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SATREPS生物資源分野のプロジェクト成果が書籍 「Plant Genetic Resources (PGR) for Sustainable Crop Production」として出版

国際科学技術共同研究推進事業(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム)

https://www.jst.go.jp/global/

SATREPS※生物資源分野の植物遺伝資源に関するプロジェクトの成果が、「Plant Genetic Resources (PGR) for Sustainable Crop Production - SATREPS Projects Tackling Global Warming and Environmental Extremes in Developing Countries -」として、Springer社から出版されました。持続可能な作物生産のために、新しい植物遺伝資源とその遺伝情報を利用したプロジェクトの成果をまとめたものです。

※地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)は、科学技術と外交を連携し相互に発展させる「科学技術外交」の一環として、地球規模課題の解決に向けた日本と開発途上国との国際共同研究を推進するプログラムです。2008年以降、世界60カ国で193プロジェクトを実施し、多くの科学的知見を生み出すとともに、人材育成と研究能力の向上に貢献してきました。

気候変動に適応した作物の遺伝子改良のための植物遺伝資源の応用

生物資源分野が対象とする植物遺伝資源の利用は、SATREPSでも重要な研究分野の一つです。今回まとめられた本分野の成果は、気候変動、砂漠化、農地の塩類化といった地球規模の課題に取り組む上で、植物遺伝資源が果たす本質的な役割を示すものです。生物資源分野の長峰司研究主幹が中心となり、開発途上国における持続可能な作物生産を向上させる画期的な研究と実践的な応用に取り組んだプロジェクトの研究成果を紹介しています。

世界の食料安全保障に貢献する持続可能な農業の実践

本書籍は、環境問題を克服し、農業生産性を向上させるために植物遺伝資源がどのように利用できるかを示しています。具体的には、安全で栄養豊富な食品と持続可能な農業の実践について、イネ、コムギ、トマト、キヌア、飼料作物、キャッサバ、バナナ、ゴムなどの作物の遺伝的改良などの研究成果を多様な視点から紹介しています。ここで紹介している内容は、世界の食料安全保障に貢献する持続可能な農業の実践にチャレンジする研究者のみならず、農業試験場の専門スタッフや民間企業の研究者にとっても参考になる資料となっています。

書籍情報
https://link.springer.com/book/10.1007/978-981-96-7117-5

掲載日:2025年07月17日