研究テーマ「アポミオグロビンのpH/塩による中間体形成機構」
私たちが「名大 MIRAI GSC」に参加したのは、第一ステージ(名古屋大学の教授による各分野の講義)に大変魅力を感じたからです。応募当時は、第三ステージ(海外研修)までの選考を通ることは難しいと思いましたが、名古屋大学で自分たちの好きな科学の、レベルの高い講義を受けられるこの貴重な機会にぜひチャレンジしようと思いました。
私たちの研究は、酸変性した蛋白質に、その溶液状態を変えることで天然立体構造を再獲得させ、この過程(フォールディング)における中間体形成を観測するというものです。使用したウマアポミオグロビンに内蔵されるトリプトファンの蛍光強度を測定することで、実際に中間体の存在の示唆ができました。今後は、どのように中間体の蓄積を観測するか、蛋白質にフォールディングをさせるのに別の方法はないのかといったことを調べたいと思います。
今回GSCで研究室体験をし、研究成果を周囲に発信するという経験を通して、研究の面白さを実感するとともに、これからも研究を続けたい、研究者として科学に携わり世界と張り合って頑張りたいと考えるようになりました。GSCでの経験は進路を選択していく上で、自分たちの好きなことを発見するきっかけとなり、人生の中でも大きな転機の一つになったと思います。
ドイツ・フライブルク大学での研修では、日本ではあまり見られない学内のグローバルさに圧倒されました。そして、今では勉学に熱意をもって各国から集まってくるハイレベルな仲間と切磋琢磨し、さらなる高みを目指せる環境に自分たちも身を置きたいと考えています。何もかもが新鮮で、今までの私たちの価値観をグローバルに変えてくれる、すばらしい海外研修でした。
(平成30年度版GSCパンフレットより)