愛知地域ではこれまで地域結集型共同研究事業、知的クラスター創成事業などの産学官連携による研究開発に取り組んできました。今回のスーパークラスタープログラムでは戦略テーマ「クリーン低環境負荷社会実現ネットワークの構築」のもと、これまでに培った省エネ・環境負荷低減に貢献できるナノマテリアルの高機能化、ナノ加工の高度化をさらに推進し、次世代・次々世代パワーデバイス用半導体や蓄電・燃料電池材料の開発と社会実装を進め、次世代自動車などへの適用、高効率エネルギー社会への実装、ひいては活気ある持続可能な社会を目指します。
推進に当たり愛知地域コアクラスターとしては、(公財)科学技術交流財団を中核機関として、愛知県、名古屋市、名古屋大学、名古屋工業大学などの関係機関および研究成果の社会実装を担う県内外の企業との緊密な連携体制を構築し、愛知県の「知の拠点あいち」、名古屋市の「プラズマ技術産業応用センター」も研究開発・事業化の核として活用して地域産業への波及など事業効果の最大化を図ってまいります。
研究テーマとしては、パワーデバイス用半導体材料として、GaN系材料の高機能化とデバイス応用、低欠陥SiC結晶基板作製技術の確立などを、ナノマテリアルとして、先進プラズマ技術による次世代電池部材や車載用軽量・高硬度材料などの製品化をターゲットに、結晶・材料解析や地域事業を組み合わせて推進いたします。
GaN/GaN系デバイスの開発では、山口地域サテライトがGaN基板を開発し、その基板を愛知地域コアクラスターでエピタキシャル膜を積層してパワーデバイス用GaNウェハを開発いたします。そしてそのウェハを用いて福井地域サテライトが新規なパワーデバイスを開発します。このようにそれぞれの得意な技術を持ち寄って一つの目標に向けたコンカレントな研究開発を行うことで、研究開発のスピードアップを図ってまいります。これ以外にも、溶液法SiC基板開発及び次世代蓄電・燃料電池材料開発でも愛知地域コアと長野地域サテライトが連携して共同研究開発を行います。
社会実装に向けては、各テーマについて各大学の研究リーダーの下に計40社を超える企業に参画をいただき、共同研究と事業化推進を担っていただくことになっています。今後は連携協議会や共同研究推進委員会などを有効に活用して、情報共有、進捗管理を行いながら所期の目標に向けて邁進していきたいと考えております。