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ほっとコラム

「保健師としての熱い思いが揺さぶられる瞬間」

中林 美奈子
研究代表者  中林 美奈子
富山大学大学院医学薬学研究部
(地域看護学講座) 准教授

 早いもので保健師になって30年になろうとしています。最初の11年間は県職員の保健師として保健所等に勤務し、その後大学に移り地域看護学の教育・研究に携わっています。地域保健師としての経験よりも大学での勤務年数の方がはるかに長くなりましたが、仕事を続ける上で私を支えているものは、今も昔も保健師のとしての「熱い思い」(魂・パッション・情熱など表現型は様々ですが)です。

 平成23年度RISTEX「コミュニティで創る新しい高齢者のデザイン」研究開発プロジェクトの一つに採択され、富山県富山市星井町地区で「社会資本の活性化を先導する歩行圏コミュティづくり」に取組んでいます。プロジェクトでは、歩行補助車を公共ツールとして活用することで、元気な人も身体が弱った人も、みんなが積極的に街に出て生活を楽しむコミュニティづくりを目指しています。地域住民、大学教職員、行政関係者、学生等が一緒に取組むまちづくりは、かなり楽しい!!私自身、久しぶりに保健師魂が熱く揺さぶられています。

 プロジェクト開始からまだ1年足らずですが、これまでを振り返ってみると、①地域に出て、いろんなものを見たり、住民の声を聞いたりして、歩行圏コミュニティづくりが私たちに課せられたミッションであると実感した瞬間、②自治振興会長さんや長寿会の会長さん方に出会って「住民力」のすごさを感じた瞬間、③住民や仲間と同じゴールに向かって一緒に歩き出したと感じ始めた瞬間・・・に保健師魂が揺さぶられたように思います。最近、いろんな方から「この(歩行補助)車、押して歩いとられる人、見たよ」と声をかけていただくことが多くなり、歩行補助車が地域に浸透してきた手ごたえを実感しています。打ち上げ花火のような華やかさはないけれど、地道に・確実に・ジワーッとした手ごたえ感がまた、保健師魂が揺さぶられる瞬間であり、次のアクション(行動)の原動力になっています。これぞ保健師活動だと思います。歩行補助車が高齢者の生活を助け、その地域で見慣れた風景になる。それが私たちが目指す高齢社会のデザインです。健康日本21(第2次計画)においても社会環境の整備が強調されていますが、私たちの取組みはそれに通ずるものでもあるように思います。愚痴もありますが、保健師魂が揺さぶられる瞬間が多々あるので、楽しくやりがいを持ってプロジェクト事業を進めています。

 最後に少し教員らしいことを書くと、プロジェクトには地域の若い保健師さんや研究室の学生がたくさん関わってくれています。プロジェクトを通し、若い彼女たちに保健師の「熱い思い」が育ってくれればいいなぁと思っています。私の思いを伝え、一緒に夢を語り合うことができるプロジェクトでありたいと思っています。



新型の歩行補助車

スタッキング収納された歩行補助車の街中での風景



中林先生が研究代表者を務められているプロジェクト「社会資本の活性化を先導する歩行圏コミュニティづくり」の紹介はこちらをご覧ください。

(掲載日:2012年11月26日)

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