Society5.0を支える革新的コンピューティング技術

1.研究領域の概要

 私たちの社会は、情報技術があらゆるところに浸透した超スマート社会(Society5.0)に変貌を遂げようとしています。超スマート社会の情報インフラは、巨大なクラウド群と無数のエッジから成ると考えられます。多くの場合、エッジにはセンサやアクチュエータがあり、これらを制御する超小型高性能コンピュータとネットワークインタフェースが備えられています。クラウドは、物理的に分散された多数のサーバとなりますが、論理的にはさまざまなサービスの総体として抽象化されることになると考えます。
 このためエッジ、クラウドのいずれにおいても、大量かつ多様なデータを扱うことになるため従来の情報処理技術の高度化などに加えて、人工知能(深層学習など)、量子計算、光計算などがキーテクノロジーとなります。現実の諸問題に一定の時間内で回答するリアルタイム技術も、多様化する社会のニーズに答えるべく高度化する必要があります。その上で、これらを統合し、システムとして高効率・省エネルギーで機能させるための新しい回路技術、アーキテクチャ技術、ソフトウェア技術が必要となります。
 本研究領域は、こうした近未来の超スマート社会を念頭に、従来技術の単純な延長では得られない新しいコンピューティング技術を研究開発することを目標とします。具体的には、以下の研究開発に取り組みます。
(1)情報処理を質的に大転換させる新たなコンピューティング技術の創出
(2)アルゴリズム、アーキテクチャ等の技術レイヤーを連携・協調させた高効率コンピューティング技術の研究開発

 これらの研究開発により、高度な情報処理を活用したスマートロボット、スマート工場、自動運転、IoT、セキュリティ強化などによる超スマート社会(Society5.0)の実現に貢献します。

2.中間評価の概要

2-1.評価の目的、方法、評価項目及び基準

戦略的創造研究推進事業・CRESTにおける中間評価の目的、方法、評価項目及び基準に沿って実施した。

2-2.評価対象研究代表者及び研究課題

2018年度採択研究課題

(1)近藤 正章(慶應義塾大学 理工学部 教授)

エッジでの高効率なデータ解析を実現するグラフ計算基盤

(2)鈴木 秀幸(大阪大学 大学院情報科学研究科 教授)

光ニューラルネットワークの時空間ダイナミクスに基づく計算基盤技術

(3)本村 真人(東京工業大学 科学技術創成研究院 教授)

学習/数理モデルに基づく時空間展開型アーキテクチャの創出と応用

2-3.中間評価会の実施時期

2021年11月28日(日曜日)

2-4.評価者

研究総括
坂井 修一 東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授
領域アドバイザー
井上 美智子 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科 教授
清水 徹 東洋大学 情報連携学部 教授
住元 真司 富士通(株) 次世代TC開発本部 シニアアーキテクト
谷 誠一郎 日本電信電話(株) NTTコミュニケーション科学基礎研究所 特別研究員
千葉 滋 東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授
中川 八穂子 株式会社日立製作所 研究開発グループデジタルテクノロジーイノベーションセンタ シニアプロジェクトマネージャ
西 直樹 (株)理研鼎業企業共創部 主任コーディネーター
伏見 信也 三菱電機株式会社 シニアアドバイザー
堀尾 喜彦 東北大学 電気通信研究所 教授
山名 早人 早稲田大学 理工学術院 教授
外部評価者
該当なし

※所属・役職は令和4年3月末のものです。

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