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「未来の科学者」の君たちへ

先輩達の活躍

2018年3月現在の情報です。

大阪大学「SEEDS」 受講生
保呂 有珠暉さん

研究テーマ「爬虫類における左右軸決定機構」

 生物の体は一見すると左右対称ですが、よくよく考えてみると、左右非対称であることに気付きます。例えば、人間の身体であれば心臓は左側にあり、肝臓は右側にあります。つまり、生物は自身の身体の右と左を区別しているのです。では、この区別はどのようなメカニズムでなされるのでしょうか?
 脊椎動物にはマウス型とニワトリ型の2つのタイプのメカニズムがあると考えられています。私は、この2つのタイプの違いが進化の過程でどのように生じたのかに興味を持ちました。そこで、哺乳類であるマウスと鳥類であるニワトリと系統的に類縁で、今まで研究されてこなかった、爬虫類の左右を区別するメカニズムを調べ、その結果、爬虫類はニワトリ型であることが分かりました。
 そして、この研究を日本学生科学賞に出品したところ、科学技術政策担当大臣賞に選出されました。私自身が興味を持った事柄について研究出来たのは、大阪大学SEEDSプログラムの受講者として、グローバルサイエンスキャンパス(GSC)に参加したからに他なりません。
 SEEDS事務局の皆さんには、スライド・ポスター等の発表資料に関するアドバイスをはじめとして、多岐にわたって支援して頂きました。中でも特筆すべきは、研究の場を大阪大学ではなく、より研究を行いやすい理化学研究所多細胞システム形成研究センター(CDB)に設けるため、様々な交渉や手続きを行って下さったことです。SEEDSの皆さんには感謝してもしきれません。
 これからは、いま私が興味を持っている生物学だけではなく、サイエンスの他の分野についても理解を深めたいと考えています。



写真1
研究発表のポスターの前で

写真2
爬虫類の有精卵から胚を取り出す様子
(提供:理化学研究所)

名古屋大学「名大 MIRAI GSC」 受講生
木下 裕香子さん、加藤 沙愛さん

研究テーマ「アポミオグロビンのpH/塩による中間体形成機構」


 私たちが「名大 MIRAI GSC」に参加したのは、第一ステージ(名古屋大学の教授による各分野の講義)に大変魅力を感じたからです。応募当時は、第三ステージ(海外研修)までの選考を通ることは難しいと思いましたが、名古屋大学で自分たちの好きな科学の、レベルの高い講義を受けられるこの貴重な機会にぜひチャレンジしようと思いました。  
 私たちの研究は、酸変性した蛋白質に、その溶液状態を変えることで天然立体構造を再獲得させ、この過程(フォールディング)における中間体形成を観測するというものです。使用したウマアポミオグロビンに内蔵されるトリプトファンの蛍光強度を測定することで、実際に中間体の存在の示唆ができました。今後は、どのように中間体の蓄積を観測するか、蛋白質にフォールディングをさせるのに別の方法はないのかといったことを調べたいと思います。  
 今回GSCで研究室体験をし、研究成果を周囲に発信するという経験を通して、研究の面白さを実感するとともに、これからも研究を続けたい、研究者として科学に携わり世界と張り合って頑張りたいと考えるようになりました。GSCでの経験は進路を選択していく上で、自分たちの好きなことを発見するきっかけとなり、人生の中でも大きな転機の一つになったと思います。  
 ドイツ・フライブルク大学での研修では、日本ではあまり見られない学内のグローバルさに圧倒されました。そして、今では勉学に熱意をもって各国から集まってくるハイレベルな仲間と切磋琢磨し、さらなる高みを目指せる環境に自分たちも身を置きたいと考えています。何もかもが新鮮で、今までの私たちの価値観をグローバルに変えてくれる、すばらしい海外研修でした。




写真3
ドイツで口頭発表する二人
左:木下さん、右:加藤さん

写真4
ドイツ:フライブルク大学にて
(最前列左から木下さん、加藤さん)

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