JST 国立研究開発法人 科学技術振興機構

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SCENARIO 社会課題の解決を目指して

商品が届いた後はゴミになる包装材を減らして地球環境に貢献する

2020年08月03日

シナリオを実現する

  • 主催:

    TOTO株式会社

解くべき課題

◆包装廃棄物の削減
◆輸送ストレスの対策
◆人手不足や働き方改革への対応

取組のポイント

◆TOTOでは20年前より、包装材を発泡スチロールから段ボール中心に切り替えた
・包装廃棄物の削減を目指し、リサイクルしやすい段ボール中心の包装に切り替えることで地球環境に配慮。
◆輸送ストレス(振動、落下、圧縮等)に対して過不足のない包装材の設計
・組み立てた包装材に製品を包装して、きちんと保護できるかどうか、落下試験や圧縮試験などを行って確認。
◆組み立てやすい包装材を開発し、多様な人が作業できる職場環境を目指す
・人材の多様性(ダイバーシティ)を考慮し、体の不自由な人が組み立て作業に従事できるような包装材の開発を目指す。

取組内容

◆従来の発泡スチロール製の包装材を見直し、リサイクルしやすい段ボール中心の包装に切り替える
・包装材は、製品が消費者のもとに届けられた時点でごみになるため、リサイクルが容易な段ボール素材に切り替えることで地球環境に配慮。
・20年前に包装材を段ボール中心に切り替えてから現在までの間に、部材費で約70%減、組み立て作業費で約60%減と大幅な削減を達成。
・流通過程で加わる衝撃に対して、過不足ない緩衝性能を持たせるため、同じ部門に所属する製品設計の担当者と協力しながら包装設計の質を高めている。
◆トラックの振動や積み下ろしの際の衝撃など「輸送ストレス」に耐える包装材の設計
・包装設計者は「振動衝撃、落下衝撃、圧縮荷重」などから製品を守る包装材を設計。
・包装材に製品を包装して落下試験や圧縮試験などを行い、試行錯誤を繰り返すことにより包装設計に関わる経験を蓄積する。
◆新しい包装材の一例として「立体構造緩衝材」を開発
・従来の包装材は製品と”面”で接しているのに対し、”点”で接する設計に見直すことで、十分な緩衝性能を持ちつつ消費する段ボールの削減に成功。
・立体構造緩衝材は誰でも簡単に組み立てられることを重視し、組み立てコストの軽減も目指している。
◆包装設計を進めた結果、段ボールの量、組み立ての手間ともに軽減
・「内容物にフィットする緩衝機能付き包装箱」の開発では、包装材の部品点数約80%の削減(176種類→36種類)を実現し、さまざまな賞を獲得。
・人手不足や働き方改革に対応するため、将来は組み立て自動技術などの開発を目指す。
・体の不自由な人にも片手で組み立てられる包装材を設計し、より多様な人材に働いてもらえる職場環境を実現する。

議論の参加者

TOTO株式会社ウォシュレット開発第三部 包装・印刷物グループ
参与 青柳尚樹氏、同グループ 佐藤賢志氏、伊藤勇樹氏

関連リンク

関連情報

「段ボール」に関する情報
「包装廃棄物」に関する情報
「段ボール包装」に関する情報
「包装強度」に関する情報

お問い合わせ先

https://jp.toto.com/support/qa/access_customer.htm

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