問題解決型サービス科学研究開発プログラム 【国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター】

平成29年3月で本プログラムは終了いたしました。

トピックス

<4>サイトビジット #2 2011.05.25

<2>S3FIRE (スフィア)だよりでは、JST社会技術研究開発センター(RISTEX)の研究マネジメントの特徴である現地訪問(サイトビジット)について紹介しました。今回は、東京大学 原先生率いる「顧客経験と設計生産活動の解明による顧客参加型のサービス構成支援法」プロジェクトのサイトビジットの様子をお伝えします。


原プロジェクトのサイトビジットは、既に2回行われています。1回目は3月9日、プロジェクト・メンバー、プロジェクト独自で設定している外部評価委員の方々、S3FIREプログラム・アドバイザー含め総計17名の参加がありました。この会議では、東京大学、首都大学東京、JTB等共同研究者及び外部評価者間での研究開発全体の目的の確認、各研究グループの状況共有と今後の研究開発の方向性について議論が行われました。


まず、原先生からの全体の話に続き、首都大学東京の倉田先生から旅行計画の対話的作成支援システムの紹介がありました。典型的な旅行者のタイプとしてペルソナを用い、システムの使用者の関心事を考慮した旅行計画支援を行います。この対話式支援システムでは、ペルソナの設定及び旅行に関するデータ分析によって、どのように顧客との共創を行うのかが重要になります。外部評価委員の方からは、このシステムによって旅行計画支援における新たなトレンドを創出してほしいという期待がよせられました。


次に、商品開発グループのリーダー東京大学の青山先生から、観光旅行商品のモデル化について説明(旅行の構成要素の部品化、表現方法、関係や制約のモデル化、階層化等)がありました。旅程に関わる旅行パッケージの個々の要素(部品)が表現可能であるのに対して、各観光資源の特徴、観光客毎の評価等、個々に異なる要素をどのようにモデルに取り込むのかがひとつのチャレンジとなります。議論もそのあたりに集中しました。今後の進展が楽しみです。


2回目は4月28日、今回の震災に関するプロジェクトへの影響とそれらの対応について会議がありました。緊急に開催されましたが15名の参加がありました。このプロジェクトは外国からの旅行者を対象としており、彼らから旅行行動に関するデータを入手する必要があります。現在の社会情勢を考慮すると、震災以前の計画では十分な量のデータの入手が困難になると考えられます。そのため、代替データの検討、十分な量のデータ収集が行えなかった場合のリスクについて議論しました。まず震災以前に取ったデータの解析を行い、プロジェクトへの影響度に応じ今後の計画の検討を行う事になりました。


原プロジェクト会議の様子

原プロジェクト会議の様子

2回のサイトビジットを通じてプロジェクトの理解が深まりました。リーダーの原先生がしっかりとプロジェクトをまとめ、メンバー間で十分な議論を行う事によって、今回の震災の影響を乗り越えてくれると思います。


今後もサイトビジットについてお伝えしていきます。お楽しみに!