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「未来の科学者」の君たちへ

先輩達の活躍

夢中になれるってすばらしい!感動が君を変え、世界を変える!!先輩達の活躍を紹介します
※記載の年度は、各大学よりJSTに情報が寄せられた年度を表します

写真5 写真4 写真3

写真2 写真1

 

平成30年度
京都大学「ELCAS」 受講生
平(ひら)翔太さん

研究テーマ「The Divergent Dimerization Behavior of N-Substituted Dicyanomethyl Radicals: Dynamically Stabilized versus Stable Radicals.」

<論文概要>ジシアノメチルラジカルがベンゼン環のパラ位を介しアミノ基と結合した分子は、そのラジカルの安定性により、単量体と二量体との平衡状態を形成する動的共有結合を持ちます。この論文では、置換基のわずかな変化により、動的共有結合の強度や結合様式が変化することを示しました。特に、ジュロリジン基を有する分子は、二つの分子が面と面で結合したπ-dimerを形成し、ジシアノメチルラジカル誘導体では非常に珍しい結合様式です。また、このπ-dimerを形成する上で、電気双極子同士の静電的エネルギーが重要であることが明らかになりました。このような発見は今後、安定なラジカルやπ共役系分子の研究に繋がることが期待されます。
<受講生の本研究での役割>この研究では、“ラジカル”と呼ばれるちょうど化学結合が切れた状態の分子を私たちが手で扱えるほど安定につくりだしました。二つのラジカルがくっつく様子について、一本の化学結合か、あるいはたくさんの化学結合かの状態で切り替えられることを見つけました。平さんは、この分子を実際につくりだす過程を担当しています。
<今後の展開の可能性>化学結合は、多くの場合で“つながっている”か“切れている”かのどちらかです。この中間の状態は、物質にできた傷を自然に直したり、熱や光・力を加えると性質が変わったり、あるいはそれを正確に測るための物質につながっていくと考えています。(JST成果集2018より)

 


今回の研究で合成された分子


研究の様子


平成29年度
大阪大学「SEEDS」 受講生
保呂 有珠暉さん

研究テーマ「爬虫類における左右軸決定機構」


生物の体は一見すると左右対称ですが、よくよく考えてみると、左右非対称であることに気付きます。例えば、人間の身体であれば心臓は左側にあり、肝臓は右側にあります。つまり、生物は自身の身体の右と左を区別しているのです。では、この区別はどのようなメカニズムでなされるのでしょうか?
脊椎動物にはマウス型とニワトリ型の2つのタイプのメカニズムがあると考えられています。私は、この2つのタイプの違いが進化の過程でどのように生じたのかに興味を持ちました。そこで、哺乳類であるマウスと鳥類であるニワトリと系統的に類縁で、今まで研究されてこなかった、爬虫類の左右を区別するメカニズムを調べ、その結果、爬虫類はニワトリ型であることが分かりました。
そして、この研究を日本学生科学賞に出品したところ、科学技術政策担当大臣賞に選出されました。私自身が興味を持った事柄について研究出来たのは、大阪大学SEEDSプログラムの受講者として、グローバルサイエンスキャンパス(GSC)に参加したからに他なりません。
SEEDS事務局の皆さんには、スライド・ポスター等の発表資料に関するアドバイスをはじめとして、多岐にわたって支援して頂きました。中でも特筆すべきは、研究の場を大阪大学ではなく、より研究を行いやすい理化学研究所多細胞システム形成研究センター(CDB)に設けるため、様々な交渉や手続きを行って下さったことです。SEEDSの皆さんには感謝してもしきれません。
これからは、いま私が興味を持っている生物学だけではなく、サイエンスの他の分野についても理解を深めたいと考えています。(平成29年度版GSCパンフレットより)

研究発表のポスターの前で


爬虫類の有精卵から胚を取り出す様子
(提供:理化学研究所)

 

