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「独創的シーズ展開事業 独創モデル化」
平成18年度採択課題 事後評価報告書

平成19年10月

独立行政法人科学技術振興機構

 

6.

評価対象課題の個別評価

 20周波数シフト帰還型レーザによる光遠隔三次元計測機の試作

 

 

企業名

:株式会社 光電製作所

研究者(研究機関名)

:伊藤 弘昌(東北大学 電気通信研究所)

 

1)

モデル化の概要および成果

 周波数シフト帰還型レーザは超高速で線形性の良い周波数掃引光を出力する光源である。本モデル化ではこの光源を光遠隔三次元計測機に応用し、車などの大規模生産ラインの要求を目標に、試作開発と基本性能の確認を行った。

その結果、計測可能範囲10m内において、計測速度1000点/秒にて三次元計測精度±65μm(±σ、目標50μm)を実現し、最小受光感度は出力光強度比−75dB(目標−90dB)を達成した。

2)

事後評価

1

モデル化目標の達成度
 目標とした数値はまだ達成できていないが、ファイバーレーザの製作は終わり、新しい方式での計測は確認できているので、目標は概ね達成したといってよい。

2

知的財産権等の発生
 現段階では特許等の出願はされていない。今後開発がうまく進み、実用段階に入ることができれば、特許が生まれることは期待できるだろう。

3

企業化開発の可能性
 本モデル化の期間には特許は申請できていないが、企業化、装置の実用化段階になれば、いろいろな特許が産まれてくる可能性が期待できる。

4

新産業及び新事業創出の期待度
 モデル化の装置が達成でき、産業用に特化した製品を開発できれば、自動車他、広く工業分野に使用される装置となり、新しい産業分野を創出できる可能性がある。

3)

評価のまとめ

 開発プロジェクトの進め方は正統で、ファイバーレーザを使用した測定装置の基本的なコンセプトが確認できた。目標仕様の精度、感度、レーザの共振器長、その他達成できていない項目もあるが、計測器に必要な基本的な情報は得られている。

今後は、光源の改良、信号パワーの適正配分を行って計測精度の向上を図ることで、新しい計測手段として新産業として発展することが期待される。そのためには、さらに大きな努力を注ぐことが求められる。

 

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This page updated on Oct. 15, 2007
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