細胞外微粒子に起因する生命現象の解明とその制御に向けた基盤技術の創出

1.研究領域の概要

 本研究領域は、細胞外微粒子に起因する生命現象の解明及びその理解に基づく制御技術の導出を目的とします。
 生体内の細胞外微粒子にはナノからマイクロサイズに至る様々なものが存在します。それらは、環境中から生体内に取り込まれるPM2.5 やナノマテリアル等の外因性微粒子と、細胞外小胞であるマイクロベジクルやエクソソーム等の生体内由来の内因性微粒子に大別されます。
 外因性微粒子は、ナノマテリアル等について安全性評価の側面から研究が進められてきたこともあり、生体における動態や応答機序等は十分には解明されていません。一方、内因性微粒子は、細胞外小胞が細胞間コミュニケーションにおいて重要な役割を果たし、がんや認知症等の多くの疾患と関連することが近年注目を集めていますが、形成過程や生理的な意義等についてはその多くが未解明です。
 以上を踏まえ、本研究領域では、内因性微粒子や外因性微粒子の動作原理、生体応答・認識に関する分子機構の解明に加え、微粒子の検出・分離・計測・解析等の基盤技術の開発を一体的に取り組み、細胞外微粒子に起因する生命現象を明らかにするとともにその制御に向けた基盤的研究を推進します。

2.中間評価の概要

2-1.評価の目的、方法、評価項目及び基準

戦略的創造研究推進事業・CRESTにおける中間評価の目的、方法、評価項目及び基準に沿って実施した。

2-2.評価対象研究代表者及び研究課題

2018年度採択研究課題

(1)石井 健(東京大学 医科学研究所 教授)

細胞外核酸の免疫学的評価法確立と生理学的意義の解明

(2)鈴木 健一(岐阜大学 糖鎖生命コア研究所 教授)

高精度1分子観察によるエクソソーム膜動態の解明

(3)長谷川 成人(東京都医学総合研究所 脳・神経科学研究分野 分野長)

神経変性の原因となるタンパク質微粒子の形成と伝播機構

(4)華山 力成(金沢大学 ナノ生命科学研究所 教授)

微粒子による生体応答の相互作用の解明と制御

(5)二木 史朗(京都大学 化学研究所 教授)

細胞外微粒子の細胞内運命の解析と制御

2-3.中間評価会の実施時期

2021年11月11日(木曜日)

2-4.評価者

研究総括
馬場 嘉信 名古屋大学 大学院工学研究科 教授
領域アドバイザー
一柳 優子 横浜国立大学 大学院工学研究院 教授/大阪大学 大学院理学研究科 熱·エントロピー科学研究センター 特任教授
今井 浩三 北海道大学 遺伝子病制御研究所 客員教授
浦野 泰照 東京大学 大学院薬学系研究科・医学系研究科 教授
津本 浩平 東京大学 大学院工学系研究科 教授
永沼 章 東北大学 名誉教授
中山 和久 京都大学 大学院薬学研究科 教授
信正 均 (株)東レ端融合研究所 常任理事・所長
花方 信孝 物質・材料研究機構 理事
早川 和一 金沢大学 環日本海域環境研究センター 名誉教授
原田 彰宏 大阪大学 大学院医学系研究科 教授
深瀬 浩一 大阪大学 大学院理学研究科 教授・研究科長
吉田 佳一 (株)島津製作所 シニアアドバイザー
外部評価者
該当なし

※所属・役職は令和4年3月末のものです。

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