JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

文字サイズ

SCENARIO 社会課題の解決を目指して

動く布 ~ヒトのからだとこころに寄り添う布の可能性を探る~

2022年03月28日

シナリオを描く

  • 主催:

    名古屋大学大学院工学研究科准教授 舟洞佑記

解くべき課題

◆衣服の無駄・衣服着脱の困難
・体型の変化があると服が無駄になる。障害や高齢化に伴った身体的制約がある場合や体型にフィットする服は着脱が容易ではない。
◆ヒトとヒトとの物理的な繋がりの希薄化
・コロナ禍の影響などを受け、遠隔地に住む家族や友人との物理的な孤立から心理的な孤独を抱える人が増加している。
◆ヒトに対して発信可能な情報の限定性
・物理的に動く媒体は、「動き」によって多様な情報が発信できる可能性がある一方で、機械的に動く現在のロボットで発信可能な情報は限定的である。

取組のポイント

◆着用する個々人に合わせて形を変えて、誰でも簡単に着脱できる、伸縮自在な服
◆時空間を超えて想いが伝わる、ヒトの想いを載せて動く布型コミュニケーションデバイス
◆ヒトの集団や社会に対して、布の柔らかな動きで情報や価値を伝える布型メディアデバイス

取組内容

伸縮する糸状のアクチュエータを表面に配置した「動く布」の技術を起点に、サイエンスインパクトラボにおいて多様な有識者と活用アイデア及び実現に向けた課題について議論。そこで整理した以下3つのシナリオをもとに、引続き異分野のステークホルダーを巻き込みながら布型ロボットの開発に挑む。
◆衣服自体が動くことで、着用者の「着る」「脱ぐ」「動く」の物理的なサポートを目指す布型ロボット
◆形状や温度を調整・制御することで、ヒトの想いが自然と伝わり、心理的な距離をなくす布型ロボット
・ショール・おくるみ・手袋等の布が優しく動くことで、遠方にいる家族や友人の手を握る・さする感覚、ハグする感覚等を伝送する。
◆布の動きを介する新たなメディアデバイスにより、ヒトとヒトとを繋ぎ・和ませ・調和させる手法の形成
・布の動きによって感情が伝わる、映像に応じてスクリーンが動く等、生活・社会空間内の布に動きを付与し、空間内のヒトに情報を発信・伝達する。

開発と並行し、新たな活用シーンに関する議論を重ねることによって、強い力を発揮してヒトの産業を支えてきた従来のロボティクスとは異なる、布の持つ柔らかさ・温かさを起点とした「新たなロボティクス」の在り方についても議論できる場の形成を目指す。

シナリオの関係者

片岡史憲(トヨタ自動車株式会社)
加藤公敬(Future Center Alliance Japan)
京極一樹(株式会社電通)
石川将也(cog)
酒井啓至(株式会社エンプラス研究所)
内海有祐美(コーディネーター/ハーチ株式会社)
本田隆行(科学コミュニケーター/合同会社sou)

シナリオの出どころ

関連情報

「ロボティクス」に関する情報
「コミュニケーションデバイス」に関する情報
「ロボット制御」に関する情報

お問い合わせ先

https://chance-network.jp/#contact

前のページに戻る