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マネジメントの現場から

2013年9月14日(土)  サイトビジット(中林プロジェクト)報告

 平成23年度に採択された中林プロジェクトのサイトビジットを実施しました(於:富山県富山市)。今回で3度目のサイトビジットとなりました。(1度目はこちら、2度目はこちら
 
 中林プロジェクトでは、高齢者の歩行を支援するツールとして歩行補助車を開発するとともに、歩行補助車を利用することで高齢者が積極的に街に出かけるための条件を明らかにすることを目標としています。高齢者がまちなかを楽しく歩くことができる社会環境を整備することで、住み慣れた地域で、自分で歩いて生活を続けることができるようになることを目指しています。

 今回のサイトビジットでは、富山市総曲輪にあるグランドプラザで開催されたイベントとホコケン研究会に参加してきました。イベントは、歩行補助車の存在と価値観のコミュニティへの浸透を狙った、歩行補助車の利用促進のための広報イベントとして実施されました。富山市の神田昌幸副市長には終日ご参加いただき、また、途中には環境副大臣の視察があり、注目度の高さを実感しました。

 イベントでは、本プロジェクトで開発した歩行補助車だけではなく、各メーカーの歩行補助車がたくさん集められており、広場に来た地域の方が次々に足をとめて実際に触れている様子がみられました。この他に、ホコケンカフェとして、ラテアート、あんばやし(こんにゃくを使った富山の郷土料理)、そば、ネイルアートの屋台が出され、長寿会会長、富山大学学生、行政の方々が一緒になって、賑やかに切り盛りしていらっしゃいました。また、ステージではたくさんの出し物があり、誰もが楽しく過ごせるよう工夫を凝らしてありました。

 そして、このイベントで歩行補助車の名前が投票によって、「まちなかカート」と決定しました!私たちは、早速「まちなかカート」を持って、歩行補助車モニターの高齢者の方と一緒に富山市内を走るライトレールに乗車しました。コンパクトかつ安定するようにできていることもあり、ゆっくりと乗ることができました。

 さらに、歩行圏の社会環境の整備の取り組み(2013年8月1日から試験運用中)も見学しました。ひとつは、歩行補助車のステーションで、総曲輪通り「グランドパーキング」「フェリオ」「地場もん屋」に設置されており、どなたでも無料で自由に使えるようになっています。もうひとつは、とやま☆ホコケンICウォーク事業としてICウォークチェックポイントが、「地場もん屋」「街中サロン樹の子」に設置されています。このチェックポイントに専用ICカードをかざすとポイントがたまる仕組みになっており、ポイント制になっていることで、楽しくまちなかを歩くきっかけづくりになることが期待されています。

 イベント後に行われたホコケン研究会では、ホコケン活動の現状と課題を整理することを目的として、「ステーション事業」と「ICウォーク事業」をいかに定着させるか、またプロジェクト終了後の活動の継続について、各々ができることは何かということをテーマにグループワークを行いました。長寿会会長、神田副市長をはじめとする行政関係者、大学関係者から積極的に意見が出されており、意識の高さが伝わってきました。
 
 本プロジェクトは1年後に終了を迎えますが、成果のとりまとめに向けて、より一層のチームの力の高まりを感じるサイトビジットになりました。ソーシャルキャピタル育成のモデルとなる住民主体のまちづくりのパッケージとして、富山から全国に発信することに向けて順調に進んでいます。
 


グランドパーキングに設置された歩行補助車ステーションです。利用後は、きちんと返却されているそうです。

長寿会の会長さんが作るラテアートです。イベントのために、事前に皆さんで集まって練習をしたとのこと、さすがの腕前でした。おそろいの赤いスタッフTシャツが素敵です。

グランドプラザはガラス屋根のかかった広場です。スペース内に、いくつものブースがあり、終日にぎわいました。

地場もん屋に設置されたICウォークチェックポイントです。ここに、専用のICカードをかざしてポイントをためます。

3台のまちなかカートが乗り込みました。まちなかカートは、車内では、通路に置くこともできますし、車いす用のスペースに置いて座ることもできます。

ホコケン研究会でのグループワークでは、今後の取り組み方について真剣に話し合われました。



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