生分解性プラスチックの開発と普及で海洋プラスチック問題に立ち向かう
2021年03月11日
- 主催:
株式会社カネカ 高砂工業所 バイオテクノロジー研究所 バイオプロダクツ研究グループ
解くべき課題
◆ごみとして捨てられたプラスチックによる海洋汚染
◆マイクロプラスチックによる生態系や人体への影響
◆地球温暖化
取組のポイント
◆自然界で分解される生分解性プラスチックの開発
◆生分解性プラスチックの大量生産技術の確立
◆環境に優しい生産方法の確立と周知
取組内容
◆自然界で微生物に分解される生分解性プラスチックの開発
・化学メーカー「カネカ」の強みである高分子技術による化学の力と、発酵技術によるバイオテクノロジーの力を結集。
・「カネカ生分解性ポリマーPHBH」を作り出す微生物を、カネカ高砂工業所の土の中から発見した。
・従来の生分解性プラスチックの原料、ポリ乳酸などのように50~60℃の高温でなくても、自然の土壌や海水でも生分解されるポリマーを開発。
・石油由来のプラスチックと遜色ない質感と、硬いもの(ナイフ)から柔らかいもの(ストロー)まで対応可能な材質を実現。
◆大量生産技術の確立
・理化学研究所との共同研究で、PHBHの合成に関わる遺伝子群を発見。
・遺伝子操作を繰り返すことで、体内に大量にPHBHを蓄積できる微生物を作り出すことに成功。
◆環境に悪影響を及ぼさない生産技術の開発
・分解時に排出される二酸化炭素も自然環境の中で循環できるように、植物由来の原料として、食用油などの植物油脂を利用。
・微生物からPHBHを精製する過程で環境に悪影響を及ぼさないように、有機溶媒を使わず、消費エネルギーを抑えられる精製技術の開発を進めた。