《オンライン》
1026日(木)~28日(土)

《前夜祭》
1117日(金)

《実地開催》
1118日(土)~19日(日)

アクセス ACCESS

26B1410月26日(木)14:30-16:00

オンライン

超早期に病気を予測・予防できたら、私たちの生活はどう変わると思う?
How will our lives change if ultra-early disease prediction and intervention come true?

科学技術振興機構(JST)ムーンショット型研究開発事業部 ムーンショット目標2
Moonshot Goal 2, Department of Moonshot Research and Development Program,
Japan Science and Technology Agency

場所:オンライン

企画概要

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一緒に想像(創造)してみよう!超早期に病気を予測・予防ができる2050年。

ムーンショット目標2が目指す「2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会」の実現に、あなたはどんな期待を感じるでしょうか。また、どんな懸念を覚えるでしょうか。目標2に参画している研究者たちと一緒に考えてみませんか。

彼らからは、研究の内容だけでなく、社会と科学技術がともに良い関係を築くための取り組み等についてご紹介します。参加者の皆さんが感じることは、研究開発を進める上でとても大切な視点です。ぜひ、一緒に超早期に病気を予測・予防できる社会の姿について考えてみましょう。2050年に社会の中心で活躍する、大学生、若手研究者をはじめ、企業の皆さんのご参加も大歓迎です。

When you hear about Moonshot Goal 2, the “Realization of ultra-early disease prediction and intervention by 2050,” what do you hope will happen? What are your concerns? Please join the young scientists and researchers working on this project, and let’s think of our future together.

The researchers will share not just their research but also their efforts in bridging the space between society and scientific technologies. Your thoughts and feelings are key elements to consider in progressing research and development. Let’s imagine what society will be like if ultra-early disease prediction and intervention become a reality. Everyone is invited, including bussiness people, corporate representatives, and interested citizens. But especially welcome are college students and young researchers who will be the main drivers of society in 2050!

登壇者プロフィール

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笹原 帆平 SASAHARA Hampei

東京工業大学工学院システム制御系 助教

ムーンショット目標2 研究参加者(合原PJ)
2019年東京工業大学工学院博士課程修了,博士(工学).同年スウェーデン王立工科大学ポスドク研究員.2022年より現職.2016年JSPS特別研究員(DC1).2017年IEEE SPS Japan Best Student Paper Award受賞,未病治療に向けたシステム制御理論に基づく数理的研究に従事.

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垣内 伸之 KAKIUCHI Nobuyuki

京都大学白眉センター 特定准教授

ムーンショット目標2 課題推進者(大野PJ)

2007年京都大学医学部医学科卒業.消化器内科医として臨床に従事する中でがん診療の限界を認識し,'14年に京都大学大学院医学研究科で研究を開始.がんの起源に迫る研究から個体内で細胞が様々な進化を遂げることを見出し,'19年より同助教を経て,'21年より独立し現職.様々な臓器のクローン進化をテーマとして研究を行う.

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川名 洋平 KAWANA Yohei

東北大学病院 糖尿病代謝・内分泌内科 助教

ムーンショット目標2 研究参加者 (片桐PJ)

2012年東北大学医学部医学科卒業.2018年博士号(医学),糖尿病専門医を取得.2019年日本糖尿病学会若手研究奨励賞,分子糖尿病学シンポジウム研究奨励賞.脳と末梢臓器が形成する臓器間神経ネットワークを手掛かりに,個体レベルで糖代謝の恒常性を維持するメカニズムの解明と,糖尿病の治療への応用に取り組む.

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奥住 文美 OKUZUMI Ayami

順天堂大学医学部神経学講座 准教授

ムーンショット目標2 研究参加者(高橋PJ)

医師としてパーキンソン病(PD)などの神経変性疾患の患者を診療。PDの原因タンパク質である α シヌクレイン(AS)伝播凝集メカニズムに着目して研究を遂行。プリオン病診断で用いられている RT-QuIC 法を応用し、従来方法では困難な血液中AS 凝集体検出に世界に先駆けて成功。現在は根本治療の開発を目指す。

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小嶋 泰弘 KOJIMA Yasuhiro

国立がん研究センター研究所 計算生命科学ユニット 独立ユニット長

ムーンショット目標2 研究参加者(松浦PJ)

計算生物学分野の研究に取り組み、機械学習と数理モデリングの融合を特徴とする情報解析技術の開発を得意とする。最近では、網羅的な遺伝子発現の一細胞ごとの定量や空間パターンの計測データに対して、深層学習技術を活用した方法論の構築に取り組んでいる。

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加藤 昂英 KATO Takahide

日本科学未来館 科学コミュニケーター

来館者との対話活動やアクティビティの企画・運営を行っています。多くの人が「ここでは未来のことを語り合えるんだ!」と思える場づくりを模索中です。
カラダの状態を日々観測することで疾患を防ぐ未来に、どんな期待や不安を感じますか? ぜひみなさんの率直な声を聞かせてください!

