光の特性を活用した生命機能の時空間制御技術の開発と応用

1.研究領域の概要

 本研究領域では、光操作技術の開発および応用による生命機能の高度理解と制御を目的とします。  近年、オプトジェネティクスなどの光操作技術の進展により、生命科学研究のあり方が大きく変わろうとしています。これらの技術は、高い時空間分解能での機能制御を特徴とすることから、生命機能の理解に飛躍的な進展をもたらしつつあります。光の特性を活かした生命機能の制御技術は、可逆性・即時性などの他にない技術特性等からも今後は多様な分野への急速な展開が予想されます。
 一方で、これらの技術は生命機能の解明に向けて決して万能とは言えません。例えば、光源毒性による生体への影響や因子導入による機能障害、さらには光タンパク質の精密制御など、技術が浸透しつつある現在もなお多数の課題が挙げられています。また、将来の医療応用を見据えた場合、光照射や因子導入の生体侵襲そのものが臨床展開への大きな障害となることは容易に類推できます。
 以上のような背景から、本領域では、上記課題を克服する光操作技術の開発とそれらを活用する生命機能の制御動作原理の解明を行います。具体的には、脳・神経、免疫、発生、再生、がんなどの多様な生命現象を対象とし、複雑な生体システムの理解と制御を目指します。

2.中間評価の概要

2-1.評価の目的、方法、評価項目及び基準

戦略的創造研究推進事業・CRESTにおける中間評価の目的、方法、評価項目及び基準に沿って実施した。

2-2.評価対象研究代表者及び研究課題

2016年度採択研究課題

(1)礒村 宜和(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 教授)

シナプス光遺伝学を用いた脳領域間シグナル伝播機構の解明

(2)小澤 岳昌(東京大学 大学院理学系研究科 教授)

定量的光操作と計測技術を基軸とする生体深部の細胞応答ダイナミクスの解析

(3)神取 秀樹(名古屋工業大学 大学院工学研究科 教授)

細胞内二次メッセンジャーの光操作開発と応用

(4)野田 昌晴(東京工業大学 科学技術創成研究院 特任教授)

オプトバイオロジーの開発による体液恒常性と血圧調節を司る脳内機構の解明

(5)和氣 弘明(名古屋大学 大学院医学系研究科 教授)

ホログラム光刺激による神経回路再編の人為的創出

(6)渡邉 大(京都大学 大学院医学研究科 教授)

自由行動下での神経情報操作・解読技術の開発と意思決定の神経基盤解明への応用

2-3.中間評価会の実施時期

2020年10月12日(月曜日)

2-4.評価者

研究総括
影山 龍一郎 京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 教授
領域アドバイザー
石井 優 大阪大学 大学院医学系研究科/生命機能研究科 教授
伊藤 博康 浜松ホトニクス(株) 中央研究所筑波センター センター長
狩野 方伸 東京大学 大学院医学系研究科 教授
河村 悟 大阪大学 名誉教授
清末 優子 理化学研究所 生命機能科学研究センター チームリーダー
小早川 令子 関西医科大学附属生命医学研究所 特命教授
小林 和人 福島県立医科大学 医学部附属生体情報伝達研究所 教授
武田 洋幸 東京大学 大学院理学系研究科 教授
永井 健治 大阪大学 産業科学研究所 教授
南部 篤 自然科学研究機構 生理学研究所生体システム研究部門 教授
濡木 理 東京大学 大学院理学系研究科 教授
外部評価者
該当なし

※所属および役職は評価時点のものです。

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