平成29年度
名古屋大学「名大 MIRAI GSC」 受講生
木下 裕香子さん、加藤 沙愛さん

研究テーマ「アポミオグロビンのpH/塩による中間体形成機構」


私たちが「名大 MIRAI GSC」に参加したのは、第一ステージ(名古屋大学の教授による各分野の講義)に大変魅力を感じたからです。応募当時は、第三ステージ(海外研修)までの選考を通ることは難しいと思いましたが、名古屋大学で自分たちの好きな科学の、レベルの高い講義を受けられるこの貴重な機会にぜひチャレンジしようと思いました。
私たちの研究は、酸変性した蛋白質に、その溶液状態を変えることで天然立体構造を再獲得させ、この過程(フォールディング)における中間体形成を観測するというものです。使用したウマアポミオグロビンに内蔵されるトリプトファンの蛍光強度を測定することで、実際に中間体の存在の示唆ができました。今後は、どのように中間体の蓄積を観測するか、蛋白質にフォールディングをさせるのに別の方法はないのかといったことを調べたいと思います。
今回GSCで研究室体験をし、研究成果を周囲に発信するという経験を通して、研究の面白さを実感するとともに、これからも研究を続けたい、研究者として科学に携わり世界と張り合って頑張りたいと考えるようになりました。GSCでの経験は進路を選択していく上で、自分たちの好きなことを発見するきっかけとなり、人生の中でも大きな転機の一つになったと思います。
ドイツ・フライブルク大学での研修では、日本ではあまり見られない学内のグローバルさに圧倒されました。そして、今では勉学に熱意をもって各国から集まってくるハイレベルな仲間と切磋琢磨し、さらなる高みを目指せる環境に自分たちも身を置きたいと考えています。何もかもが新鮮で、今までの私たちの価値観をグローバルに変えてくれる、すばらしい海外研修でした。 (平成29年度版GSCパンフレットより)

ドイツで口頭発表する二人
左:木下さん、右:加藤さん


ドイツ:フライブルク大学にて
(最前列左から木下さん、加藤さん)

 

平成28年度
筑波大学「GFEST」 受講生

田渕 宏太朗さん


僕が筑波大学GFEST生として、グローバルサイエンスキャンパス(GSC)に参加したのは3年前です。ちょうど一人で研究に挑む難しさを感じ始めた頃でもあり、 「自分の研究領域において、専門的な指導を受けたい」、「プレゼンテーション能力を身につけたい」と考えていた僕に、GSCは最高のプログラムを提供してくれました。 「高校生になったらIntel ISEFに出場したい」という大きな目標ができたのもその頃でした。
しかし、取り組んだ研究は予想を超える難しさで、何度も何度も壁にぶつかりました。
そんな時、大学の先生や大学生からのアドバイスが、前に進むための大きな力になったことは言うまでもありません。 また、他分野の先生の講義やSkypeでの英語レッスン、海外研修など、多くの挑戦の機会をいただいたことで世界が大きく広がり、多角的なものの見方もできるようになりました。
高校2年の秋には、ISEFを目指して高校生科学技術チャレンジ(JSEC2016)に挑戦し、最終審査会に進むことができました。審査員の先生方に研究を発表し、質疑応答に臨んだ楽しい時間も、緊張の表彰式も、 忘れられない思い出になりました。そして、このJSECで特別協賛社賞を受賞したことで、念願のISEF2017への切符を手にすることができました。「やっと土俵に上がれた」という喜びを胸に、現在はISEFに向けた準備を進めています。
GSCは、アインシュタインの名言「Information is not knowledge. The only source of knowledge is experience.」を実感させてくれる場所。僕も384,000kmの彼方にある夢に向かって、新しい経験を積み重ねていきたいと思っています。(平成28年度版GSCパンフレットより)

事務局注:田渕さんはアメリカ合衆国で開催された「インテル国際学生科学技術フェア(Intel ISEF)2017」に参加し、「機械工学部門 優秀賞2等賞」を獲得しました。






JSEC2016での
ポスター発表の様子

 

平成28年度
北海道大学「北大SSP」 受講生

小林 ゆいさん


吹雪による視界不良は、冬の寒冷地で交通事故の原因となり、毎年たくさんの方々が亡くなる重大な気象災害です。私は、この災害を未然に防ぐことができないかと考え、 北海道大学のGSC(北大SSP)の活動の中で、吹雪を細かいスケールで多点的に観測できる安価なシステムを開発しています。
私がGSCに参加したきっかけは、科学に興味があり、色々なことを学びたいと思ったからです。また、大学の先生方や他校の高校生たち、その他たくさんの人たちと知り合えることがとても魅力的でした。 実際に、GSCの活動での出会いが縁となり、雪氷防災研究センターで特別に測定実験を行う機会を得て、研究を行う上での人とのつながりの重要性を認識することができました。
また、GSCで学んだ論理的にわかりやすく伝える力や文書作成能力を活かして、アメリカのサンフランシスコで行われたAmerican Geophysical Unionでポスター発表を行いました。 現在は、英語論文での投稿を目指して執筆中です。将来は、社会を明るくする研究をして、世界で活躍したいです。(平成29年度版GSCパンフレットより)

研究を発表している様子


名寄研究合宿にて、開発した装置と


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