プログラム

14:30
オープニング
14:35
超早期に病気を予測・予防できたら、私たちの生活はどう変わると思う?
話題提供:若手研究者からの期待
(笹原帆平、垣内伸之、川名洋平、奥住文美、小嶋泰弘、加藤昂英)
15:00
ディスカッション
15:25
クロージング
15:30
交流セッション(Q&Aなど)

出展レポート

企画概要の補足

ムーショット目標2は、5つのプロジェクトで構成されています。今回は各プロジェクトから、2050年には中心的な役割を担う若手研究者が登壇し、研究活動の将来への期待と懸念をお話します。参加者のみなさんと、研究活動のわくわく感や使命感を共有すると同時に、研究だけではめざす社会像の実現は困難で、多様な立場の方々と協働していく必要があることが共有できれば、と思います。

話し合った未来像

超早期に病気を予測・予防できる未来
①「超早期に病気を予測・予防できる未来」が実現した場合の期待は?
②「超早期に病気を予測・予防できる未来」が実現した場合の懸念は?

セッションでの意見、論点

①「超早期に病気を予測・予防できる未来」が実現した場合の期待は?

・健康寿命が延伸される。

・身体的制限(例、頭痛)にとらわれない社会になる。

・介護や医療費が低減される。

・大規模データが入手しやすくなっているので、精度高くリアルタイムで身体の状態をモニタリングできるようになる。

②「超早期に病気を予測・予防できる未来」が実現した場合の懸念は?

・いつまでも働き続けなければいけなくなるのでは。

・病気になることを知っても、治療法が確立していなければ、不安になるだけでは。

・高額な治療費になってしまうのでは。

・ある疾患が超早期で予測・予防できたとしても、他の疾患は増加するのではないか。

・未病では特に、情報セキュリティが必要なのではないか。

・病気の確率情報が万が一漏洩すると、差別につながるのでは(例、ハンセン病)。

・身体に機械を組み込むことやサイボーグ化により外部から不当に操作されてしまうのでは。

議論

・医療従事者や研究者だけではなく、社会全体で議論することが必要である。

・未病では生体データの取得が前提。どれだけ低侵襲、非侵襲で、苦痛無く、身近にデバイス等を使ってデータが取れるかが大事(例:唾液、尿)。

・セキュリティの問題等、リスクの抽出し、事前に防ぐ事が必要。元となるデータの秘匿化など技術だけではなく、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)からのアプローチの意識が必要である。

・市民のみなさんの倫理観を高めたり、疾患の知識を増やしたりすることが、差別を軽減できるのではないか。

・糖尿病の名称変更が議論されている。言葉が与えるイメージは人によって異なるが、苦痛を感じている方がいる以上は名称変更する選択肢はありうる。

・新しい価値観の提案や受け手側の価値観を取り入れることが必要なので、文系(経済学、哲学、文学)の意見を取り入れることが必要。実装にむけて装置・機器作製もあるので、工学分野の専門家が入ることもよいのでは。

・患者本人だけでなく、家族や周りの人の理解も重要。

・技術革新が進んでいるので、多くの人が病院に行かなくても「病気の兆候」がわかる社会は近いかもしれない。法律整備次第ではある。神経情報については、似て非なる病気を見分けるのはトレーニングが必要であり、トレーニングを受けていないと誤診につながり、誤った治療につながってしまうので、今後の議論が必要。

・予防・未病領域の実装にむけ、技術だけで解決できるものではないので、各分野の専門家が技術のメリットだけではなくデメリットを伝えることが重要である。研究者から市民へ、市民から研究者への両方のベクトルが必要。

セッションで出たキーワード

超早期、未病、疾患、病気、予防、予測、治療、医療、数理、複雑臓器制御、生体内ネットワーク、がん、糖尿病、認知症、パーキンソン病、ウイルス、感染症、バイオマーカー、遺伝子、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)、ゆらぎ

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