全身型ヒューマノイドによるロコモーションの実現

全身型ヒューマノイドによるロコモーションの実現

衝撃に強い開放型関節を持つPneumat-BRPがまず開発され,試行実験によって,跳躍のためには関節間の連関が非常に重要なこと,そして制御性のよくない空気圧人工筋の場合には,関節間の連関を制御によって調整することは非常に難しいということがわかった.

ヒトの歩行の場合,関節間の連関には関節間にまたがる二関節筋と呼ばれる筋肉が非常に重要な役割を果たしていることが生体力学の分野で指摘されている. そこで,跳躍や走行を実現するために,ヒトの下半身でロコモーションに重要であると考えられている2関節筋を含む筋肉構造を模したヒューマノイドPneumat-BRおよびPneumat-BR2を開発した. 各関節には,それぞれを駆動する拮抗の一関節筋の他に,足首とひざにまたがった腓腹筋,膝と腰関節にまたがった大腿直筋とハムストリングスが装備されている.これらのロボットによって,静止からの歩行,歩行から跳躍, 10cmを超える跳躍,フィードバックなしの歩行(図 1),歩行から走行への遷移,数歩の走行を実現した[景山2009] [細田2010]

図 1 Pneumat-BR2の歩行の様子