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マネジメントの現場から

2013年2月23日(土)  サイトビジット(佐藤プロジェクト)報告

 平成24年度に採択された佐藤プロジェクトのサイトビジットを実施しました(於:福島県二本松市)。

 佐藤プロジェクトでは、福島第1原子力発電所事故により広域への分散避難を余儀なくされた、福島県浪江町民の長期にわたる復興を支えるコミュニティの在り方を「ネットワーク・コミュニティ」と称し、多角的な観点からそのデザインを行っています。

 今回のサイトビジットでは、まず本プロジェクトと関連の深い「なみえ復興塾(「まちづくりNPO新町なみえ」が組織)」の幹事会メンバーによる検討会を視察しました。ここでは、浪江町の現状および長期的な復興ビジョン、分散した浪江町民をつなぐための交通システム「新ぐるりんこ」、避難先の中心市街地や仮設住宅団地で形成される町外コミュニティのあり方などが検討されました。メンバーの皆さんは厳しい状況に屈することなく、協働復興のための具体的な方法について建設的かつ活発な議論を交わされていました。

 午後は本プロジェクトの計画・進捗状況について、研究メンバーおよび領域総括・アドバイザーとの議論が行われました。
 ここでは、特に避難した住民の方々を対象とした健康度調査や生活状況・行動範囲等の概要と今後の方向性について焦点が当てられました。現状の把握のみではなく、その結果をいかに地域の改善へ反映させていくか、また科学的な成果として創出するか等、深い検討がなされました。

 その後は、杉内多目的運動広場にある仮設住宅へ移動し、特定非営利活動法人Jinの方々から、住民の方々の現状と課題について説明を受け、課題解決に向けた取り組みや提案を領域総括・アドバイザーとともに検討しました。また、Jinで行われているサラダ農園などの取り組みについてお話を伺ったり、統合型移動システムに含まれるべき要素についても、プロジェクトメンバーとともに議論を行いました。

 メディアでは日々、被災地に関する報道が少なくなっているように感じますが、未だ課題は山積みであることを改めて痛感しました。本プロジェクトの取り組みが、浪江町の皆さんの絆をさらに強化し、協働復興の礎になるとともに、日本における災害対応モデルのプロトタイプとなることを期待しています。


「なみえ復興塾」幹事会メンバーの皆さん。協働復興に向けた建設的な議論が活発に行われました。

プロジェクトの具体的な進捗について、評価の方法も交えながらメンバー・領域総括・アドバイザー間で検討されました。

杉内多目的運動広場の仮設住宅には約300名の方々が入居されており、そのうち100名近くが65歳以上の高齢者です。

杉内仮設住宅内、一樹デイサービスセンターにて、特定非営利活動法人Jinの方々にお話を伺いました。



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