[本文]

分科会グループA:テーマ【両立支援】

座長 : 束村 博子(名古屋大学教授)

参加機関

名古屋大学、兵庫県立大学、広島大学、東京海洋大学、杏林大学、一橋大学、国立高等専門学校機構、東京大学、奈良女子大学、福井大学、鳥取大学、鹿児島大学、農業環境技術研究所、大阪大学、順天堂大学、愛媛大学、京都工芸繊維大学、日本大学、東京医科歯科大学、筑波大学、宇宙航空研究開発機構、農業環境技術研究所

シンポジウム分科会発表
  • 研究支援補助制度のあり方について、育児休業中や短時間勤務中の女性研究者に対しては研究支援員が補助できないということが今問題視されているので、来年度以降は、育児休業中や短時間勤務中などでも支援ができるようにしていきたいというような話があり、大変うれしかった。
  • 女性PIが育児休業をとりにくいという課題につきまして、育児休業をしてしまうと、仕事をしていないので研究費の執行もストップしてしまうようなことが起こり得る。それはそのPIのキャリアパスだけではなく、ポスドクなどの雇用している研究員の解雇にもつながることが問題で、育児休業とか短時間勤務制度のときに研究が続けられるような制度を、ちゃんと充実していくべきだという話になった。
発表資料
分科会グループ発表
名古屋大学:
  • わかりやすく情報をお伝えしたいということでホームページをつくり、ワークライフバランスの推進、応援するアクションプラン、休暇等の事柄(これについては学内で見られるもの)のページを作成し、また名古屋市とも連携している。
  • 毎年アンケートを行い各部局長に回答を求め、現状を知っていただく。
  • 各部局にも男女共同参画委員会やワーキングを設置し、全学と連携をとっている。
  • 子育て支援に関しては、保育園あるいは学童保育所を利用している学内の教職員との意見交換会を行っている。
  • 育児休業を3回まで分割して取得できるという方向で今進めている(平成26年11月26日時点)。
  • あすなろ保育園、こすもす保育園の2つの保育園があり名古屋大学が運営している。
  • あすなろ保育園のほうで病児保育を始め、今年で2年目になる。
  • 病後児だけではなく、お子さんが病気になったときの病児保育も、名古屋大学の病院の小児科とのコラボレーションで始めた。
  • 全国に先がけて、学内の学童保育所(常時型)を設置し、「小1の壁」の課題に対応している。
  • 多目的トイレ、おむつかえ台、チャイルドシートがあるか等の情報を収集してはホームページで見られるようにし、適宜更新している。
東京医科歯科大学:
  • 病児保育には主に「派遣型」や「施設型」があるが、本学では前者の「派遣型」を実施している。本学は都心に位置するため、病気の子どもを通勤電車に乗せてキャンパスまで連れて来るのが難しいこと、また新しい施設を作るには学内のスペースが限られていることが主な理由である。運用の方法としては、ベビーシッター業者(株式会社マザーネット)に利用者が事前登録を行うと、有資格のベビーシッターが自宅まで派遣され、親の代わりに病気の子どものケアを行う。当サービスを使うことで、突発的な発熱の際にも親が仕事を休まなくて済むため、キャリアを継続するのに不可欠な制度として認識され、毎年利用のニーズも増えている。
  • 病児だけでなく、仕事理由の場合の通常保育にも適用している。学会やシンポジウム、会議等、平日・土日にかかわらず仕事が理由であれば、同ベビーシッターが利用者の自宅まで派遣され、通常保育を行う。通常保育のニーズも学内で非常に高いため、今後も継続する予定であるが、大学側が負担する費用面、およびサービスの適用範囲についても検討を進める。
  • 上記のほか、産前・産後ケア、また親が病気の際の子どもの保育も適用範囲としている。
東京大学:
  • 育児休業を最初の申請と合わせて3回申出できるという制度。長めにとっておいてそれを短めに変更すると2回目とすることも、例えば3歳までに必ず3回とれるという制度ではなく、3回申出ができるという制度。
鹿児島大学:
  • 自主財源での研究支援員制度を運用しており、事業期間中から、パートナーが女性研究者である本学の男性研究者に限って支援制度の対象とする形で継続してきている。さらに、今年度から、育児の負担では、シングルパパも同様だという意見が、女性研究者支援部会で出されたことにより、利用資格を拡大した。予算としては事業期間中とほぼ同額確保できている。利用研究者の不在時の対応として、事前登録された代理研究者による支援員の業務確認を行っている。
    制度の成果としては、制度利用者が任期付き教員から常勤、他大学での採用などがあり、女性研究者にとって、キャリア継続のためのよい制度となっている。