 教授)

概要

 本研究領域では、これまで実施されてきた物質・材料開発の基本となる実験科学と、理論、計算、データ科学とを融合させることにより、革新的材料開発へとつながる手法の構築を目指します。具体的には、高い社会的ニーズがあるものの、未だ達成されていない材料や機能をターゲットにして、その実現に向けた研究を新しい体制で行うことで、これまで世界をリードしてきた日本の材料研究の新しいスタイルを提示します。物質科学にとどまらず、実材料への展開に不可欠な複雑系にも踏み込んだ研究を対象とします。
 体制として、材料に関する実験系を軸に、理論系、計算系、データ系研究者でチームを構成し、密に連携しながら研究を推進します。
 これらを通じて、革新的な新規材料開発手法を提示し、我が国の産業競争力の向上に貢献します。

平成29年度募集・選考・研究領域運営にあたっての研究総括の方針

1. 背景
 材料の研究開発はインフォマティクス技術や計算機シミュレーションなどの進歩により革新時期を迎えており、これらの手法を駆使することで新規物質の探索では高速化の面でいくつもの成果が得られています。一方、物質合成や材料組織制御等の材料プロセスにおいては、実在物質の挙動を表現する理論やモデリングツール等が不足し、革新の妨げとなっています。
 国外の動向ではMaterials Genome Initiativeで先行している米国が2011年からの5年間に500百万ドルの投資を行い、欧州でも、ドイツ、スイス、スペイン等が様々なプロジェクトを推進しています。中国においては上海大学内にShanghai Materials Genome Instituteが設立されるなど、各国それぞれ人材育成や研究等、様々なフェーズで取組を推進している状況です。
 一方、我が国は材料に適した物質合成分野や材料組織の制御により目的の材料を試作・製造するプロセス分野において、際立った業績を有する研究者を数多く輩出する等、国際的に上位に位置しており、特に実験系材料研究に強みがあります。しかし、各国の研究開発投資額や研究人材が増大する中、研究開発手法自体を革新しないと、今後、我が国の研究が国際的な優位性を保持することが難しくなりつつあります。
 これからも世界をリードする革新的な材料を生み出していくためには、日本の特徴である実験系研究の強みを生かし、開発スピードをアップさせる必要があり、急速な計算機の性能向上やインフォマティクス技術の進歩を有機的に取りこんで、我が国ならではの新規材料開発手法の構築を行うことが急務です。

 

2.募集・選考の方針
 本研究領域では、実験科学と、理論科学・計算科学・データ科学とを融合・連携することで、新規材料の開発研究を推進します。材料系、プロセスは限定せず、無機系、有機系、金属系、機能材料、構造材料、など幅広い分野を対象としますが、材料(モノ)を生み出せる研究提案であることを求めます。
 伝統的な実験科学的手法にプラスして、物性理論の裏付けのある革新的な計算科学的手法、データ科学的手法を用いた提案を積極的に評価します。理論計算とは、第一原理計算、数値シミュレーションなどで、データ科学とは、機械学習、ベイズ推定、スパースモデリング、データマイニング等が代表的ですが、既存の手法の改良だけでなく、独自の新たな手法の開発も大いに推奨します。
 実験科学との連携にて用いる物性理論、計算科学的手法、データ科学手法などについては、詳細に提案書に明記した上で、連携を実施するチーム体制の独自性と強みについても解説ください。これまでの材料研究の体制とは一味も二味も違う、これからの材料研究のフロンティアを開拓するにふさわしいチームの編成を歓迎します。
 研究チームの代表者が実験系研究者である必要はありませんが、研究のアウトプットは、「材料」であることが肝ですので、実験系研究者との連携は提案時から必須とします。
 本研究領域ではこれまでに無い新しい材料開発手法を求めておりますので、オンリーワンの材料の開発が推進できる気鋭の研究者の挑戦を大いに歓迎します。

 

3.研究領域の運営方針
 本研究領域に参画する研究者は、研究総括の指示により、以下の参加条件を課します。
 1)研究体制や研究計画を柔軟に見直すこと
 2)研究領域内外の研究者や技術者等と連携を行うこと
 3)若手研究人材育成の促進を行うこと
 4)中間評価後には産業界との連携を必須とする

 

1)研究体制や研究計画の柔軟な見直し
 提案された研究体制の強化が必要であると認められた場合や、自ら提案されているものと異なる手法や材料と融合をすることが有用であると認められる場合には、研究総括の指示により、研究計画の変更を実施しますので、共同研究の推進やチーム構成の見直しをお願いします。

 

2)研究領域内外における連携
 本研究領域に参画する研究者には、材料(モノ)を生み出すほか、融合連携の手法・効果も広く波及することが求められます。そのために、研究領域内外の研究者や技術者等との連携促進のために協力をお願いする場合があります。

 

3)若手研究人材育成への取り組み
 本研究領域に参加する研究員・技術員・学生などは、融合連携を通じて、実験科学と最新の理論科学・計算科学・データ科学の双方に精通し、革新的物質・材料開発を推進できる研究人材になることが期待できます。そのため、本研究領域では、研究開発の手法を変革し、将来に渡って日本の科学技術を支えうる人材を輩出することを強く打ち出していきます。

 

 また、研究の進展に応じて、JSTさきがけ「理論・実験・計算科学とデータ科学が連携・融合した先進的マテリアルズインフォマティクスのための基盤技術の構築」「計測技術と高度情報処理の融合によるインテリジェント計測・解析手法の開発と応用」や文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム、「情報統合型物質・材料開発イニシアティブ」、SIP「革新的構造材料」などと連携や協働を促進します。

 

4.研究費
 本研究領域では、当初研究費は、CRESTは総額3億円(間接経費を除く)を上限とします。

領域アドバイザー

石田 清仁 東北大学 名誉教授
伊藤 耕三 内閣府 革新的研究開発推進プログラム プログラム・マネージャー
東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
稲垣 伸二 (株)豊田中央研究所 シニアフェロー/稲垣特別研究室 室長
楠 美智子 名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授
高田 昌樹 東北大学 多元物質科学研究所 教授
津田 宏治 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 教授
寺倉 清之 物質・材料研究機構 情報統合型物質・材料研究拠点
エグゼクティブアドバイザー
時任 静士 山形大学 大学院有機材料システム研究科 卓越研究教授/
有機エレクトロニクス研究センター長
中川 淳一 新日鐵住金(株)技術開発本部 先端技術研究所 数理科学研究部
上席主幹研究員
山口 周 東京大学 大学院工学系研究科 教授
山崎 聡 産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター 招聘研究員
吉田 博 東京大学 大学院工学系研究科 スピントロニクス学術連携研究教育センター
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